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日本のサポーター論の入口

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サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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#スポーツマーケティング

ブルーノメンデスのチャントはなぜバズったか?ちゃんとしたチャントの話

ブルーノメンデスのチャントはなぜバズったか?ちゃんとしたチャントの話

ブルーノメンデスがどのような選手なのかを知らなくても、その名を、そしてあのメロディを知っている人も多いのではないか。2019年6月22日夜、突然にブームはやってきた。発端はゆうぽみTVで人気のぽみさんがツイッターに投稿した動画だった。

何度も脳内でループする中毒性の高いチャント。この動画は2日間で60万回以上も再生され「チャントが頭の中でループ再生される」中毒患者が続出。今や「日本で最も有名なチ

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「自分をさらけ出す」山里亮太・蒼井優・・・そしてサポーターとクラブの「結婚」。

「自分をさらけ出す」山里亮太・蒼井優・・・そしてサポーターとクラブの「結婚」。

お笑い芸人・山里亮太さん(42歳)と女優・蒼井優さん(33歳)が結婚を発表。その記者会見で語られた。2人の発した言葉の一つ一つに共感の輪が広がっている。

山里「エッ? 好きになるのって、そんなに覚悟必要でしたっけ?」
この記者会見では、様々な気づきを与えてくれる名言が飛び出している。・・・さて、このnoteは芸能ネタではなくサッカーとサポーターが主題だ。話を元の路線に戻していこう。サポーターがク

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浦和と横浜、ゴール裏女子は意識も環境も大違い。浦和のコアサポーターは女性に優しい雰囲気・・・でもないみたいです。

浦和と横浜、ゴール裏女子は意識も環境も大違い。浦和のコアサポーターは女性に優しい雰囲気・・・でもないみたいです。

「ゴール裏女子」と聞いて思い浮かべるのは、どのような姿だろう?私が思い浮かべるのは日テレベレーザのコアサポエリアで、1試合を通して、ずーっと跳ね続けていた女子サポ。私は、その子を「全力さん」ならぬ「全力ちゃん」と呼んでいた。「ゴール裏女子」といっても、各クラブで応援方法、観戦環境、観戦に対する意識がかなり異なるイメージがある。果たして、その実態はどうなのだろう。

対照的なイメージの浦和レッズ女子

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Jリーグのマスコット好きは何に入場券代を支払ったのか?濃密な120分+15分を終えて見えたものは「信用」。

Jリーグのマスコット好きは何に入場券代を支払ったのか?濃密な120分+15分を終えて見えたものは「信用」。

マスコット好きが100名以上も集まると、空気が甘く濃厚になる。2019年2月10日に「宇都宮徹壱WMプレゼンツ 2019 Jリーグマスコットを語り尽くす!」がLOFT9Shibuyaで開催された。あいにくの雪模様の日の開催にもかかわらず、Jリーグクラブのマスコット好きが集まり熱気に包まれたイベントとなった。

私は、幸運にもキックオフトークとして15分の持ち時間を頂き、ささゆかちゃんとともに「マス

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みだりに施設外で気勢を上げ騒音を出すことを日本サッカー協会が禁止。出禁の対象者は日本サッカー協会が特に悪質と認める者。

みだりに施設外で気勢を上げ騒音を出すことを日本サッカー協会が禁止。出禁の対象者は日本サッカー協会が特に悪質と認める者。

日本サッカー協会は実情に合わせてJFA試合管理規定を改正し、2019年2月1日より施行を発表した。「実情に合わせて」というのがポイント。つまり、最近の苦情や新しいトラブルに用いられる道具等を意識して改正されている。ビッグフラッグ、差別行為、飲酒による酩酊、営利目的の撮影等について明確化された。さらに、施設外での行為も新設されたのだ。

施設外での行為が明記された画期的な改正。ここでいう施設とは「試

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2019年のJリーグはチケットを「いかに確保するか?」から「いかに安く確保するか?」の争奪戦へ

2019年のJリーグはチケットを「いかに確保するか?」から「いかに安く確保するか?」の争奪戦へ

日本代表がアジアカップの決勝戦に進出。勝利を目前にした高揚感を伝えるツイートが多いタイムラインに、一つのツイートが紛れ込んでいた。それは、一人の女性サポーターがアブダビ行きの航空券を購入する決断のツイートだった。

アパホテルや航空券、そして一部のスポーツエンターテイメントのチケット販売で2018年に話題になったダイナミックプライシングが、2019年は本格的にサッカー界でも広く運用されることになり

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Jサポーター文化をコンテンツからプロダクツへ。観光庁長官、文化庁長官、観光庁長官のトークセションから考えるスポーツ文化ツーリズム。

