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30代、既婚バイ(男性)、メンタル疾患あり。映画や小説、ドラマの感想、自分のセクシャリ…

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30代、既婚バイ(男性)、メンタル疾患あり。映画や小説、ドラマの感想、自分のセクシャリティやそれにまつわる悩みなどについて、投稿していきたいです。

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僕が僕になる日まで 既婚バイの現在地

まずは自己紹介 初めまして、Shadeと申します。 プロフィールにもある通り、僕は30代の既婚者、バイセクシャルの男性です。子供はなく、夫婦二人で暮らしています。 映画や本、音楽などのサブカルが大好き。元々どちらかといえば能天気な性格だったのですが、数年ほど前からどういうわけかメンタル疾患にかかり、心療内科に通院しながら、(わりとギリギリの状態で)仕事を続けています。 noteを始めてまだ一週間も経っていないのですが、なんとなく自分の気持ちを整理したくなり、自己紹介も兼ね

    • 鏡越しに唱える 今日を生きることば#4

      「今日の私は、昨日の私を、無視できるから美しい」 『朝』最果タヒ、詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』より、2016年、リトルモア こんにちは、Shadeと申します。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 このコラムでは、映画や小説、ドラマ、音楽など、サブカル大好きな僕が日常的に触れるあらゆるものから拾った、「今日を生きる」ための言葉を記録していきたいと思います。 変わる自分を受容する 数年前にメンタル疾患を発症してから、毎日綱渡

      • 映画『エゴイスト』 「与えた愛」は永遠に失われない

        こんにちは、Shadeと申します。 僕は、既婚(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。 映画レビュー記事では、主に「LGBTQ+」をテーマとした作品を取り上げ、自分なりの考察や、感じたことを書いていきたいと思います。 よろしければ、お付き合いいただけると嬉しいです。 あらすじ 舞台は現代の東京。 14歳の時に母を病気で失くした浩輔(鈴木亮平)は、千葉の田舎町でゲイであることを隠しながら鬱屈とした青春時代を過ごしていましたが、その後、過去を振り切るように上京

        • 境界線上で揺れる 「バイセクシャル」≒「ゲイ」?

          揺らぐ自分、揺らぐ性 こんにちは、Shadeと申します。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。 ちなみに、バイセクシャルとは言いつつも、女性にも男性にも惹かれる自分を認めてあげられるようになったのは本当につい最近のことで、これまで実際に男性と恋愛関係になったり、体の関係を持ったことはありません。 まだ「性自認」に関しては、完全な若葉マーク保持者です。 この年齢になってようやく、抑圧してきた「もう一人の自分」を解放してあげたいと考えた僕は

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        • 鏡越しに唱える 今日を生きることば#4

        • 映画『エゴイスト』 「与えた愛」は永遠に失われない

        • 境界線上で揺れる 「バイセクシャル」≒「ゲイ」?

          風をつくる#6 そしてカミングアウトの旅は続く

          2度目の告白 こんにちは、Shadeです。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 #5では、奥さんに人生初のカミングアウトを終えた後のリアルな心境や、夫婦関係の変化、バイセクシャルである自分を定義づけすることの難しさについて、書かせていただきました。 カミングアウトから約2週間が経過した現在も、未だに小舟で大海を彷徨いながら、精一杯舵を取ろうとしている最中ですが、その一方で、新しい風が帆を膨らませてくれているのを、日々感じているところです

          風をつくる#6 そしてカミングアウトの旅は続く

          鏡越しに唱える 今日を生きることば#3

          「人は自由になるのではなく、自由なのだ。」 『物語のなかとそと 江國香織散文集』江國香織、2018年、朝日新聞出版 こんにちは、Shadeと申します。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 このコラムでは、映画や小説、ドラマ、音楽など、サブカル大好きな僕が日常的に触れるあらゆるものから拾った、「今日を生きる」ための言葉を記録していきたいと思います。 不自由という幻想 子供の頃、「自由にしていいよ」という言葉が嫌いでした。 例えば小学

          鏡越しに唱える 今日を生きることば#3

          出せない手紙 僕の「後悔」と「罪」の話

          前置き、あるいは「いいわけ」 こんにちは、Shadeと申します。 僕は、30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 noteを始めて約2週間、他の方の書かれた記事を読んだり、自分の書いた記事にリアクションをいただいたりしたことでたくさんの勇気をもらい、先日、奥さんに自分がバイセクシャルであることをカミングアウトすることができました(リアクションやフォロー、コメントをしていただいた方々、本当に有難うございます!)。 ただ、自分のセクシャリティと真剣に

          出せない手紙 僕の「後悔」と「罪」の話

          鏡越しに唱える 今日を生きることば#2

          「助けが欲しいって 言えなかったから せめて今 助けてあげたい」 (「魚肉ソーセージと人」矢野顕子、アルバム『音楽はおくりもの』より、2021年、Victor Entertainment) こんにちは、Shadeと申します。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 このコラムでは、映画や小説、ドラマ、音楽など、サブカル大好きな僕が日常的に触れるあらゆるものから拾った、「今日を生きる」ための言葉を記録していきたいと思います。 上手に甘える

