こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年…

こがわゆうじろう

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年に2回、文学フリマ東京に『超能力戦争の退役軍人』という名前で出店しています。 毎週金曜日更新です。 https://twitter.com/long_slow_slide

最近の記事

好きな季節をしつこく書いている

 梅雨が明け、真夏到来。沖縄県那覇市は史上最高気温の36度を記録したそうだ。関東も酷暑になるらしい。  夏は好きな季節だ。いつも夏の物語を書いているような気がする。調べたら、自分の小説の近10作の内、6作が夏の話だった。これは特に以外ではない。まあ、自分ならそうなるだろうなあ、という感じ。  夏が他の季節よりも物語を作りやすいということは、ないと思う。春、秋、冬にもそれぞれ物語のとっかかりになるものはあるはずだし、好きな季節も人によるだろう。あるいは様々な文化によってツボと

    • 娯楽の受け手として付き合いが良いほうかどうか

       娯楽の受け手として、「付き合いの良い人」と「付き合いの悪い人」というのは確実のいる。僕のギターの師は「全作品を持ってる!というミュージシャンは1人もいない」と言っていた。僕はそれを「凄いなあ」と思ったのをよく覚えている。確かに僕もそれほどCDコレクターではなかったけれど、「なんとなく追いかけてる内に全作品揃えたな」というバンドはいくつかあった。「そのミュージシャン、バンドが好き」というのは大前提として、「出している音源が少ない」「手に入りやすい」という2つの条件もインターネ

      • 『聖闘士星矢』から学ぶ創作で忘れてはいけないこと

         今回もまた創作についての話。「秘すれば花」という言葉もあるし、あまり技術論とか創作論とかを語りすぎるのはマジシャンの手品を素直に喜ばない人間のようで後ろめたくもあるが、やっぱり僕は(自分の創作とは無関係であっても)工夫をしている人が好きだし、下品だと反省しながらもそういう話が多い。「他人を貶さない代わりに他人をいたずらに導こうとしない」という態度こそがもっとも真摯だとは思うが、よくよく考えたら学もなにもない僕が邪道な態度でなにが悪い、とも考えるので、2週連続で創作の話をしま

        • 本当のことを書く 小説の真髄

           今回は自分の強味と弱味の話、「長所は短所と表裏一体」ということを話した上で、「小説を書くとは」ということを考えたい。  僕は12歳から20歳くらいまで、自分で言うのもおかしいけれど物凄く繊細で脆かった。いろんなことを深刻に受け止めすぎていたように思う。だから学校にも行けなくなったのだろう。いつもなにかに怒っていたし、なにもかも気にする自分の性格が嫌いで仕方なかった。もっと動じない人になりたかった。当時は飼っている猫が病気になるだけでも、死んだらどうしようとうろたえていた

        好きな季節をしつこく書いている

          同人会メンバー紹介 イトマキエイ千広のこと

           今回は、一応は僕が主宰者のサークル、超能力戦争の退役軍人のメンバー、イトマキエイ千広さんの紹介。「文学フリマはまだけっこう先なのに?」と思うだろうが、6月24日が彼の誕生日で、「なんか欲しいものありますか?」と尋ねたところ、「手紙か、もしくはnoteとかで僕について書いて頂くことはできますか? 短くてもいいし、日頃の不満点とかでも構わないので。どうでしょうか?」という一風変わった答えだったので、noteに書くことにした。  千広さんは超能力戦争の退役軍人の4人目のメンバ

          同人会メンバー紹介 イトマキエイ千広のこと

          バイトを辞めさせないためには

           今回は「技術の教えかた」についての話。普遍的な技術の話だけれど、基本的にはアルバイト社員に辞められないための指導法について。  実はここ1カ月、職場のマニュアルが更新されて、それを覚えて若手に教えるという仕事に追われていた。僕もまだ新人だったのだが、出版社で管理職をしていたためにそういう羽目になった。仕事から帰ったら新しいマニュアルを読みこんで清書して、翌日に上司にそれを見てもらって、すぐに若手にマニュアルを教えるというなかなか忙しい日々だったのだ。このnoteが投稿され

          バイトを辞めさせないためには

          人は幸せのために生きているのか(要出典記事)

           さて、今回はちょっとタイトルが過激と言えば過激。「人は幸せのために生きているのか」だ。  こういうことを問題として考える場合、まずは哲学の力が試される。恐らく、大学の哲学科でこのタイトルを言ったら、議論の序盤で「そもそも『幸せ』ってなんですか?」と問われると思う。これに対する答えは千差万別だ。「家族に囲まれて、その家族を愛し、愛され、健康でいられること」と答える人もいれば、「目標としている夢が叶うこと」「持病が治ること」「借金がなくなること」、他にも恋愛のことなど、本当に人

          人は幸せのために生きているのか(要出典記事)

