現役病院経営者T

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中学受験の光と影

10年以上前。私は首都圏の大手進学塾で校長をしていました。その当時から、今でもお付き合いが続く生徒の保護者からよく、こう聞かれます。 「先生はお子さんに中学受験を…

看護師採用試験小論文文例 テーマ:「インフォームドコンセントについてあなたの考えを述べなさい」

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況、更には説明内容をどのように受け止めたか、どのよう…

平均在院日数の算定方法

この計算式、わかりにくいですよね。私も昔困りました。 特に②の分母 「なんで最後、2で割るの!?!?」 と頭を抱えたものです。 こんな時には、算数や数学の入試問題…

休みが多い病院はホワイト病院?少ない病院はブラック病院?

病院の求人を見ると、 「年間休日120日!とても働きやすい病院です!」 と、お休みの多さをアピールした病院を目にします。 それに比べてうちの年間休日は105日。。。 …

病院経営徒然「退職の連鎖を防ぐ」

新年度まであと2か月ちょっと。多くの病院が内定者を抱え、新しい入職者を迎え入れるための心と環境の準備を整え始めていることでしょう。 しかし逆にそういう時期だから…

日本はもう、本当にダメかもしれない

1月12日(水)の夜、newspicksのオリジナル番組「WEEKLY OCHIAI」に、なんと岸田首相が出演した。 新型感染症で国内が大変な時期である。しかも就任後3か月以内に行う…

「勉強ができる子」の親が、無意識に実践している英才教育とは?

shinshinoharaさんの記事が面白い。 まずはぜひ、こちらをご覧いただけるだろうか。 以前、以下の投稿で書いたように、私は前職で16年間、首都圏の受験業界の最前線にいた…

病院経営徒然「想いの好循環」

2021年が、間もなく終わろうとしています。 当院においては本年4月、約3年越しのプロジェクトだった病院改修工事が、ついに完了しました。 その一部をご紹介します。 …

中学受験の不都合な真実

「鶏口牛後」という言葉がある。 三省堂 新明解四字熟語辞典には、 大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ…

人生、ときめいていますか?

早いもので、2021年もあと僅か。 今回は年の瀬にちなんで、以前、ふと思ったことを書くことにしよう。 歳を取るほど、1年が過ぎるのをあっという間に感じる、という感覚。…

何のために勉強をするの?

私は子供のころ、勉強が大嫌いだった。 「こんなことが一体、何の役に立つのだろう」と思っていた。 ある大人は、「いい大学に入って、いい会社に入るためだよ」と言った…

「子育ての鉄則」は果たして存在するのか?

私は、病院経営に携わる前の16年間、首都圏最大手の塾で講師をしていた。東京の受験事情に詳しい方ならお分かりだろうが、都会の受験戦争は苛烈を極める。 その激しい競争…

格差社会って何だろう

世の中の格差はどんどん広がっているという。 さて、格差というと何を思い浮かべるだろう。 多くの方は「経済格差」「所得格差」などの金銭的格差を想像したのではないだ…

悪化を辿る病院経営を復活させる「起死回生の一手」

原油高騰による光熱水費の上昇。 最低賃金の改定による業者委託費の値上げ。 法定福利費(※主に社会保険料の企業負担分)の増大。 支出は嵩むばかり。 一方で肝心の診療…

天下の愚策を斬る ~露と消えた「医療職の所得向上政策」~

国の医療費は年々増大し続けています。 それを抑制するために、これまで長らく診療報酬のゼロ改定が続きました。病院や、そこで働く医療職は、ずっと苦しい思いをしてきま…

中学受験の光と影

中学受験の光と影

10年以上前。私は首都圏の大手進学塾で校長をしていました。その当時から、今でもお付き合いが続く生徒の保護者からよく、こう聞かれます。

「先生はお子さんに中学受験をさせるんですか?」

その質問に対してはいつも

「子供がどうしても挑戦してみたい、と言わない限りは、私からやらせるつもりはありません。でも。もし『挑戦したい』と言ったなら、私の知識と経験と人脈をフル活用して応援します(笑)」