          鏡越しに唱える 今日を生きることば#2

          風をつくる#5 既婚バイ、大海で大いに迷う

          波は去らず、コンパスは回る こんにちは、Shadeです。 すでに枕詞のようになっていますが、僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 #4で書いたように、先日、現在のパートナーである奥さんへの、人生初カミングアウトを済ませたばかり。 それ自体は、狭い井の中にいた蛙が、ようやく大海に向かって泳ぎ出したような、自分にとって素晴らしい体験となったのですが、やはり外海には風や波がつきもの。航海はまだ始まったばかりですが、僕の乗った船は常に揺れに晒され

          風をつくる#5 既婚バイ、大海で大いに迷う

          鏡越しに唱える 今日を生きることば

          「けれど、痛みも焦燥も、それは人生の一部だ。充実と成熟という果実を薄皮のように包む、人生の収穫の一部。」 (『Spring』恩田陸、2024年、筑摩書房) こんにちは、Shadeと申します。 僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャル、メンタル疾患持ちの男性です。 このコラムでは、映画や小説、ドラマ、音楽など、サブカル大好きな僕が日常的に触れるあらゆるものから拾った、「今日を生きる」ための言葉を記録していきたいと思います。 「不安と苦痛」の先に… 前回の記事にも書きま

          鏡越しに唱える 今日を生きることば

          風をつくる#4 既婚バイ、「処女航海」に成功する

          仮免卒業 こんにちは、Shadeです。 #1から読んでくださっている方はご存知かと思いますが、僕は30代、既婚者(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。 前回書いた通り、通院している心療内科で、カウンセラーさんに人生初のカミングアウト(仮)をしたのが、ついおとといのこと。そこで僕は、初めて「自分以外の誰か」に、自分が異性にも同性にも惹かれるバイセクシャルであることを打ち明けました。 打ち明けた相手が、全くの他人であり、しかもプロとして人の話を聞いてくださるカ

          風をつくる#4 既婚バイ、「処女航海」に成功する

          映画『オール・アバウト・マイ・マザー』 クィア的視点で綴られる女性たちへの讃歌

          あらすじ 舞台はスペイン。マドリードで臓器移植のコーディネーターとして働くマヌエラ(セシリア・ロス)は、ある理由から夫と別れ、作家志望の息子エステバン(エロイ・アソリン)と二人暮らしをしています。 エステバンは、かつて舞台女優をしていたという母の人生をもとに本を執筆しようと考えており、彼女や、自分の父である元夫の過去について訊きたがりますが、マヌエラはなかなかその詳細を話そうとしません。 エステバンが17歳の誕生日を迎えたある夜、ようやくマヌエラは、自らの過去について語る

          映画『オール・アバウト・マイ・マザー』 クィア的視点で綴られる女性たちへの讃歌

          風をつくる#3 カミングアウト(仮)、答え合わせ

          告白を終えて こんにちは、Shadeです。 3度目になりますが、自己紹介しておきますと、僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。 (#1から読んでくださっている方、スキをしてくださった方、本当に有難うございます!) この度、#1で(主に自分に向けて)宣言した通り、カウンセラーの先生と面会し、無事にカミングアウト(仮)を終えることができましたので、その報告と、現在の所感などを書いてみようと思います。 まさに先ほど終えてきたばかりですので、やや感

          風をつくる#3 カミングアウト(仮)、答え合わせ

          風をつくる#2 カミングアウト(仮)の傾向と対策

          その日を前に… こんにちは、Shadeです。 初めましての方も多いと思いますので、前回に続き自己紹介しておきますと、僕は30代、既婚(子無し)、バイセクシャルでメンタル疾患持ちの男性です。(前回から続けて読んでくださっている方がいらっしゃいましたら、本当に有難うございます) いよいよ、#1に書いた通り、ほぼ月イチでお会いしているカウンセラーさんに、自分がバイセクシャルであることを打ち明ける日が目前に迫ってきましたので、今の心境などを書いておこうと思い、筆を取りました。 何し

          風をつくる#2 カミングアウト(仮)の傾向と対策

          風をつくる#1 井の中の「既婚バイ」、大海を知る

          とても狭い世界に生きていた こんにちは、Shadeと申します。 以前の自己紹介記事でも書いておりますが、僕は30代、既婚バイ(子無し)、メンタル疾患持ちの男性です。 noteを始めて約一週間が経ちましたが、この間、色々な方の記事や作品を読んだり、また自分でも記事を書いたりすることで、徐々に自分の中の世界が広がっていくのを日々実感しています。 世の中にはこんなにたくさんの人がいて、色んな考え方があるんだなぁ、と。(当たり前のことすぎて恥ずかしいのですが…) また、これまで誰に

          風をつくる#1 井の中の「既婚バイ」、大海を知る

          映画『ムーンライト』 何があっても、「魂の形」は変わらない

          あらすじ 舞台は現代のマイアミ。母親と二人で貧困地域に暮らすシャイで無口な少年シャロン(アレックス・ヒバート)は、学校ではその性格や所作から「クィア(オカマ)」と呼ばれ、いじめの対象になっています。 ある日の下校途中、いじめっ子たちから逃れようと廃墟のアパートに隠れていたシャロンは、そこを縄張りにする薬(ドラッグ)の売人・フアン(マハーシャラ・アリ)と出逢います。 フアンは、何も話そうとしないシャロンに食事を奢った上で、仕方なく自分の家に連れ帰り、恋人のテレサ(ジャネル・

          映画『ムーンライト』 何があっても、「魂の形」は変わらない