【現代詩】『 永 眠 』
『 永 眠 』
赤 黄 緑 紫
小麦粉はたかれ
卵からめられ
パン粉に覆われた
これで誰にも
探されないし
見つけられない
=俺(おいら)は俺(おいら)=
だけのご馳走
〆
腹にもたれる鱈腹の
夢をみさせておくれ、よ
=ぶくぶくと=
泡にまみれて
自惚れている
次に生まれる時もまた
俺(おいら)は俺(おいら)の飲茶(まんま)で
いよう
=ほら仕舞には=
こんな浮かれた約束までも
交わしてまう
幾重にした欲深な衣
もうじきカラリと
揚がることでしょう
お気に入りの唄
口ずさみながら
魂ごと
天に召されゆく、運命。
〆
夕陽の差し込む窓辺に残った
戸惑うような油の臭い
もう今は誰の
ものでもなくなり
舞い降りた夜に美しく、寝そべる
この草原のような空腹を
俺は一体どうしたら良い?
「いいえ、あなたは
そのままでー。」
目一杯の星空が
静かに
満たしてくれる
だろう、から。
あかきみどりむらさき
2024ねん
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