と答え

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看護師採用試験小論文文例 テーマ:「インフォームドコンセントについてあなたの考えを述べなさい」

看護師採用試験小論文文例 テーマ:「インフォームドコンセントについてあなたの考えを述べなさい」

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況、更には説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、などを関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。

昨今、患者の知る権利、自己決定権が重視される傾向はますます強くなっている。十分な合意形成ができないまま、医療が提供された場合、患者・家族が、病状説明の内容が

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平均在院日数の算定方法

平均在院日数の算定方法

この計算式、わかりにくいですよね。私も昔困りました。

特に②の分母
「なんで最後、2で割るの!?!?」
と頭を抱えたものです。

こんな時には、算数や数学の入試問題の攻略法が役に立ちます。
「方針が立たない場合は、具体的な事例で考えてみること」
つまり、抽象から具体に一旦落とし込んで、計算してみるわけです。

例えば、10人の患者さんが、ひとつの病棟に10月1日に一斉に入院して、10月10日に一

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休みが多い病院はホワイト病院?少ない病院はブラック病院?

病院の求人を見ると、

「年間休日120日!とても働きやすい病院です!」

と、お休みの多さをアピールした病院を目にします。

それに比べてうちの年間休日は105日。。。

「えー!休みが15日も多いじゃん!」
「きっと働きやすくて、良い病院なんだろうな。」
「いっそのこと転職しようかな。。。」

と思ったあなた。

ちょっと待ってください!!

ここには大きな落とし穴が。。。それは、

1日の所

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病院経営徒然「退職の連鎖を防ぐ」

病院経営徒然「退職の連鎖を防ぐ」

新年度まであと2か月ちょっと。多くの病院が内定者を抱え、新しい入職者を迎え入れるための心と環境の準備を整え始めていることでしょう。

しかし逆にそういう時期だからこそ、悲しいことに、退職の申し出も多くなってきます。

ほとんどの病院においては就業規則などで、「退職の際は、退職日の1か月前までに申し出ること」と定められていると思います。新年度からの転職を予定している職員の場合、有休を消化することを考

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日本はもう、本当にダメかもしれない

日本はもう、本当にダメかもしれない

1月12日(水)の夜、newspicksのオリジナル番組「WEEKLY OCHIAI」に、なんと岸田首相が出演した。

新型感染症で国内が大変な時期である。しかも就任後3か月以内に行うのが通例とされている日米首脳会談すら、いまだ実現していない。

そんな渦中にある現職の総理が、インターネット番組に出演するという前代未聞の出来事に、ただただ驚いた。岸田首相をブッキングできたnewspicksや、WE

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「勉強ができる子」の親が、無意識に実践している英才教育とは?

「勉強ができる子」の親が、無意識に実践している英才教育とは?

shinshinoharaさんの記事が面白い。
まずはぜひ、こちらをご覧いただけるだろうか。

以前、以下の投稿で書いたように、私は前職で16年間、首都圏の受験業界の最前線にいた。

その経験からも、彼の主張には大いに賛同する。

勉強ができる子には、ある共通の特徴が存在する。

それは新しい学びに対して、「脳が開いている」ということだ。教科書という1冊の本の中にある、整然とまとめられた知識のひと

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病院経営徒然「想いの好循環」

病院経営徒然「想いの好循環」

2021年が、間もなく終わろうとしています。

当院においては本年4月、約3年越しのプロジェクトだった病院改修工事が、ついに完了しました。
その一部をご紹介します。

<病室>

<浴室>

<医局>

<職員用ラウンジ>

患者さんの療養環境の向上はもちろん。
最もこだわったのは、職場環境の充実。

職員が休憩に使うこちらのラウンジ。
一杯挽きのコーヒーメーカーが常設してあり、いつでも飲み放題。

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中学受験の不都合な真実

中学受験の不都合な真実

「鶏口牛後」という言葉がある。

三省堂 新明解四字熟語辞典には、

大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ。▽「寧(むしろ)鶏口と為(な)るも、牛後と為(な)る無(な)かれ」の略。「鶏口」は鶏の口(くちばし)。弱小なものの首長のたとえ。「牛後」は牛の尻。強大なものに隷属する者のたとえ。

と説明されている。

中学受験は目的ではない。我が子

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人生、ときめいていますか?

