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くらしの(けっこう真面目な)話

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日々のおやっ?と感じたことを綴っています。カフェや電車、図書館などを舞台にした小話です
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#多様性

君の結婚がしたい材料にはしないで。

君の結婚がしたい材料にはしないで。

おやや。

結婚願望ある?って聞かれたら「できることならしたいよ」と答えてきたのに、本当の本当の本当にしたいの?って昨日午後に台所でそう聞かれたら、そうではないと気がついてしまった。

アパートに招いた女友達にコーヒーを出しながら考え込んでしまった。あれ、僕、本当に結婚がしたいわけじゃないな。

もし、本当に結婚が主軸なら、あのときも、このときも結婚を決断していたなぁと、なんだか妙な気持ちになった

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「2回目のデート」に誘われたい。

「2回目のデート」に誘われたい。

なんだかとっても嬉しいことがあった。比較的ざっくりとした性格の女の子に、初めてバスケ観戦という名のデートに誘われ、気乗りしないまま向かった会場でとってもうれしいことがあった。

その人は顎下くらいに切り揃えた白に近い金髪で、耳のあたりに少しだけシルバーがかったインナーカラーを入れていた。白のパンツに白のタンクトップの上から、マメクロゴウチの黒いシースルーのタンクトップを重ね着していた。耳の付け根に

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「男女」と「女女」と「男男」

「男女」と「女女」と「男男」

無知と傲慢と偏見最初は発想すらなかったので、初めてそのセリフを言われたときひどく驚いた。

それは2015年のことで、私が職場のある男性先輩と某チェーンカフェでお茶をした話をたまたま女の子に話したときに、「気づいていないと思うけど、男の人が2人きりでカフェでお茶してたら、周りの人からゲイって思われるよ」と言われた。

それは単なる事実報告というより、すこしからかいを含んだ物言いだった。

今の価値

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人を■したことがあるかという問いに即答できない。

人を■したことがあるかという問いに即答できない。

あなたは人を■したことがありますか?

もし誰かにそう質問されたら、私は「ない」と即答できない。もちろん人を■した経験はないし、日常生活でそんな質問をされることもないのだけれど、なんというか、「そんなことあるわけないでしょう」と誰もが答えられる類の質問にうまく答えられないのだ。

私は大体いつも躊躇し、返答が2〜3テンポ遅れてしまう。

確かに私は直接的に人を■したことはない。けれど、私の些細な一

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エリザベスの神様  l  エッセイ

エリザベスの神様 l エッセイ

何かを深く信じるということ「だから私が彼と別れるためには他の男の人とそういうことをして私だけ信仰を捨てる必要があるの」

リザは流暢な日本語と毅然とした声で言った。

私が「それはリザの信仰上、文字通りそうする必要があるということだよね?」と聞くと、リザは「そう。彼も私も神様を信じているから、私がタブーを犯して神様に見放されないと彼は救われないのよ。ただ単に彼と別れるだけでは駄目なの。私は彼と別れ

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不当な扱いを受けている人を見て見ぬふりをするか問題

不当な扱いを受けている人を見て見ぬふりをするか問題

善意は常にリスクを孕んでいるこんなことがあった。

ある晩、僕は女の子と小洒落た中華料理を食べに行った。比較的こじんまりとした店内にはコの字型のカウンターがあり、カウンターの内側にアルバイトの学生が一人いて、奥に厨房があった。厨房はカウンター中央に座った数名のお客からしか見えない作りになっていた。

僕はそれまでに何度も、その店に行ったことがあった。そのお店はご夫婦(もしくは兄妹かもしれない)2人

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みんなの「くびれ問題」を知りたい

みんなの「くびれ問題」を知りたい

良い「くびれ」と悪い「くびれ」コンプレックスの夜

私は男性で、でもとてもくびれていた。体型はやや細いものの平均的なのに、胸下からへそ横にかけてぐっと凹み、そこから腰にかけて同じだけ戻る。ウエストサイズは去年が64センチで、これは十代後半女性より細い数値だった。自分のくびれが嫌いだった。

男性の平均は83センチ。私は平均身長以上あるので、にもかかわらず平均サイズより20センチ細い。なんとかウエイ

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