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日常のあれこれ

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記事一覧

コーヒーと私

コーヒーと私

 気がつけばコーヒーはブラックで飲むようになっていた。甘いものが好きで、コーヒーの苦さは苦手だったはずなのに、である。

 きっかけは大学生の時だ。バイトの休憩時間に、お金のない大学生の私は、某ファストフード店でコーヒーを頼んで、本を読んだり課題を進めたりゼミの発表準備をしたりしていた。しかし、注文をすると、ミルクと砂糖を受け取り、2回席にあがり、コンセントのある席を陣取り、困難に直面する。
 当

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コロナ闘病記(〜3日目まで)

しばらく前にコロナになりました。

0日目

 ワクチンを打った後に痛くなった左脇。同じ箇所が、痛んだものの一瞬で復活する。

1日目

 何となく軟口蓋がムズムズする。冷たいジュースを喉に流すとマシになる。
 眠たさのあまり、夕方に寝る。夕飯は、夏野菜カレーをバクバク食べれた。なんとなく、お酒の気分ではなく、両親がビールを呑んでいるのをスルー。一方で、お酒の代わりに飲んでいたペットボトルの緑茶で

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子どもの発する「不登校」という言葉

 漢字から受ける印象と、ひらがなも含まれる言葉から受ける印象が異なることは、よく言われることではないだろうか。

 先日、ふとした瞬間に生徒から「不登校の子たち」という言葉が聞かれた。その言葉を聞いた時、心が凍りつくのを感じた。あまりにも、機械的な言葉であるように思われたからだ。

 現在、クラスに1人以上はいると言われる「不登校の子たち」。どのクラスにも学校に行けていない生徒はおり、生徒たち同士

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失敗してもいい、という無責任

 教員としては働く中で、「失敗してもいい」「挑戦をしなさい」という言葉を生徒に投げかけることがある。実際、失敗から学ぶことも多い。若いうちに失敗をしておけるのは、年を重ねてから失敗するよりもダメージは少ない。

 しかし、「失敗してもいい」という言葉を使う時、同時に「立ち直り方」「挽回の仕方」を教えられているのか、自問自答している。
 生徒が失敗した時に、どうしたら良いか分からなくなって、失敗した

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学校の先生は大変なのか

 昨今、教員の働き方のブラックな面に注目が集まっている。同級生と久々に話す時も、教員であることを伝えると「学校の先生は大変だよね」と声をかけてもらう。しかし、「学校の先生は大変」なのだろうか。
 私自身、「学校の先生が大変」であると感じているのは事実である。休憩が取れないほどの忙しさ、12時間以上も学校にいることがほとんどである。部活動も休日返上で働いているにもかかわらず、お給料といえるほどの金額

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劇団四季「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を観て備忘録(ネタバレ有り)

劇団四季「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を観て備忘録(ネタバレ有り)

タングが動いている!! 劇団四季の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を見て、何より感動したのは、タングが3次元の空間で動いていることだった。
 首や腕が関節を意識して動かされたり、ぐにょーんと伸びるのには、くすっと笑ってしまうような可愛らしさがあった。
 特に、目の動きが印象に残っている。瞬きをしたり、目で会話をしたりする様子には、まさに、タングがその場に生きていることを感じさせられた。

美しい舞

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世界メンタルヘルスデーだから色々振り返ってみた

世界メンタルヘルスデーだから色々振り返ってみた

1)世界メンタルヘルスデーとは何か

2)メンタルヘルス検定II級を受けて 昨年、メンタルヘルス検定II級を受験・合格することができた。
 勉強していく中で、自分の知識や経験と結びつくものが多くあった。

①ストレスチェック

 ストレスチェックは、職場でも「このストレスチェックが、ストレス」と言われるものである。職場でハガキが配られ、時間を見つけていくつもの質問に答えていく。正直、私もめんどくさ

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部活動について思うこと

はじめに「部活動の地域移行」について、さまざまなメディアで、肯定的に受け取られている。私自身も、部活動を地域に移行するべきである、と考える1人である。
 しかし、同時に地域移行した時、生徒とのかかわり方に変化が出て、自分の生徒理解の方法を変えていく必要があることに気付かされる。

1)部活動があるから学校に来ていた生徒へのアプローチ 自分の中学生の時もそうだったが、学校は部活動をするために行ってい

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言葉をどう評価するか

 「良い質問ですね」なんて言葉も聞かれるが、良い質問の定義とは何なのか…と考えることもある。勉強したからこそ感じる疑問もきっとある。
その時の「勉強した」「思考を深めた」と考える基準は、あくまで評価者の中にある。評価者は、相手の理解度を受け止め、その疑問の価値を判断するのである。
 つまり、学習者側がある程度その過程を明示できることはより重要であると感じる。
 それは、現在の学習指導要領の「

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大人と責任からの逃避

大人と責任からの逃避

 中学生の時、地球上のいろいろな問題を扱った。地球温暖化、戦争、政治…。習っていて思ったのは、どれも大人のせいだ、ということだった。
 私たちは、たまたまこのタイミングに、この地球に生まれたのに、責任を負わされるんだと思っていた。

 しかし、中3の秋頃、『故郷』を授業で扱ったとき、衝撃を受けた。
 主人公は結局、物事を正しく見れてはいないのではないかという思い。未来への希望を抱いているかのように

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沖縄平和祈念公園に行って

沖縄平和祈念公園に行って

 沖縄の平和祈念公園に行ってから数ヶ月が経つ。普段なら少しずつ感じた事を忘れていってしまうが、今回は数ヶ月経った今も抱いている思いがある。そして、それがたまにドッと自分の中を埋め尽くす。

 平和祈念公園に行って、戦争の悲惨さや、沖縄戦の特殊性、本土復帰前後の混乱や今に続く苦しみを知った。地形が変わるほどの砲撃なんて、想像をしても、想像がしきれない。
 当時に思いを寄せようとしても、想像しきれない

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矜持と傲慢の間で

矜持と傲慢の間で

 日々、思っていることは「自分の身の丈に合わせて慎ましく生きていきたい」ということだ。それが大人としての落ち着きや余裕に繋がっていると思っている。
 プライドが高い人、だなんて思われたくない。そんな傲慢さは、自分を客観視できていない代表であると思う。

 ただ、自分の職業に対して専門としてのプライドは持っていたいとも、思う。それがお金をもらって働いている立場の責任の一つでもあると思うからだ。

 

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怒る

怒る

先日、夕方出先から戻る途中で渋滞にはまってしまった。その道は、坂道がウネウネと続く道。わたしは下り坂にいて、目の前には続く下り坂と、後に続く上り坂が見えていた。

赤いブレーキランプが闇に煌々と輝いている様子は、その間にずっと続いていた。

王蟲の目みたい王蟲は、『風の谷のナウシカ』に登場する生き物の一つである。作品の舞台は、戦争で科学文明が崩壊した世界。「火の7日間」で有害物質等により汚染された

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土の音

土の音

職場に行くと、必ずやることがある。職場にあるガーベラに水をやることだ。年度当初からずっとあるが、朝はどうしてもバタバタしていて、「はいはい、お水ですよ」と水をあげ続けていた。

しかし、先日たまたまゆったり水をあげることができた。水をあげた後も、しばらくその場でじっとガーベラを眺めていた。

するとどうだろう。ぱちぱちと音がする。鉢からら、ガーベラから、鉢から、ぱちぱちと水が沁み込む音がするのであ

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