転移性恋愛
46

転移性恋愛 46

 すごい雨だよね、とつぶやき、私は席を立った。その日、朝から強い雨が降り続いていた。今日の会話はどうにも表層的で深まらず、気持ちを切り替えるため窓際まで行き、雨に濡れる桜の葉々を見詰めていた。 「ずーっと、豪雨」  微笑みを交えて声をかけてくる。「ああ」とうなずくと、彼は立ち上がり、こちらに歩み寄って、窓の外へ視線を向けた。 「先生、意外と、身長高いんですね。いつも、ほとんど座ってるから、気付かなかった」  人間関係のトラブルから、サークルを辞めることになったのだという。親友

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転移性恋愛  45

転移性恋愛 45

 日が変わると別人のようだった。テーブルをてのひらでバンと叩いて「あなたはカウンセラーに向いていないですよ」と吐き捨てられた。私が内包する漠たる不安を察知したのだろうか。であれば極めて卑劣だが一方で、強い物言いは関係の深まりを感じさせた。どこかで喜ばしく感じる自分を顧みれば、それはDVを甘受する精神に相似していることに気が付く。  山村は吉岡を一生の友人のようだと感じ、暴力を受け入れる。自己愛を持て余す人間にとって「理解される」ことは麻薬の響き持つのだ。  同様に相応しい方法

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転移性恋愛 41

転移性恋愛 41

 BPDは無論、改善されうるものだがそのプロセスには困難が予想されるため経験豊富なカウンセラーが望まれる。そう言って、安端教授はコーヒーを一口ふくんだ。 「洞察力はもちろんだが、胆力。なにより、経験だが、これは間違いなくない。よほど優れた資質を持たないかぎり、あえてコミットすべきではない、かもしれんな。ただ、今回は逃げ場がないとも言える」  批判ではない。ただの事実だった。 「まず話し相手になれれば、って。思っています」  安端教授は顎に手をやって、剃り残しを確かめるように人

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転移性恋愛
 40

転移性恋愛 40

 翌朝、眠れぬまま、大学へと向う途中、大学職員から電話が着信した。吉岡エツコという女性が私を訪ねてきており、面会の理由を訊いても取り留めの無いことばかり繰り返すのだと言う。 「どうしましょう?」  吉岡誠の肉親ではないか。電話を替わるように言うと案の定、彼の母親だという。すぐに大学に着くことを伝える。駆け足で向かった。秋だがまだ蒸し暑い。大学の受付窓口に着いた頃には汗まみれだった。首周りをハンドタオルで拭いて、辺りを見渡す。 「どうも、すみません。吉岡です。吉岡エツコ」  若

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転移性恋愛
 39

転移性恋愛 39

「自殺…、ですか。自殺?」  安端教授から、吉岡が手首を切ったと聞かされた時、視界が凍りついたようだった。次の言葉を失っていると、暴力的なほど強く腕を掴まれた。 「未遂、未遂だ。死んじゃいない」  晴れ渡った空の青がかえって絶望的な気分にさせる。自殺でも、自殺未遂でも同じことだと思われ、それは極めて不自然な感覚だった。混乱していた。 「どうして自殺しようとしたんでしょうか?」 「解らない。まだ、細かいことは」  その日は心が深くに吸い込まれないよう縄を固く掴むがごとく過ごし

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転移性恋愛  38

転移性恋愛 38

 それから蓉子を連れ、上村の友人がマスターをしている、新宿二丁目のゲイバー「フラスコ」へと赴いた。彼女は、私が、こういう店を知っているのが意外だと驚き、私も少し自慢したいようなところがあった。 「あらまー、いらっしゃい」  六畳ほどの店内、早い時間のせいか、まだ他に客はいない。マスターは微笑んで、どうぞと目の前の席を勧める。蓉子も会釈を返して、「私が行ったどのバーよりも明るい店内」と驚くと、マスターは、「ゲイバーはとくに薄暗い店が多いんだけど、うちはね、パアっと明るくしてるの

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転移性恋愛
37

転移性恋愛 37

 赤や茶の色彩が目立ちはじめた。夏から秋へ。新しく、学生たちが相談室に訪れてはいつか訪れなくなり、いまだ吉岡を思う。しかしあの出所不明な悲しみから、距離を置きたかった。不明瞭なことは恐ろしい。山村も相談室を利用しなくなった。吉岡との繋がりが次第にほどけていく。  透明感ある青いブラウスが、蓉子の胸元で激しくはためく。インターネット上で評判になったメロンパンを買って嬉しそうな蓉子の足元で、イネ科の植物が風に揺れる。年上であり、かつカウンセラーとしてのキャリアの長い蓉子にどこか

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大好物は情念とブーケ♡

大好物は情念とブーケ♡

心に熱い情熱を秘める同志のみなさまへ♡ こんばんは!カウンセラー見習い・やっぱり沸き起こる情念の女モードのさとです. お弟子講座受けてから気づいた!! 情念とブーケがめっちゃめっちゃめっちゃめっちゃめっちゃめっちゃめっちゃ大好物ってことに! アンダーグラウンド時代は無意識層で大好物だったけど,今もめっちゃ大好物ってコトに気付いてしまった! めっちゃ好きやねん♡情念&ブーケ 大好きなバレエとかオペラ芸術って大概三角関係でストーリー展開されてる.えーーー!こんな展開っ

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転移性恋愛 36

転移性恋愛 36

「誰より理解しています。過信じゃなくて」  缶ビール二本目。スーパーバイズで安端教授と飲むのは久しぶりだった。ペースがつかめず、思いのほか酔いが早く回った。 「ん~、まあ、お前がそう言うんだから、そう、なのかもしれないけどなあ。だが、『過信じゃなくて』、って言葉は、使わないほうがいいかな」 「なぜですか?」 「それ、過信だよ、という指摘を封じるだろう。有益ではない」  ほぁ、と、そぐわない相槌を打ち、口元を缶で隠す。 「わりと逃げ腰だったのにな、吉岡くんに対して」 「逃げ腰っ

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