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  • 生活の哲学

    気ままに素直に碧いままの、日記。

  • ヨーロッパ旅行記

    2022年春夏、カウチサーフィンを使い、ヨーロッパを1人旅したときのこと。

記事一覧

【生活の哲学】 #2 耳が遠い人の音の世界

私の祖母は耳が遠い。それは数年前から顕著になり、今は大抵の言葉は一度では伝わらず、二度、口の動きがよく見えるように大きな声で簡潔に伝える必要がある。 周りの人は…

ちゃい
11か月前
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【暮らしを旅する日記】ドイツ編 ep. 3

📍Hamburg (Germany) 13 Apr. 2022 あてもなく街をふらつく傍ら、日本の友人に電話を掛けてみた。こんなダラダラとした時間によく付き合ってくれるものだと感謝しつつ、…

ちゃい
1年前
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【生活の哲学】 #1 ほんとうに 「血」が繋がってる?

先日、親戚みんなで夜ご飯を食べた。そのメンバーが一同に会するのは初めてのことだった。そしてそれは、おばあちゃんが長いこと望んでいたことでもあった。 初めてだから…

ちゃい
1年前
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【生活の哲学】 #0 碧いままで

気楽に、気負わずに、日記を書いてみようと思う。私は完璧主義かつ中途半端なところがあって(今のところは自分をそう見ている)、そのせいで何かを形にするのにはいつも気後…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 2

📍Hamburg (Germany) 13 Apr. 2022 もぞもぞと起き上がる。ソファベッドの固いところと柔らかいところの間で眠ったせいか、体がところどころカチカチする。 すでにSと彼…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 1

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 📍Hamburg (Germany)…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 5

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 12 Apr. 2022 📍Esb…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 4

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 📍Esbjerg, Denmark …

ちゃい
1年前
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言葉の限界を知りながら、それでも言葉にする。そこからコトバを受け取る人がいると信じて。

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 3

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 8 Apr. 2022 📍Esbj…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep.2

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 8 Apr. 2022 📍Esbj…

ちゃい
1年前
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にわか雨。濡れたアスファルトから湿った匂いが立ち昇る。埃っぽくてほのかに甘い。春だった。

ちゃい
1年前
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「つながりが大事」なんて知った顔で言うのは、私がずっとさみしいからなのかもしれない。
さみしい。素直になりたい。と、ずっと叫んでいる。でも分からないのだ。人と繋がる感覚も、その方法も。それがたまらなく悲しくて、いやになる。
なんて悲しいことなのだろう。ひとりよがりなのだろうか。

ちゃい
1年前
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憎しみの行き場と「怒る」という現象について

ちくっと刺さる言葉には、憎しみがこもっている。刺した相手にはそれが伝わる。それって必要なことなのかな。 怒るって何か。ルールに則っていないから、その責任を持つ人…

ちゃい
1年前
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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 1

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。 📍Esbjerg, Denmark …

ちゃい
1年前
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【生活の哲学】 #2 耳が遠い人の音の世界

【生活の哲学】 #2 耳が遠い人の音の世界

私の祖母は耳が遠い。それは数年前から顕著になり、今は大抵の言葉は一度では伝わらず、二度、口の動きがよく見えるように大きな声で簡潔に伝える必要がある。

周りの人は、大抵そうする必要があることを心得ているから、表情を見て声が届かなかったことに気がつくと、ゆっくり大きく、もう一度伝える。しかし、何度も「え?」と聞き返されることにピリリと苛立ち、投げやりに言うような場面もある。「ごめんね、聞こえなかった

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【暮らしを旅する日記】ドイツ編 ep. 3

【暮らしを旅する日記】ドイツ編 ep. 3

📍Hamburg (Germany)

13 Apr. 2022

あてもなく街をふらつく傍ら、日本の友人に電話を掛けてみた。こんなダラダラとした時間によく付き合ってくれるものだと感謝しつつ、この空間と、彼女の空間を、どうしたって共有しきれないことが少し寂しくもあった。

早くもデロデロと溶け出したピスタチオジェラートを片手に、港を目指しひたすらに歩く。照り付ける日差しは、もはや初夏のようですら

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【生活の哲学】 #1 ほんとうに 「血」が繋がってる?

【生活の哲学】 #1 ほんとうに 「血」が繋がってる?

