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大阪生まれ大阪育ちのアラサーが、日常でニヤリとしたことを書き連ねていく。サボり続けた結…

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大阪生まれ大阪育ちのアラサーが、日常でニヤリとしたことを書き連ねていく。サボり続けた結果31歳かよ… 挿し絵も積極的に自分で描いて入れていきます、なんてったって31歳だから。

最近の記事

第20回「スパイ」

大学生のとある時期、とてつもなく暇だった。暇でヒマでどうしようもなかった。 そんな退屈な日常に刺激が欲しかったのかもしれない。わたしはあることを始めた。それが、『スパイ』だった。誰にも雇われず、自分自身で追求すればそれで終わりの自称スパイだ。 表立った行動を取らず、秘密裏に敵の情報を得る行為のカッコよさたるや。もうすぐ30歳になるものの、考えただけでしびれてしまう。 このことを友人に話してもきっと呆れられる、とち狂ったと思われるかもしれないと感じたわたしは極秘でスパイ活

    • 第19回「校則違反」

      これは、中学3年生の頃のとある出来事だ。そこそこにヤンチャな子たちが集まる母校では校則が厳しく、アウターという概念は存在しなかった。 冬になると凍えながらセーラー服の下にスウェットなどを着込み、カイロが手放せなかった。今のように薄くて暖かいインナーもない時代だったのだ。 校則で禁止されているものは、携帯電話をはじめとした勉学に関係のないもの、色つき・香り付きリップクリーム、ソックタッチ、そしてカイロも含まれていた。冬の防寒具は手袋とマフラーのみOKで、靴と靴下は白のみ。

      • 第18回「バナナ」

        バナナが好きだ。 どうして好きなのかと問われれば、パッと思いつく理由が見当たらない。『好きになった人がタイプ』のあれと同じだろうか。好きなものは好きだ。 最近ブクブクと太ってしまった。この1年でざっと5キロほど増えているのだが、ダイエットをしようと重い腰を上げるには運動経験がなさすぎる。とりあえず始めたことは『ダイエット』とネットで検索することからだった。 大きく食事制限はしたくないが、食事方法や内容を軽く見直すことくらいはできる。 そんな中、目についた文言は「食事は

        • 第17回「外あそび」

          「現代のこどもは外で遊ばない」なんてことばをよく耳にする。わたしはゆとり世代の代表的な年代だが、幼少期を思い返すと外遊びをしていた最後の世代のようにも思う。 小学生の頃にいつも遊んでいた公園の遊具が撤去されたり、縮小していったりしていくのと同時にゲームボーイから始まり、ニンテンドーDSやPSPが出てきたのもわたしの世代だろう。それまではゲームと言えば、家庭用ゲーム機だったので誰かの家に集まってプレイしたものだった。 しかし、インターネットも普及したことから、こどもたちは外

        第20回「スパイ」

          第16回「バレンタイン」

          先日、「月末にスノボに行かへん?」とお誘いを受けた。それに対し、「土曜日なら」と返事をした。朝から不慣れな運動をして、翌日は疲労で潰れると直感したからだ。 直感したなどとほざいているが、わたしはこれを強く実感した経験を持っている。人生で初めてスノボに行ったのは、いまから7年前のことだった。 元々運動音痴で、そもそも運動自体好きではないし、文化部にしか所属したことのないわたしには、ウインタースポーツなんて縁のないものだと思っていた。 友人が1から教えてくれるとのことで、1

          第16回「バレンタイン」

          第15回「マスク警察」

          2020年、世界規模で流行したウイルスは現在進行形で私たちの日常を脅かしている。外出することさえ制限され、目立ったことをすればすぐに迫害されてしまう。そんなこのご時世に『自粛警察』が蔓延っている。 私的に営業時間を短縮しない飲食店へ批判し、他府県のナンバーの車があれば批判し、マスクを着用しない人やマスクから鼻が出ている人へもやっぱり批判する。最近では不織布のマスクじゃない人へも活動を行っているようだ。 コロナ禍が長引くにつれ、多くの警察業務が増えている。 過剰に騒ぎ立て

          第15回「マスク警察」

          第14回「いらん」

          大学を中退した。1年浪人して1年留年して、結果中退した。いまとなっては、もったいなかったなあとたまに思う程度で特になんとも思っていない。 しかし、20代前半の当時のわたしは、授業に全くと言っていいほど出席せずに誰よりも単位を持っていなかったため、自分はそんなにもダメ人間なのか…と悩むことがあった。 勉強自体は好きなほうだ。ならば自分の興味のある分野ならばどうだろうか。バイトしては酒を飲みあかしていたわたしは、資格の勉強を始めることにした。え?何の資格って? アロマテラピ

          第14回「いらん」

          第13回「香水」

          2020年、香水という曲が流行した。なぜここまで流行っているのか理由など分からないが、昨年街中で耳にすることが非常に多い1曲だったろう。 この曲が流行しだしてから、わたしがしっかりと曲を聴くまでには少し時間があったように思う。それこそ、チョコレートプラネットのYouTubeから入っていった気もする。 耳にしたことはあるが、しっかりと歌詞を聴いたりはしていなかった。ブランドに疎い母親の口から、ドルチェアンドガッバーナというワードを聞いて驚いたものだった。 五感の中でも匂い

