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平均在院日数の算定方法

この計算式、わかりにくいですよね。私も昔困りました。

特に②の分母
「なんで最後、2で割るの!?!?」
と頭を抱えたものです。


こんな時には、算数や数学の入試問題の攻略法が役に立ちます。
「方針が立たない場合は、具体的な事例で考えてみること」
つまり、抽象から具体に一旦落とし込んで、計算してみるわけです。


例えば、10人の患者さんが、ひとつの病棟に10月1日に一斉に入院して、10月10日に一斉に退院したとします。
当然、患者さんの入院日数は皆さん10日なので、平均在院日数も10日にならなければいけませんよね。
それをこの計算式に当てはめると(※「直近3か月間」というのは一旦無視します)

分子:当該病棟における在院患者延日数 つまり、10日×10人=100日

分母:(当該病棟における新入棟患者数+当該病棟における新退棟患者数)/2 つまり、(10人+10人)/2=10人

よって平均在院日数の計算結果は

100日/10人=10日 となります。

無事直感と合う結果になりましたね。

要は、ひとりの患者さんが入院時と退院時の2回カウントされてしまうため、そのままでは分母の患者数が本来の2倍になってしまうので、2で割る必要があるわけです。


さて実際には、上記のように一斉に入院して一斉に退棟することはありません。皆さん入退棟のタイミングはバラバラです。
本来の平均在院日数の意味を考えると、ひとりひとりの在院日数の平均を取るのが正しい計算方法となるわけですが、まだ退棟していない患者さんは、在院日数の確定ができません。

よって便宜上、直近3か月間の入退棟患者の延べ数を2で割ることによって、入退棟患者の実数とみなせる数字を算出し、分母としているわけです。3か月間の延べ在院日数をそれで割れば、およそその期間の平均在院日数と言っても差し支えない数字が導けることになります。

・・・って、やっぱり一般論で書くとどうしてもわかりにくい表現になってしまいますね。


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