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スキした作品

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色々読んでスキをしていく中で素敵な作品が埋もれていくのでまとめました/不定期更新
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#自由詩

【詩】ここで

【詩】ここで

みんな明るすぎる虹を持って
生きてるわけじゃない

そこにいてはいけない訳じゃない
ただどうしようもなく
居心地が悪いけどそこにいる

流れつくのは
辿り着くのは
同じ思いをしてる人が居る
そんな場所

傷を舐めあうわけじゃない
ただ同じ空気を感じる
背中に言えない何かがある

そんなこと聞かなくても
笑い話で零れてくる
それが笑い話じゃなくても

想像して欲しい

ここが居場所

気が合う者が集

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【詩のようなもの】ハロウィーン

【詩のようなもの】ハロウィーン

駅から家までの間
寒暖差に耐えきれず
疲れきって歩く

ただでさえ暗い道
雑木林の横を通りすぎると
怖ささえおぼえる

足早に暗い中を
通りすぎようとすると
奇妙な音が林の中から
聞こえた

くわぁーくわぁーと子供の声のような
何かを呼ぶ声でもあり

恐ろし過ぎるその状態は
背筋を凍りつかせた
止まるも地獄
歩くも地獄

ゆっくりと一歩一歩進む
気のせいだ
きっと気のせいだ

よくよく耳を近づける

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賽の河原 【幻想詩】

賽の河原 【幻想詩】

僕のからだは
いつのまにか薄い布になって
ふわふわただよっていた

空から見ると
灰色の荒野の中を
一筋の川が流れている
銀色の砂利が光っていて
鉱物の擦れ合う音が響いていた

川のほとりの風は
灰色の土を巻き上げた
丸い透明なものが
あちらこちらに浮いている
風に吹かれるままに
散ったり 集まったり

その 透明な
しゃぼん玉のなかに
坊さまが棲んでいた
しゃぼん玉のなかで
坊さまの弾く琵琶は

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【詩】線路わき

【詩】線路わき

冬の風は体を氷に変える
マフラーを何重にも巻いて
黄昏を見ながら
家路へと向かう

線路脇の小径
明と暗の繰り返し
感じながら
ゆっくりと歩を進める

人混みに慣れた
空気にも慣れた
町には帰りそうにない

星はどこから見ても
同じじゃない
街で鈍く光る星は
いつも靄がかかっている

八百屋の店先の野菜は
いつも大きさがバラバラだった
スーパーの野菜はきれいに
整えられている

気が付けば整えられ

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【詩】声

【詩】声

声を聴いているだけで
ただ安心する

内容なんて
ほんとは何でもいいんだ

新しいパン屋を見つけたとか
キッチンの取っ手がとれたとか

そんな何でもないことを言う
君の声が心地いい

聴いてないって怒られるけど
ちゃんと聴いてるよ

ちゃんと聴いてるから

もう少し聴かせて

~*~* Twitterの詩より

【詩】たどり着くまで

【詩】たどり着くまで

天気はいつも晴れじゃない
昨日は晴天でも
今日は大雨
明日の予報は嵐

いつも晴れならいいって
晴れ間を探している

あなたはそんな時
肩を抱いて
皆そんなもんだって

晴れだけじゃなく
嵐の中で答えが見つかることもある
行くべき道を見つけることもある

計画通りに行かなくて
頭を抱えても
それが計画だとしたら
計画通り

この世の中で必要ないかもしれない
小さい部屋で明日のことは考えられない

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とわに《詩》

とわに《詩》

ぶらーん ぶらーん

こんな風に ぶらんぶらん したい

永遠に らぶーんらぶーん したい君と

ぶらーん ぶらーん

どうかな 君

梨の笑顔の向こう側《詩》

梨の笑顔の向こう側《詩》

線路の向こう 見届けて
列車の音が聞こえない
耳穴塞ぎ 聞こえない
トントントコと トコトンと

別れ際には 必ずと
必ずという 辛さあり
瞼をしまい 流さない
ピシャンピシャ ピシャリンと

我が一部分 引き裂かれ
辛さを知った 肉親が
生まれて死んで 繰り返し

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奇妙なリズム 【自由詩】

奇妙なリズム 【自由詩】

時おり二つ
次に三つ

ステップが変わる
目を離すとすぐに変わる

時おり三つ
あるいは七つ

変なリズムを刻む
君の足元
ハイヒールが地面を抉りながら
ステップを踏む

二つ 三つ 七つ

ボンゴが喉を鳴らす
おどけた喉を鳴らす
アンビバレントな喉を鳴らし
民族の風を吹かす

偶像が踊る
奇妙なリズム
千手観音が踊る
複雑怪奇なリズム

海坊主が踊る
ニュラルホン ニュラルホン
蛸坊主が踊る

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「秋色の夢」ー詩ー

「秋色の夢」ー詩ー

私の夢 どんな色?
きっと 秋の吐息色
すれ違いばかりの 夢だけど
これから パステルカラーで
しっかりと 描いていくの

私の夢は 時を越えて
秋の雲に 乗って
星屑で作った 銀の馬車で 駆ける
この世に たった一人の
あなたの心に 留まりたい

私の心は 音符のよう
愛のセレナーデを 書き上げて
秋の 月の光の下で
命の続く限り
想いを 奏でて 歌い続ける

私の愛は 小鳥のよう
枝から 幹へ

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【詩】優しい場所

【詩】優しい場所

麗しい風に揺れる木
木についている実は
何を食べても
美味しく

目に見える全ての花は
美しい

遠くで音楽が聞こえ
そばに寄ってみると
音楽を奏でているのは
花の音と虫のリズム
枝からはラッパとフルート

楽しそうに右に左に揺れている

澄んで透明な水は
何よりもおいしい
喉を潤して
心も潤してくれる

柔和な顔をした女性が
大きな木の幹で
子供たちを周りにして
絵本を読んでいる

お兄さんとお

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【詩】肉じゃが

【詩】肉じゃが

”ろくなもん食ってないだろ”
君がいつか出してくれた
スペイン風肉じゃが
肉じゃがなんて
年寄りの好物だって
高をくくってたのに
肉じゃがなんてさ
でも今じゃ
顔が上を向かない日は
肉じゃがを食べたくなるよ
不安にくるまれて
あがいて もがいて
不思議とキラキラしていた
いつかの自分を
茶色い肉じゃがに
思い出して

【詩】あの暑い日

【詩】あの暑い日

あの暑い日に見た花火

ペットボトルの水を頭にかけて

笑いあった人混みの中

ギター一本で思い浮かんだ歌を

好きに歌った芝生の上

これからどうなるかなんて

今がどう変わるかなんて

わからないまま一緒に進んでた

このまま一緒に変わることなく

この素晴らしい瞬間を愛おしく感じ

朝が来るのが楽しみで

新しい日は何かをもたらしてくれる

それを信じて疑わない

与えられたものは

新鮮で

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【詩】200メートルの森

【詩】200メートルの森

人気の少ない立体交差

同じ目をした通勤列車から

吐きだされた無口な人々

歩く音が聞こえる地下通路

乱立するビルはお互いを見下ろし

お互いを見上げる

背の高いビルに夢をみた新宿

未来は明るいと言う

既定路線

夜中に歩くビルの間

コンビニの袋をを持って歩く

ホテルから見る都庁は輝いている

現実は既定路線上にはなく

これから行くところは

ビルではなく木に囲まれている

お金が

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