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看護師採用試験小論文文例 テーマ:「インフォームドコンセントについてあなたの考えを述べなさい」

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況、更には説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、などを関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。

昨今、患者の知る権利、自己決定権が重視される傾向はますます強くなっている。十分な合意形成ができないまま、医療が提供された場合、患者・家族が、病状説明の内容が腑に落ちない、医療職に対して不信感を抱くなどの問題が生じることがある。

一方で、患者・家族の気がかりを理解し、患者・家族と医療職が互いを表現し合う場が実現できれば、お互いが信頼、納得をもって治療に臨むことができる。病状説明の場においては特に、選択する医療行為の利害と患者・家族の生活、人生への影響を考えられるようなプロセスになれば大変有意義だろう。

私の祖父が3年前に亡くなった。91歳の大往生だった。最後は「延命治療は望まない」という祖父の意思を大切にし、担当医や看護師と相談して、できるだけ祖父が辛くない、穏やかな死が迎えられるような治療をお願いすることができた。

お蔭で祖父も安らかな最期を迎えられたと思うし、家族も納得して見送ることができたように思う。祖父を担当し、丁寧な聞き取りと説明をしてくださった当時の医師、看護師には心から感謝している。

インフォームドコンセントにおいて大切なことは、患者・家族が理解、納得した上で医療を選択し決定するために必要な情報を丁寧に伝えるこである。それと同時に、患者・家族の権利を尊重するために積極的に働きかけることである。

患者・家族が聞きたいと思っている情報を十分に聞くことができ、患者・家族と医療職双方が納得した意思決定になるよう、看護師として与えられた役割を果たしていきたい。

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