Jサポーター文化をコンテンツからプロダクツへ。観光庁長官、文化庁長官、観光庁長官のトークセションから考えるスポーツ文化ツーリズム。

雪国に欠かせない雪かきをスポーツ競技に変え、雪の降らない国からの参加者を集めている「国際スポーツ雪かき選手権」、カヤックで農業用水路を下る「イデベンチャー」、パラグライダーで車椅子のまま空中を滑降する「世界一自由な空へ つばさに乗って行こう 南陽は空もバリアフリー 空飛ぶ車椅子体験」等が、観光庁、スポーツ庁、文化庁の3庁連携による「スポーツ文化ツーリズムアワード2018」の表彰を受けた。

海外か

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Jリーグマスコットが多くの日本人に愛される理由を歌舞伎とシェイクスピア劇から考える。

Jリーグマスコットが多くの日本人に愛される理由を歌舞伎とシェイクスピア劇から考える。

Jリーグマスコットの多くは動物をモチーフにしている。鹿、犬、鳥、熊、狼・・・昆虫もいる。マスコットはファンに対する道化役や案内役ではなく、クラブの一員もしくは、サポーターとは共に応援する仲間にまでなっている。欧米のスポーツチームにも多くのマスコットが存在するが、その位置付けはJリーグマスコットとは異なる。なぜだろう。

まず「中の人」について考える。そして、後半では和洋2つのステージエンターテイメ

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マスコットが表情豊かに語りかけてくれると感じた貴女はマスコット沼に足を踏み入れている。その豊かな表情の秘密は顔の形状にあった。

マスコットが表情豊かに語りかけてくれると感じた貴女はマスコット沼に足を踏み入れている。その豊かな表情の秘密は顔の形状にあった。

Jリーグのマスコットが大好きという人が増えている。FUJI XEROX SUPER CUP 2019では「もふチケ」が発売された。このチケットでは全マスコットと場内特設広場内で触れ合える。さらに「超!もふチケ」では、全マスコットと「超!もふチケ」購入者との写真をJリーグオフィシャルフォトグラファーが撮影しオリジナル記念フォトフレームでプレゼントされる。「超!もふチケ」の価格は30,000円。

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皇后杯の優勝賞金は、なぜ300万円なのか?そして関係者の努力、女子サッカーの待遇改善の先行事例とは?

皇后杯の優勝賞金は、なぜ300万円なのか?そして関係者の努力、女子サッカーの待遇改善の先行事例とは?

2019年の日本のスポーツの開幕は皇后杯 JFA 第40回全日本女子サッカー選手権大会。日テレ・ベレーザが延長戦でINAC神戸レオネッサを4-2で下した。強豪2クラブが死力を尽くして競い合う好ゲームだった。試合後にテレビ中継に映し出された「優勝賞金300万円」の文字。これが話題となった。

男子の天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会の賞金は2017年から1.5億円になっている。それまでの1億円

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ルヴァンの協賛効果拡大をサポーター視点で考える。2018年4月時点でルヴァン60.0%、リッツ40.0%の構成比。

ルヴァンの協賛効果拡大をサポーター視点で考える。2018年4月時点でルヴァン60.0%、リッツ40.0%の構成比。

秋のJリーグはカップ戦の季節。JリーグYBCルヴァンカップ決勝戦が行われる。1992年にJリーグヤマサキナビスコカップとして始まったカップ戦は、2016年8月末をもって旧ヤマザキナビスコ社とモンデリーズ社とのライセンス契約が終了したためJリーグYBCルヴァンカップと改称した。旧ヤマザキナビスコ社は、YBC(ヤマザキビスケット社)とコーポレートブランドと社名を変更し、新たに「ルヴァン」という商品ブラ

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新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ、2位はV・ファーレン長崎。

新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ、2位はV・ファーレン長崎。

前回に紹介した「新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング1位は川崎フロンターレ。」では大きな反響をいただきました。ありがとうございます。今回は同時にアンケート調査を実施したサポーターに関するイメージの集計結果をおしらせします。アンケート調査の実施方法、集計方法については前回のnoteをご参照ください。

新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング
1位は川崎フロンターレ。最も新し

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新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング
1位は川崎フロンターレ。

新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ。

Jリーグサポーターはクラブの提供価値(ブランド)について、どのように感じているか、そのイメージをJ1クラブのブランドイメージについてアンケート調査で明らかにした。今回はランキング形式で紹介する。

自分が応援しているクラブは新しい価値を作っていくクラブに感じる。ランキングを紹介する前に明らかになったのは「自分が応援しているクラブは新しい価値を作っていくクラブに感じる」ということ。クラブと日常的に情

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