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第19回「校則違反」
これは、中学3年生の頃のとある出来事だ。そこそこにヤンチャな子たちが集まる母校では校則が厳しく、アウターという概念は存在しなかった。
冬になると凍えながらセーラー服の下にスウェットなどを着込み、カイロが手放せなかった。今のように薄くて暖かいインナーもない時代だったのだ。
校則で禁止されているものは、携帯電話をはじめとした勉学に関係のないもの、色つき・香り付きリップクリーム、ソックタッチ、そして
第17回「外あそび」
「現代のこどもは外で遊ばない」なんてことばをよく耳にする。わたしはゆとり世代の代表的な年代だが、幼少期を思い返すと外遊びをしていた最後の世代のようにも思う。
小学生の頃にいつも遊んでいた公園の遊具が撤去されたり、縮小していったりしていくのと同時にゲームボーイから始まり、ニンテンドーDSやPSPが出てきたのもわたしの世代だろう。それまではゲームと言えば、家庭用ゲーム機だったので誰かの家に集まってプ
第16回「バレンタイン」
先日、「月末にスノボに行かへん?」とお誘いを受けた。それに対し、「土曜日なら」と返事をした。朝から不慣れな運動をして、翌日は疲労で潰れると直感したからだ。
直感したなどとほざいているが、わたしはこれを強く実感した経験を持っている。人生で初めてスノボに行ったのは、いまから7年前のことだった。
元々運動音痴で、そもそも運動自体好きではないし、文化部にしか所属したことのないわたしには、ウインタースポ
第15回「マスク警察」
2020年、世界規模で流行したウイルスは現在進行形で私たちの日常を脅かしている。外出することさえ制限され、目立ったことをすればすぐに迫害されてしまう。そんなこのご時世に『自粛警察』が蔓延っている。
私的に営業時間を短縮しない飲食店へ批判し、他府県のナンバーの車があれば批判し、マスクを着用しない人やマスクから鼻が出ている人へもやっぱり批判する。最近では不織布のマスクじゃない人へも活動を行っているよ
第12回「ヒーロー」
高校3年生時の体育祭の時の話をしよう。最高学年であることから、この祭りは高校生活の中でも1、2を争う程に盛り上がるものだ。
1年生、2年生との縦割りで団が作られ、2年間憧れていた『3年生』というポジションについたからにはかなり学年中が活気づいていたことを覚えている。
見せ場として、男女がペアとなり5分程度のダンスを踊るというものがあった。ここで意中の相手とペアを組み、体育祭をきっかけに交際がス