先日、親戚みんなで夜ご飯を食べた。そのメンバーが一同に会するのは初めてのことだった。そしてそれは、おばあちゃんが長いこと望んでいたことでもあった。

初めてだから、居心地の悪いこともあるだろう。気まずさもあるだろう。だけどこの時間があることを私は嬉しく思った。

先日高校に入学し、もう勉強に追われて大学受験がチラついている高校生の従姉妹。それでも今を感じてほしい、それくらい今のあなたは眩しいのだ。

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【生活の哲学】 #0 碧いままで

【生活の哲学】 #0 碧いままで

気楽に、気負わずに、日記を書いてみようと思う。私は完璧主義かつ中途半端なところがあって(今のところは自分をそう見ている)、そのせいで何かを形にするのにはいつも気後れする。

でもとにかく書いてみよう。だって毎日こんなにも鮮やかで、美しい。そしてそんなことを簡単に忘れてしまう。

以前は5年日記を2年目くらいまでつけていたのだけど、電車の網棚にリュックごと忘れた時から、ショックでなんだか書く気力がな

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【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 2

【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 2

📍Hamburg (Germany)

13 Apr. 2022

もぞもぞと起き上がる。ソファベッドの固いところと柔らかいところの間で眠ったせいか、体がところどころカチカチする。

すでにSと彼女の恋人は仕事へ出ていた。しんとしたリビングをペタペタと歩き、おもむろに冷蔵庫を開けてみる。二日目のカレー、フルーツ、ヨーグルト。それらの横を通り過ぎ、上の段の隅っこに入った缶に手を伸ばす。昨晩、なんで

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【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 1

【暮らしを旅する日記】 ドイツ編 ep. 1

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。

📍Hamburg (Germany)

12 Apr. 2022

ハンブルク駅から普通列車とバスを乗り継ぎ東へ30分、夜7時前、ようやくSの家に辿り着く。(バスや電車で1度もチケットを確認されずびっくり)。

川辺に建つ小さな小屋のようなお

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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 5

【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 5

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。

12 Apr. 2022

📍Esbjerg (Denmark) - Kolding - Hamburg (Germany)

Fanø島を後にした私は、ドイツのハンブルクを目指し、経由地点のKolding駅へ。乗り換えの仕方が分からずにいる

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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 4

【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 4

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。

📍Esbjerg, Denmark

12 Apr. 2022

その夜から、ひどく体調を崩してしまい、5日ほど寝込んだ。彼女が家を空けるため次の日には出発する予定だったが、「良くなるまで好きなだけ寝てていいよ。モルモットたちのお世話をお願い

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言葉の限界を知りながら、それでも言葉にする。そこからコトバを受け取る人がいると信じて。

【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 3

【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep. 3

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。

8 Apr. 2022

📍Esbjerg, Denmark

夜ごはん、このレシピ本から選んで〜。と、パラパラめくって、アプリコットと豆腐のカレーに決めた。

スーパーマーケットまで、ローラーシューズで茜色の街を泳ぐ彼女。この景色のこと、忘

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【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep.2

【暮らしを旅する日記】 デンマーク編 ep.2

昨年の春と夏、Couch Surfing というサービスを利用して、様々な人々の生活を覗きながら旅をしました。その日記を少しずつ、残そうかなと思います。

8 Apr. 2022

📍Esbjerg, Denmark

早朝、まだぼんやりする頭で彼女の支度する音を聞いていた。再び目が覚めると、時計はお昼前を指している。ソファに沈んだ体を起こし、改めて部屋を見渡してみる。日の差し込んだ部屋は昨晩と

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にわか雨。濡れたアスファルトから湿った匂いが立ち昇る。埃っぽくてほのかに甘い。春だった。

「つながりが大事」なんて知った顔で言うのは、私がずっとさみしいからなのかもしれない。
さみしい。素直になりたい。と、ずっと叫んでいる。でも分からないのだ。人と繋がる感覚も、その方法も。それがたまらなく悲しくて、いやになる。
なんて悲しいことなのだろう。ひとりよがりなのだろうか。

憎しみの行き場と「怒る」という現象について

憎しみの行き場と「怒る」という現象について

ちくっと刺さる言葉には、憎しみがこもっている。刺した相手にはそれが伝わる。それって必要なことなのかな。

怒るって何か。ルールに則っていないから、その責任を持つ人が怒る。でもそのルールってそもそもなに?ってはなしはしない。

怒られて、泣き出したり、言い返したりするときって2つあると思う。ひとつは、その説教が的を得ていて、恥ずかしい時。もうひとつは、その説教に理不尽な点があって納得がいかない時。後

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