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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2023年5月の記事一覧

徳川の一大事でどうする?

徳川の一大事でどうする?

今回「岡崎クーデター」は史実では「大岡弥四郎事件」と言われています。

信康(細田佳央太)は信頼していた弥四郎(毎熊克哉)が裏切った事がショックで涙ぐんでいるのとは対照的に、妻の五徳(久保史緒里)は棒で腹を強く突き、無表情のまま冷淡に言い放つ。

その言葉通り、弥四郎は目を背けたくなるほどの処罰を受けました。

引き廻しの上に7日間生き埋めにされ、竹のこぎりで少しずつ首を挽かれ、その後に磔にされま

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サイコパス

サイコパス

小説の連載も終盤ということで、少し治部大輔のイメージについて語ってみようと思います。

地元の郷土史家は、為氏と治部大輔の攻防について、「地方豪族同士の勢力争いだったのではないか?」とも述べているのですが、私が抱いた印象は、「サイコパスVS普通の人々」。
その根拠となるのは、史料から浮かび上がる、次のような姿です。

平気で嘘をつきまくる
→3年待っても須賀川城を為氏に引き渡さなかった

自己保身

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浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史2」

浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史2」

浅田次郎氏の小説パターンには、ただ単に時系列で物語が進むのではなく、さまざまな人の証言から全体の流れを構成し、ストーリーの核心に触れていゆくものがあります。

序盤は何の話なのかわからないものも、ひとたび共通点が見えると、もうページをめくる手は止まりません。

様々な角度から見た状況が自分の頭の中で組み立てられ、次第に輪郭がはっきりしてくるという感じです。

このあたりは非常に上手い!

一人一人

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幕末の海で 男神がささやく

幕末の海で 男神がささやく

それは確かに耳から入る言葉ではなかった。
脳ずいから頭全部に染み出るような。
数日前に開国の舞台浦賀を巡ったときの
ことを書こうと思う。

なぜか気になる場所がある。
理由のわからぬ感情が湧き出る。
私にとって浦賀とはそんな存在だ。
初めて訪れのは20年前、
黒船来航の書物を読んだのきっかけ。

奉行所与力、香山栄左衛門。
黒船に乗船しペリーと交渉に当たった人物だ。
世間的には年長の中島三郎助が有

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須賀川城攻防戦

須賀川城攻防戦

一応、ネタバレタグを付けておきます。
読書ペースは、人それぞれですしね。

さて、拙作(泪橋)は須賀川城攻防戦の場面真っ最中です。
それも、今日で終わりですけれどね。

須賀川方の奇計下手ながらも図解を作ったので、せっかくですから、公開してみたいと思います。
小説と原作である藤葉栄衰記を照らし合わせると、大体このような感じでしょうか。
例によって原文は面倒くさいので、読み飛ばしていただいてもOK。

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浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史1」

浅田次郎にハマれば歴史が知りたくなる~「幕末史1」

浅田氏は「新選組」がお好きなようです。
幕末を描いたもののうち、そう感じずにはいられない作品が多いように思います。

もっと絞れば「斎藤一」が好き?

読了した浅田作品から、新選組そのものより斎藤一に対しての愛を感じてしまいます。

どの歴史作家もそうですが、どうしても好意的に思っている人物が誰か感じ取れるもので、浅田氏も例外ではありません。

幕末の一連の事件を思う時、どうしても私はこの「新選組

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覚えていたのと違う!教科書は常に進化中。

覚えていたのと違う!教科書は常に進化中。

先日、世界の人口が80億人を突破したというニュースが流れました。
70億人になったのがつい最近のような気がしているというのに…。
「日本が高齢化して人口減少が止まらない」、とか子供の日に「子供の数が年々減り続けている」というニュースが流れるため、どうも世界的に人口がどんどん増えていることが肌感覚として実感できません。

自分が知っていると思い込んでいる数字は知らぬ間に変化している。常にアップデート

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「どうする家康」で注目したい幕末史

「どうする家康」で注目したい幕末史

家康の生涯で一番の修羅場、大苦戦となった武田信玄との「三方ヶ原の戦い」。

圧倒的な強さを誇る武田軍ですが、信玄亡き後は惨めに滅んでゆくので、その対比を感じるためにも、今の状態をしっかり押さえて、今後の勝頼(真栄田郷敦)の動向に注目です。

それにしても、家康が打ち取られたと思える終わり方でしたが、そこは主役ですからオチは必ずあり、種明かしは次週にゆだねられましたね。

家臣の誰かが影武者となった

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