          第13回「香水」

          第12回「ヒーロー」

          高校3年生時の体育祭の時の話をしよう。最高学年であることから、この祭りは高校生活の中でも1、2を争う程に盛り上がるものだ。 1年生、2年生との縦割りで団が作られ、2年間憧れていた『3年生』というポジションについたからにはかなり学年中が活気づいていたことを覚えている。 見せ場として、男女がペアとなり5分程度のダンスを踊るというものがあった。ここで意中の相手とペアを組み、体育祭をきっかけに交際がスタートする人もいるほど青春を謳歌する高校生にとっては最高の時間だった。 しかし

          第12回「ヒーロー」

          第11回「ツケ」

          小さい頃から体を動かすことが好きだった。しかし運動神経は全くない。何をやらせても下手すぎるのだが、特に苦手なのが球技だった。 体育の球技の授業では、「お前がおってもおもろいだけで負けんねん」というセリフをもらったこともあるくらいに全員の足を引っ張り、負けへと誘う程の才能を開花させていた。 小学生のころのドッヂボールが、人生で初めて行った球技だろうか。持ち前のどんくささと、男っぽい性格のせいでいつもターゲットにされていた。か弱い女の子に当てて、泣かれても面倒だからだろう。わ

          第11回「ツケ」

          第10回「水泳」

          人生で最後の水泳の授業の日、人生ではじめての経験をした。『最後』の日に、『はじめて』の経験をするとはなんて貴重なことだろうか。 高校3年生の夏、水泳の最後の授業の日までさかのぼってみよう。進学しても、教員などにならない限りは水泳の授業はもう存在しない。大切な日のはずだった。とことん運動オンチなわたしなのだが、小学生の頃に水泳教室に通っていたため、水泳は人並みにできて大好きだった。 「もう今日終わったら水泳の授業受けることないんか~~~」 さびしく感じながらも、やっぱり水

          第10回「水泳」

          第9回「三度見」

          『二度見』という言葉がある。その言葉を検索すると、『一度見ただけでは理解し難い、またはうまく確認ができないものなどをもう一度見ることを意味する表現。普段見慣れないものや美しい人などに対して用いられる表現。』とあった。日常で二度見することはよくあるのだが、三度見することはあまりない。 わたしは周囲にアンテナを張って生きている。この世が面白いことで溢れかえっているので、できるだけ逃したくないのだ。なので、日々人間観察をしながら過ごしている。基本的に町を歩くときも目はあちこち見て

          第9回「三度見」

          第8回「遺言」

           3年前、父方の祖母が亡くなった。父方の祖父は父が小学生の時に交通事故で亡くなっており、女手一つで兄弟5人を育て上げたというから立派な人なのだろう。母方の祖父母はわたしが小学生の時に、病で相次いで亡くなってしまった為、最後の砦のおばあちゃんが亡くなってしまったのだ。  車で3~4時間ほどかかる奈良の山奥の集落に住んでいた祖母とは、わたしが中学生くらいの頃から少しずつ疎遠になっていき、気付けば年に1回電話で話す程度の存在へとなっていった。  当然と言えば当然だが、祖母は昔の

          第8回「遺言」

          第7回「おかん」

           たいてい、どの家でもおかんは面白い。特に、わたしの育ったこの大阪の街は友人からおかんエピソードを聞くとついつい笑ってしまうほどには、それぞれがおかんに関する話を持っていたりする。  恥ずかしながらわたしは反抗期が長く、大学生の時もまだ反抗期の片鱗をうかがわせていた。その反動か、アラサーのいま、マザコンだと胸を張って言えるほどおかんが大好きだ。天然で呑気な性格なのに、感情の起伏がそこそこに激しく、ヘラヘラしているかと思えばイラっとしている人間臭さがたまらない。決して器用では

          第7回「おかん」

          第6回「幕末」

           一度好きになったら、何事に置いてもその一点に強く執着する癖が昔からある。小さい頃は、気に入った本を全巻購入してもらいそれを繰り返し読んだ。気に入った曲があれば、その一曲だけを毎日繰り返し聴いた。好きな料理があればそればかりを食べ、好きな芸能人がいればとかく調べ尽くした。宮藤官九郎先生とうすた京介先生は生涯殿堂入りしており、20年近く夢中だ。  依存や執着とも言えるのだろうか、とにかくわたしは熱しすぎやすいらしい。そしてその熱はじきに冷めるのだが、一度好きになったものなのだ

          第6回「幕末」

          第5回「魔法」

           いままで生きてきた中で、一度は魔法に憧れたことはないだろうか?もちろん、わたし自身例外ではない。では、ふと気付いた時に、『自分が魔法使いになっていた』ということはあるか?わたしは、つい最近一度だけその瞬間を経験してしまった。  わたしは普段はしがないOLをして過ごしている。以前は広告代理店でバリバリの営業をしていたこともあり、転職の際はとにかく定時あがりに固執してしまっていた。現状、前職と比較するといまの仕事は毎日平均7時間は早く帰れており、時間面で見ると最高すぎる。創立

          第5回「魔法」