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ふるえる心〜詩のようなもの

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何でもない日の中に「詩」がある。 忘れたくない、一瞬の心のふるえがある。 noteだからこそ、綴ることが出来ました。つぶやき、または詩のようなもの。
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2023年9月の記事一覧

ひきこもる君を残して〜親たちの休日〜|詩

ひきこもる君を残して〜親たちの休日〜|詩

 6月の日曜日。

 家から出たくない君を残して、

 私たちは気晴らしに遠出した。

 久しぶりの山、ロープウェイ

 山上に降りてから、

 植物園まで歩く。

 思ったより園は離れていて、

 日差しはきつかった。

 二人して息を切らし、

 何故か口数は少なくなった。

 とにかく、前へ、前へ…

 植物園の花は美しかった。

 高山特有の清楚な花々。

 私たちは笑顔になりながら、

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君の心は君のもの|詩

君の心は君のもの|詩

 ねえ、君、

 膝なんかかかえて、

 悩んでるんじゃないか?

 誰だって悩むことはあるけど、

 悩み過ぎないほうがいい

 苦しくなるだろう?

 色々な人たちが、

 色々ごちゃごちゃ言うかもしれない

 耳をふさいだっていいんだ

 聞いたことがあるかい?

 「自然治癒力」ってね

 「やる気スイッチ」を押すのは、

 他の人じゃない。

 かけがえのない 君なんだ。

 君の心は、

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9月19日 午後5時30分に想うこと|詩

9月19日 午後5時30分に想うこと|詩

 このところ、何かと気が忙しい。
 娘が帰省して、就職活動しているの  だ。
 出たり入ったり、電話したり…。

 ついこの間、自分もそうしていた気がする。
 いつの間にか結婚し、家族が増え
 「子どもが世界の中心」という日も 少しは遠ざかり
 今といえば、    
 後半生を考える日を送っている。

 
 後悔はしたくない
 記憶に残る人になりたい
 自転車を押しながら、夕暮れを見る

 「 ゴ

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今朝、思いついた。
君との関わりを。
主人公を、なだめたり、すかしたりするのは大抵悪い役の方で、
静かに受け入れるのは良い役だ、絵本でもね?

聖書の悪魔は向こうから働きかけてくる。
神様は何にも言わない。

相手を変えようとしちゃいけないんだ。
心は、みんな、自由で良いんだ。

不登校前夜〜君だけの子守歌〜|詩

不登校前夜〜君だけの子守歌〜|詩

 君の名前には祈りがある。
 人柄をしめす漢字と、
 〈星〉にまつわる漢字。
 
 赤ちゃんの頃、
 ベッドに二人で入った時
 真夜中に泣き声で起きた時

 特別な君だから、
 特別な歌が歌いたかった
 
 (名前に星があるから、
〚きらきら星〛にしよう!)

 歌詞を付けてみた。

 《 ✳✳✳は良い子、
  ✳✳✳はたからもの

  おりこうさんで、優しくて
  元気な、元気な男の子

  ✳

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人恋しい9月|詩

人恋しい9月|詩

 秋晴れのある日。
 車を飛ばしてフィッシングへ。
 夫の大好きな趣味だ。

 空は澄んで青く、
 シックな色で塗られた小型船が
 私たち夫婦や
 釣人の前を
 横切ってゆく。

 海では、
 鯖などの銀色の魚影が、
 素早くかけめぐるのが見える。

 良いシーズンが訪れた、
 と言い合い、
 いそいそと
 竿やバケツなどを準備する。

 9月の日曜日の午後。
 今日も、息子は
 誘っても来なかっ

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ある夜の食卓|詩

ある夜の食卓|詩

 君は小さい頃から私の手料理が好きで
 卒園式のメッセージカードに
「おいしいごはん いつもありがとう」と書いてくれたね。

 私の心が辛くなって
 どうしてもお弁当が作れなくなった時
「このふりかけが好きなんだ」と喜んでくれたね。

 今、私は心をこめて夕飯を作る。
 律儀にその都度「頂きます」と言う君
 お互いに辛かったよね
 今度は君の心を
 優しさで満たしたい

 何気ない 会話

 何気

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初秋に出掛ける|詩

初秋に出掛ける|詩

 日差しはまだ暑いけれど
 光の質が違う。

 秋色の
 ワンピースを翻し
 親友に会いに出掛ける

 まだ 家から出たくない君
 君のいる家から出られなかった自分

 君のまなざしの中の声は言う。
 「僕は 僕で 生きてゆく」

 
 
 そう 私も私を生きる。 
 先に行く私を見ていて
 背中に回したバトン
 受けてくれる日が来るでしょう

 笑顔で渡したい。
 君の未来のために。
 
 
 

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