人生、ときめいていますか?

早いもので、2021年もあと僅か。
今回は年の瀬にちなんで、以前、ふと思ったことを書くことにしよう。

歳を取るほど、1年が過ぎるのをあっという間に感じる、という感覚。皆さんにも身に覚えがあるのではないだろうか。

これは19世紀にフランスの哲学者、ポール・ジャネが、自身の著書で「ジャネの法則」として説明している。簡単に言えば、生涯のある時期における時間の心理的な長さは、年齢に反比例する、と主張し

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何のために勉強をするの?

何のために勉強をするの?

私は子供のころ、勉強が大嫌いだった。
「こんなことが一体、何の役に立つのだろう」と思っていた。

ある大人は、「いい大学に入って、いい会社に入るためだよ」と言った。
その大人は、高卒で、仕事もさほど楽しそうではなかった。

ある大人は、「立派な大人になるためだよ」と言った。
その大人は、大して立派な大人には感じなかった。

ある大人は、「大きくなってから役に立つからだよ」と言った。
その大人は、専

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「子育ての鉄則」は果たして存在するのか?

「子育ての鉄則」は果たして存在するのか?

私は、病院経営に携わる前の16年間、首都圏最大手の塾で講師をしていた。東京の受験事情に詳しい方ならお分かりだろうが、都会の受験戦争は苛烈を極める。

その激しい競争のど真ん中で、私は、開成、桜蔭、駒場東邦、早稲田などの学校別対策を行う特別コースの担当を歴任した。
開成高の特別クラスでは会場責任者も務め、当時、日本一の合格者数を達成した。

毎年夏に行われる、首都圏にある120校舎の生徒を一堂に集め

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格差社会って何だろう

格差社会って何だろう

世の中の格差はどんどん広がっているという。

さて、格差というと何を思い浮かべるだろう。

多くの方は「経済格差」「所得格差」などの金銭的格差を想像したのではないだろうか。

何百億と稼いでいる経営者がいる。YouTuberが動画で派手にお金を使っている。当選したばかりの政治家が、たった1日で100万円も貰ったらしい。

「あー。格差社会だわー。」

と嘆きたくなる気持ちもよくわかる。

しかし、

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悪化を辿る病院経営を復活させる「起死回生の一手」

悪化を辿る病院経営を復活させる「起死回生の一手」

原油高騰による光熱水費の上昇。
最低賃金の改定による業者委託費の値上げ。
法定福利費(※主に社会保険料の企業負担分)の増大。

支出は嵩むばかり。
一方で肝心の診療報酬は毎回ゼロ改定。
これでどうやって病院を維持するんだ。

そんな、経営に悩む病院経営者が打てる、起死回生の一手がある。

それが「バックオフィスのスリム化」である。

バックオフィスには、財務、経理、経営企画、人事、総務、庶務、広報

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天下の愚策を斬る ~露と消えた「医療職の所得向上政策」~

天下の愚策を斬る ~露と消えた「医療職の所得向上政策」~

国の医療費は年々増大し続けています。
それを抑制するために、これまで長らく診療報酬のゼロ改定が続きました。病院や、そこで働く医療職は、ずっと苦しい思いをしてきました。

そんな中で、現首相は「医療職の所得向上」を高らかに宣言しました。その実現のために、「公定価格の抜本的見直し」を行うと明言したのです。多くの病院、そして医療職が、期待に胸を膨らませました。

これは、彼が2021年10月4日に、第1

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