          子供の頃の夢が叶った

           今回のタイトルは「子供の頃の夢が叶った」と、なかなか期待を持たせるものだが、先に言ってしまうと「夢を持つ前の夢が叶った」といったところだ。そしてこの「子供の頃」とは、12歳、中学校1年生の頃の夢。1996年と、もうずいぶん昔の話になる。  当時の僕は中学校に上がって突然のように厳しくなった学校生活や、ギャングエイジの同級生との関係(今ならばスクールカーストということだろう)に嫌気が差し、中学校をドロップアウトした。  それから学校に行かずに家でなにをしていたかと言うと、昼夜

          子供の頃の夢が叶った

          特に障碍者として理解されたくはない

           ジム通いで栄養とトレーニングについて調べるのが趣味になってしまった。まあそれはともかく、今回は持病の話。  僕はときおり自分が双極性障害であるということをXの投稿で言ったりする。しかし僕自身は、持病である双極性障害を過剰にアイデンティティにしていない。良くも悪くも、自分の個性や人生とは関係ないという感じだ。たまにXのアカウント名に自分の病名を入れている人を見るけれど、あれもあまり意味が分からない。僕自身は双極性障害と強迫性障害の併発で第2級精神障碍者となっているが、それが

          特に障碍者として理解されたくはない

          運動嫌いのチョコザップ

           こんなタイトルにして、果たして本当にちゃんとチョコザップは続くのだろうか。実は5月15日に契約して、今日、5月17日に初めて行った。埼玉県狭山市に引っ越して、初めて駅の踏み切りを渡ったぞ。  チョコザップ狭山は地下にあって、薄暗かった。そして、人は僕しかい。なんとなく不安だったが、一応はすべてのマシンで15回×3セットやって、最後にランニングマシンでランニングもやったぞ!  ところで、僕は学校教育をドロップアウトしたのがめちゃくちゃ早いので、自分が運動のできる人間なのかそう

          運動嫌いのチョコザップ

          才能のない僕がやるべきこと

           先日、「人を尊敬できるかどうかって才能だと思う」とXで投稿した。しかしこの投稿は、少し誤解されてしまった。言葉が足りなかったのだ。もちろん額面通り、「人のことを尊敬して真似ていこうということができる人と、謙虚さのない人がいる」という意味でも通るのだが、僕があの投稿をした際に考えていたのは芸術のことだ。  僕は音楽と文学をやってきて長いが、音楽にはちゃんと師がいて、文学に関しては独学だ。そのため、文学の技術的なことを考える際は、どうしても音楽で勉強してきたことを流用することに

          才能のない僕がやるべきこと

          小説執筆のため

          休載します。

          小説に社会性を持たせるということ

           15歳の頃から、大江健三郎が好きだ。あいにく、1994年に彼がノーベル文学賞を受賞したことは小学生だったということもあって覚えていないが、初めて大江文学に触れるまで、僕は大江健三郎というのは道徳的で優等生のような小説を書く人だと思っていた。  しかし、実際に大江文学を読んでみると、社会の不安な動きに怯える神経症の主人公が数多く出てきて、僕はこれにとても感銘を受けた。僕自身、世の中の政治の動きや社会問題を過敏に受け取る人間で、10代の頃は自分自身の個人的な悩み(友達がいないと

          小説に社会性を持たせるということ

          新しい波や合理主義について思うこと

           先週は更新できず、また休載の報せもできずに申し訳ありませんでした。ちょっと持病が悪化して長文を書く余裕がなく……。まあ、ともかくまたいつもどおり書いていこうかなと思います。  今回は「時代の流れ」について。  僕は昔から新しいものより古いものに好奇心が向く方だった。最新の流行をキャッチするアンテナの感度が低いというのもあるし、性格が保守的だからというのもある。それに、新しい波に対する恐怖心も強い。ヘルマン・ヘッセの『荒野のおおかみ』は時代の転換点のその激しさのあまり神経症

          新しい波や合理主義について思うこと

          新年度の空気

           新年度になった。甥っ子は中学受験を終え、私立の男子校へ。僕の方は職場の管理者が替わり、残業は1分も許さない(それまで残業代は月に15,000円くらいあった)、そして飲み物はジュースやお茶が禁止され水のみになった。なんか変な管理者来たなあとは思うけれど、まあいいや。  ところで、僕は子供の頃からずっと新年度が嫌いだ。特にクラス替えがある年は本当に大嫌いだった。新しい環境が得意な人は少ないと思うが、特に僕は新しい環境や人間関係に馴染むのが苦手だったので、新年度はいつも不登校にな

          自分の文体をものにしたい

           新潮新人賞200枚、すばる文学賞200枚、投稿できた!200枚丁度で作品を書き終えたのはこれで4作目。僕は200枚丁度で終わらせることができるという、作品の出来とまったく関係ない特技があるらしい。2枚丁度小説を毎日書いたり、40枚丁度小説を数カ月に1度書いたりという日々の中で身についたのかもしれない。  今回は、文体の話。  文体に関してはいろいろ思うことがあり、最近になりTwitterで尊敬している方に「その文体は自然なものか、それとも鍛えたものか」と尋ねたりもした。そ

          自分の文体をものにしたい