見出し画像

解説シリーズ①~ Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2024」~

新シリーズ第一弾

今回は新シリーズ、解説シリーズの第一弾です。
このシリーズでは、私の独断と偏見でピックアップした、理想社会や現状の課題、その変革方法について、解像度を高めてくれそうな記事や動画、本の内容をより詳しく解説しようと思っています。

第一弾は、先日、世界的な経済誌『Forbes』で特集された、「日本の起業家ランキング2024」の内容を解説します。
私としては起業家こそが現代社会において、最も社会変革に適した職業だと思っており、その最前線にいる人物たちがどういった人で今何をしているのかを知ることで、理想社会、現状の課題、その変革方法がスナップ写真的に見えると思っているのです。

それでは早速見ていきましょう!


日本の起業家ランキング1~10位

まず、Forbesが選出した、日本の起業家ランキング1~10位がこちらです!

起業家ランキング2024 BEST10

1位 慎 泰俊(五常・アンド・カンパニー)
2位 小川 嶺(タイミー)
3位 磯野 謙 / 川戸健司 / 長谷川雅也(自然電力)
4位 長尾 昂(京都フュージョニアリング)
5位 加藤勇志郎(キャディ)
6位 角田 望(LegalOn Technologies)
7位 富岡 仁 / 佐野元紀(Telexistence)
8位 宮城 徹 / 水野智規(UPSIDER)
9位 多田智裕(AIメディカルサービス)
10位 山野智久(アソビュー)

こちらは以下観点で著名なVC投資家や起業家が選出しています。
2023年10月2日時点で未上場のスタートアップの起業家が審査対象。」
「グローバルで活躍できるか」
「時価総額1000億円を超えられるか」
「成功への時間軸を重視した事業の実績・成長性」
「経営者・経営チームの成熟度」
「社会課題解決に取り組んでいるか」

1位 慎 泰俊(五常・アンド・カンパニー)

第1位は、五常・アンド・カンパニーの慎 泰俊氏です!
この会社は世界のマイクロファイナンス(小口融資)史上最速で伸びている会社だそうで、23年3月期の顧客数は連結ベースで173万人。連結収益は約186億円、連結営業利益は17.6億円で単年黒字化も達成しました。
14年の創業から、カンボジア、スリランカなど東南アジアを中心に事業展開し20年からはインドを重点市場とし主要プレイヤーとしての足場を確立しています。

その強さの秘訣は、「経営陣選び」であり、自らの哲学やストーリーを語ることや後から参画したメンバーにも大株主の利益一部享受できる仕組み(サティヤーグラハ・パートナーシップ)を導入したことで、グローバルFintech領域の連続起業家・アルノー・ヴェンチュラ氏など世界有数の人材を獲得しています。日本発の企業でグローバル人材獲得に強みがある企業は珍しい印象なので、大変興味深いですね!

そんな五条・アンド・カンパニーの創業者・慎 泰俊氏の経歴は以下です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
1981年東京都生まれ。モルガン・スタンレー・キャピタル、ユニゾン・キャピタルで8年間にわたりプライベート・エクイティ投資実務に携わった後、2014年に五常・アンド・カンパニーを共同創業。
金融機関で働くかたわら、2007年にLiving in Peaceを設立し(2017年に理事長退任)、日本初のマイクロファイナンス投資ファンドを企画した。過去15年以上にわたり社会的養育を受ける子どもの支援に携わっている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金融畑を長年歩んできた方ですね。
そんな彼がマイクロファイナンス分野で起業した理由は、「生まれたときの状態が理由で、社会的に不利益を被るということを世界からなくしたい」という思いで、彼自身が無国籍であることから渡航や日々の生活において不条理を経験することが多く、それを自身の得意とする金融面で解決したいと考えたそうです。
原体験と自身のCanを組み合わせて起業されたパターンですね!
志高く、社会的もインパクトも大きい五条・アンド・カンパニー、慎 泰俊氏には今後も大注目ですし、陰ながら応援していきたいですね!

2位 小川 嶺(タイミー)

スキマバイトで有名なサービス・タイミーの創業者・小川 嶺氏です!
タイミーは累計利用者数600万人を超えるサービスを展開しており、22年には183億、23年には130億円をデッドファイナンスで調達するなど事業成長に向けて大きくアクセルを踏んでいる大注目のベンチャーです。

ここまで成功できた要因は、「スキマバイト」というニッチな市場でいち早くポジションを確立できたことです。参入するタイミングも早かったですが、競合より先んじてTVCMやメディア露出でマス向けの認知度獲得施策を打ったことで、ToB・ToC双方で第一想起される存在となりました。TVCMというかなりコストのかかるマーケ施策を打つことはスタートアップにとっては大きなリスクとも捉えられますが、ToC認知度が決定的に重要なサービスであるタイミーにとっては英断でした。
メルカリもかつて同様の戦略を用いフリマ市場を独占しましたね。

そんな小川 嶺氏はどのような人物なのでしょうか。
彼は立教大学在学中に起業した、いわゆる学生起業家です。
学生起業家は、かつてはサイバーエージェント・藤田氏やGunosy・福島氏など若くして莫大な富・名声を得られる存在として注目されましたが、近年は起業家キャリアが一般化していく中で、経験を積んだ30~40代の起業家も増え、競争環境が激化する中で経験の浅い学生起業家は不利な印象もありますが、それを反証する存在としても注目しています。
ちなみに、スキマバイトというアイデアは、自身がスタートアップ起業したものの全く売り上げが経たない中で、「スキマ時間にお金を稼ぎたい」という切実なニーズから生まれたアイデアとのことです。

3位 磯野 謙 / 川戸健司 / 長谷川雅也(自然電力)


第3位は、自然電力の磯野 謙氏、川戸健司氏、 長谷川雅也氏です!
この会社は2011年に風力発電ベンチャー出身の3名で設立されており、再エネ発電所の開発からEPC(設計・調達・建設)、運用・保守、電力供給までを一気通貫で手掛ける再エネ業界のSPA(製造小売業)です。
国内外10カ国で事業を展開しており、2022年度は総額で744億円の資金調達を行っているなど驚異的なスケールで成長しています。
これは、グローバル市場規模は数百兆円とも言われる電力市場ならではのスケール感ですね、、!

さて、この会社の成功要因は、SPA戦略ではないでしょうか。ラクスルやファーストリテイリングが用いていることで有名な戦略ですが、バリューチェーンを一気通貫でマネジメントすることで、間接コストを飛躍的に効率化することができます。エネルギー業界は設計から開発・運用など各プロセスにおいて異なる企業が担当していたことで、間接コストが増大し、ノウハウも分散してしまっていました。
そこで電力に関して知見を持っていた3名は、先行企業であるドイツの企業とも提携し、バリューチェーンを一気通貫で請け負うSPA戦略を取ったところ多くのクライアントから問い合わせを頂き、事業拡大に繋げられたそうです。
古くから業界構造が変わらないレガシー産業においては、SPA戦略は王道中の王道だなと改めて思うのでした。

ふぅ、3位までまとめたところで疲れましたので以上にします(笑)
まずやっと記事を更新できた自分を褒めたいと思います。

読者の皆様にも、何から参考になる情報になっていれば幸いです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?