こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年…

こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年に2回、文学フリマ東京に『超能力戦争の退役軍人』という名前で出店しています。 毎週木曜日更新です。 https://twitter.com/long_slow_slide

記事一覧

小説執筆のため

休載します。

小説に社会性を持たせるということ

 15歳の頃から、大江健三郎が好きだ。あいにく、1994年に彼がノーベル文学賞を受賞したことは小学生だったということもあって覚えていないが、初めて大江文学に触れるまで…

新しい波や合理主義について思うこと

 先週は更新できず、また休載の報せもできずに申し訳ありませんでした。ちょっと持病が悪化して長文を書く余裕がなく……。まあ、ともかくまたいつもどおり書いていこうか…

新年度の空気

 新年度になった。甥っ子は中学受験を終え、私立の男子校へ。僕の方は職場の管理者が替わり、残業は1分も許さない(それまで残業代は月に15,000円くらいあった)、そして飲…

15

自分の文体をものにしたい

 新潮新人賞200枚、すばる文学賞200枚、投稿できた!200枚丁度で作品を書き終えたのはこれで4作目。僕は200枚丁度で終わらせることができるという、作品の出来とまったく…

11

3月末の新人賞のため

 休載します。

小説における固有名詞

 すばる文学賞まであと1ヵ月、最高にヤバい!僕はこういうとき、「BLACK SABBATHの『PARANOID』もDEEP PURPLEの『SMOKE ON THE WATER』も大急ぎで作られたものだし、頑張…

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僕が抱えている呪い

 相互フォローしている龍中さんに紹介していただいた福澤徹三『怪を訊く日々』を読んでいる。これがまあ、めちゃくちゃ面白い。僕は自分が執筆する際は、なにかを読んで活…

15

考えてみるとおかしな話

 都市伝説が昔から好きだ。それも、大好きと言っていい。どこに惹かれるのかを説明するのは難しいけれど、都市伝説や怪談には人間の潜在意識みたいなものがうかがえるのが…

11

4つのタイプのガンダムファン

 また1日遅れてしまいました。申し訳ありません。ところで、世の中では『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』が公開されてるらしいですね。自分は富野由悠季が作っているガン…

物語の役割

 今年に入ってまだ1ヵ月だけれど、歯が抜けてること以外、身体に不調がない。思えば昨年は、運送会社のクール便を仕分ける仕事で冷蔵庫と外を出たり入ったりしていたので…

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テレビを見ない人

 小説がまったく進まない。いつもいつも書き出しが書けないでいる。毎度毎度、書き出しで苦労しているのはなんとかならないのか。書き出しさえ、書き出しさえ書ければ…、…

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手が離れた習慣

 今年も半月が過ぎた。執筆の調子は、正直言ってイマイチ。まあ1年の内で11ヶ月は不調なので想定内ではあるのだが…。またしても作品を流しきれずに春の新人賞。クソイラ…

13

いつもボヤッとしている

 あれは19年前、2005年の夏のこと。徹夜で働いて職場の仮眠室で寝ていたとき、先輩に叩き起こされ電車で所沢駅まで行った。そして西武ドームで西武ライオンズvs千葉ロッテ…

今年の目標を立ててみる

 みなさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。という、通り一遍の挨拶が意外と大事だなあと、この歳になってようやく気づいたこがわです。去…

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どうして悲劇を求めるのか

 最近、執筆やインフルエンザや中耳炎や転職活動でnoteをサボり気味でした。申し訳ない。これ以上に休むとせっかく習慣化したものを手放すことになりかねないので、今年の…

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小説に社会性を持たせるということ

小説に社会性を持たせるということ

 15歳の頃から、大江健三郎が好きだ。あいにく、1994年に彼がノーベル文学賞を受賞したことは小学生だったということもあって覚えていないが、初めて大江文学に触れるまで、僕は大江健三郎というのは道徳的で優等生のような小説を書く人だと思っていた。
 しかし、実際に大江文学を読んでみると、社会の不安な動きに怯える神経症の主人公が数多く出てきて、僕はこれにとても感銘を受けた。僕自身、世の中の政治の動きや社

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新しい波や合理主義について思うこと

新しい波や合理主義について思うこと

 先週は更新できず、また休載の報せもできずに申し訳ありませんでした。ちょっと持病が悪化して長文を書く余裕がなく……。まあ、ともかくまたいつもどおり書いていこうかなと思います。

 今回は「時代の流れ」について。
 僕は昔から新しいものより古いものに好奇心が向く方だった。最新の流行をキャッチするアンテナの感度が低いというのもあるし、性格が保守的だからというのもある。それに、新しい波に対する恐怖心も強

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新年度の空気

新年度の空気

 新年度になった。甥っ子は中学受験を終え、私立の男子校へ。僕の方は職場の管理者が替わり、残業は1分も許さない(それまで残業代は月に15,000円くらいあった)、そして飲み物はジュースやお茶が禁止され水のみになった。なんか変な管理者来たなあとは思うけれど、まあいいや。
 ところで、僕は子供の頃からずっと新年度が嫌いだ。特にクラス替えがある年は本当に大嫌いだった。新しい環境が得意な人は少ないと思うが、

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自分の文体をものにしたい

自分の文体をものにしたい

 新潮新人賞200枚、すばる文学賞200枚、投稿できた!200枚丁度で作品を書き終えたのはこれで4作目。僕は200枚丁度で終わらせることができるという、作品の出来とまったく関係ない特技があるらしい。2枚丁度小説を毎日書いたり、40枚丁度小説を数カ月に1度書いたりという日々の中で身についたのかもしれない。

