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4つのタイプのガンダムファン

 また1日遅れてしまいました。申し訳ありません。ところで、世の中では『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』が公開されてるらしいですね。自分は富野由悠季が作っているガンダム(俗に言う「宇宙世紀のガンダム」)にしか興味がなかったので、西田藍のTwitterを見るまで知らなかった。

 さて、そんな「作者の富野由悠季には思い入れがあるけど、ガンダムのシリーズそのものには興味がない」という押井守、庵野秀明型のガンダムファンの自分が、なんとかガンダムファンを系統分けしてみるというのが今回の記事のテーマ。

1.戦史好き

 自分は『三国志』や『水滸伝』のような中国の古典には疎いし、大河ドラマも人生で1度も見たことがないが、「ガンダム好き」の中に「戦史好き」がかなりいるのは知っている。富野由悠季の脚本や人物名は、実際の戦史を知っている人だともっと楽しめるのだそうだ。自分はこの「戦史好き」には分類されないけれども、富野由悠季のガンダムがいわゆる勧善懲悪物でもなければ正義と悪が簡単にわかるものではないところには大いに魅力を感じている。大人のガンダムファンが多い理由のひとつもそんなところだろう。

2.兵器好き

  ガンダムシリーズには、「モビルスーツ」というロボットが出てくる。自分はガンダムの人間ドラマが好きだが、ガンダムシリーズが長くやってこれたのは玩具業界との繋がりがやはり大きいだろう。自分も子供の頃はプラモデルを作っていた。このファンは、基本的に富野由悠季脚本にはこだわらない。より派手だったりデザイン性に優れたガンダムを観る、またはフィギュアを手に入れる、というファンだ。自分の兄はプロのカーデザイナーなのだが、基本的には彼は兵器好きのガンダムファンで、古いものは観ていない(多分)。

 3.キャラクター好き

  キャラクター好きもなにも、どんな小説にも映画にもアニメにも登場人物というものが基本的にはいるのだから、キャラクター好きがいるのは当たり前……、そうなのだが、ガンダムシリーズは特にやけに悲劇を背負った登場人物が出てくるし、美形な男女が多いのは確か、なにより声優も豪華なので、いわゆる「キャラ推し」という側面は多分にある。この傾向が年々進んでいるのかどうかはちょっとわからない。なにせ富野由悠季が関わったガンダムしか知らないので……。

 

4.富野由悠季が作るドラマ好き

  これが自分の属する系統になるが、これを説明するのはけっこう難しい(考えてみると、自分がよく知らないものをスラスラ説明できるというのは人間の恐ろしいところだ)。富野由悠季という人は基本的には情熱的な教養人だと思うのだが、なにせ天邪鬼だったり気分の浮き沈みが激しい人なので、パブリックイメージでどう思われているのかはわからない。それでも彼の作品は、「人間という存在を諦めるな」という思想が貫かれているものが多い。面白いのは、富野由悠季自身が人間に期待をしたり失望したりを繰り返す人なので、作品の中で異なった考え方をする人が重層的に扱われることだろう。自分は富野由悠季作品やフョードル・ドストエフスキー作品、大江健三郎作品を通して、「物語は異なった見解を持っている人が偏って描かれない方が面白い」ということを学んだ。

  それにしても、『新世紀エヴァンゲリオン』だったらTV版は26話だけれど、『機動戦士ガンダム』は最初の作品だけでも43話あるので、なかなか触れるの難しいよね……。

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