 今回は、文体の話。
 文体に関してはいろいろ思うことがあり、最近になりTwitterで尊敬

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小説における固有名詞

小説における固有名詞

 すばる文学賞まであと1ヵ月、最高にヤバい!僕はこういうとき、「BLACK SABBATHの『PARANOID』もDEEP PURPLEの『SMOKE ON THE WATER』も大急ぎで作られたものだし、頑張るしかない」と思うことにしている。とにかく自分よ、頑張ってくれ。

 今回は、小説の演出についてのお話。
 僕が書く小説では、基本的に登場する作家、ミュージシャン、映画などは固有名詞を出すこ

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僕が抱えている呪い

僕が抱えている呪い

 相互フォローしている龍中さんに紹介していただいた福澤徹三『怪を訊く日々』を読んでいる。これがまあ、めちゃくちゃ面白い。僕は自分が執筆する際は、なにかを読んで活字に対する勢いをつけるタイプなので、作品に取り掛かっているときこそ本が必要。なのでとても助かっている。(それにしても専門分野を持っている人はやはり凄くて、僕の注文に対して龍中さんは何作もお勧め本を教えてくれた。流石である)

 さて今回は僕

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考えてみるとおかしな話

考えてみるとおかしな話

 都市伝説が昔から好きだ。それも、大好きと言っていい。どこに惹かれるのかを説明するのは難しいけれど、都市伝説や怪談には人間の潜在意識みたいなものがうかがえるのが好きなんだろう。そんなわけで、自分で書いている小説にもなにかしらの怪奇現象を盛り込んだりする。

 初めて都市伝説を意識したのは、1997年のことだ。あの年には、神戸連続児童殺傷事件があった。当時の自分は中学校2年生で、犯人は自分より1学年

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4つのタイプのガンダムファン

4つのタイプのガンダムファン

 また1日遅れてしまいました。申し訳ありません。ところで、世の中では『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』が公開されてるらしいですね。自分は富野由悠季が作っているガンダム(俗に言う「宇宙世紀のガンダム」)にしか興味がなかったので、西田藍のTwitterを見るまで知らなかった。

 さて、そんな「作者の富野由悠季には思い入れがあるけど、ガンダムのシリーズそのものには興味がない」という押井守

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物語の役割

物語の役割

 今年に入ってまだ1ヵ月だけれど、歯が抜けてること以外、身体に不調がない。思えば昨年は、運送会社のクール便を仕分ける仕事で冷蔵庫と外を出たり入ったりしていたので、その温度差で身体に負担をかけてしまっていた。今年は転職したので、思いっきり執筆に専念したい。

 さて、今回は前にも扱ったことがあるような気がするけど、フィクション(物語)の話。

 あれは2020年のこと、僕が昔勤めていた会社の女性が

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テレビを見ない人

テレビを見ない人

 小説がまったく進まない。いつもいつも書き出しが書けないでいる。毎度毎度、書き出しで苦労しているのはなんとかならないのか。書き出しさえ、書き出しさえ書ければ…、というのはいつものことだ。
 そんな中、サッカーのアジアカップをテレビで観た。サッカーのニュースはいつも一応チェックしているので日本代表の主要選手くらいはわかるのだが、ライブ中継を観るのはかなり久しぶりだったと思う。独り暮らしになってテレビ

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手が離れた習慣

手が離れた習慣

 今年も半月が過ぎた。執筆の調子は、正直言ってイマイチ。まあ1年の内で11ヶ月は不調なので想定内ではあるのだが…。またしても作品を流しきれずに春の新人賞。クソイライラする!まあこれは身から出た錆、仕方ないね。

 今回は習慣化の話。
 僕は2013年に母親の介護が本格化してから自炊を始めたのだが、介護中は週7日休まずに食事を作っていた。僕自身も若くて体力があったためか、それが苦痛でもなかった。毎日

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いつもボヤッとしている

いつもボヤッとしている

 あれは19年前、2005年の夏のこと。徹夜で働いて職場の仮眠室で寝ていたとき、先輩に叩き起こされ電車で所沢駅まで行った。そして西武ドームで西武ライオンズvs千葉ロッテマリーンズを観た帰り。試合終了から1本目の西武池袋線に乗った際、空いてる席に座ろうとしたところ、急にその空いた席にポスターかなにかを丸く筒状にした物が投げられ、「え?」と思ってたら「どうもすみませ〜ん」と若い女性がその席に座った。僕

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今年の目標を立ててみる

今年の目標を立ててみる

 みなさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。という、通り一遍の挨拶が意外と大事だなあと、この歳になってようやく気づいたこがわです。去年は1月4日に父親が死んでから、あっという間に過ぎた。特に良い年でも悪い年でもなかったけれど、健康に関してはほとんど虚弱体質と言っていい年だったな…。

 まあ、そんな2023年は去って、2024年。どういう年にしようか、そんなことを考えて

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どうして悲劇を求めるのか

どうして悲劇を求めるのか

 最近、執筆やインフルエンザや中耳炎や転職活動でnoteをサボり気味でした。申し訳ない。これ以上に休むとせっかく習慣化したものを手放すことになりかねないので、今年の最後に更新をして、また来年からは毎週金曜日にちゃんと記事を書きます。
 今回の話は、「なぜ僕は悲劇に惹かれてしまうのか」です。この記事は人の意見も聞きたいので、よければ読んだらコメントをいただけると幸いかなと思ってます。
 
 僕は小説

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