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アートに恋して

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出逢った芸術のこと、そして自然は大きなアート。 気になったことは調べて深めてみると知らなかった事がいっぱい。読みながら一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです。
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記事一覧

麦秋によせて〜この頃のこと。

麦秋によせて〜この頃のこと。

中学の頃、通っていた家庭教師の先生の家があった。
そこのお嬢さん達は超絶優秀なことで有名で、お家の本棚には高尚な漫画がたくさん並んでいた。
わたしの“知”の部分の漫画家さんのリストは、およそこの本棚によるもので、その中には萩尾望都の漫画もあった。当時のわたしには難しい内容だったけれど物語は異国への憧れを抱かせてくれた。

もう話はすっかり忘れてしまったのだが、一枚の作画とある言葉だけは今でもよく憶

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映画とLGBTQと🏳️‍🌈人生の模様とか。

映画とLGBTQと🏳️‍🌈人生の模様とか。

映画の面白さに目覚めて息をするみたいに映画を見漁る癖が付いたのは中学2年生の頃から。
当時同じクラスだった女の子が「ローマの休日」と「風と共に去りぬ」のビデオを貸してくれたのがキッカケで古い映画、特に白黒映画に嵌った。“カラーなんて逆にダサい”と時代に思いっきり逆行して白黒映画しか観ない時期もあったけれど、徐々に広く様々な映画を観るようになった。あの頃に観た秀作のハリウッド映画はもちろん、中国映画

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読書にある喜び

読書にある喜び

久しぶりの読後感に浸っている。

「屋根屋」は夏に帰省した時、地元の小さな本屋さんで見つけた。横目で見ながら前をウロウロすること数回、なんとなく気になって手に取った。正直、惹かれるタイトルではなかったし表紙に書いてある紹介文も、よく意味が分からなかった。村田喜代子という作家を全く知らなかったので興味が湧き、そんなに期待もせずレジへ持っていった。

そしてドイツ帰国後、自分の部屋にある小さな本棚に並

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“愛の画家” シャガールが描き続けたもの

“愛の画家” シャガールが描き続けたもの

フランクフルトの美術館で開催されているシャガール展へ行ってきました。

シルン美術館は、常設のコレクションを持たない企画展専門の美術館で、シャガール展は15年ぶりだそうです。
2月中旬までで、ウカウカしているときっと見損なってしまうと思いました。有名だけどきちんとシャガールの絵を見たことがなくて、この機会にぜひ多くの作品に触れてみたいと思いました。

フランクフルトの街

我が家からフランクフルト

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心の落ち着く場所

心の落ち着く場所

フランクフルトのシュテーデル美術館へ行ってきました。

在独10年を軽く超えるというのに、自宅から150キロに位置するフランクフルトの街を知りませんでした。空港には何十回も行ってるけれど、改めてフランクフルトの市街を訪ねるのはこれが初めてのことです。

シュテーデル美術館についての予備知識はほとんどなく、唯一フェルメールの絵があるのをガイドブックで読んだくらい。
平日の午前中ということもありますが

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フランスへの旅とエトセトラ(走行距離1700キロ)

フランスへの旅とエトセトラ(走行距離1700キロ)

今年のイースター休暇は2週間でした。

前半は息子たちに陽性が出てほぼ無症状でしたが、家庭内感染を防ぐ意味でも気を使いながらダラダラしていました。。
2回ワクチンを接種済みだったので感染力も弱かったのか、長女と私は罹らずに終わりました。

さて予定されていた父親の家へ行くのは、少し遅くなりましたが隔離期間も終わり、1週間は向こうの家へ。

休暇の始まり

私は、フランスにいる母の古い友人に会いに行

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自分に帰れる場所〜森に想う

自分に帰れる場所〜森に想う

家から25キロのところに巨大な森があります。

ボン郊外に広がる森。
ずっと昔、まだ子供が幼児の頃に私が習っていたドイツ語の先生がこの森の存在を教えてくれました。

ロックダウン前後から、何とはなしに自分が自分に戻れる場所がこの森ではないか...と思うようになりました。

平日の8時台に行けば、ほとんどすれ違う人もなく静かな森がただ広がっています。
人間の声が聞こえないこの場所は、人に疲れて独りに

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西から東へ,いつも旅の途上

西から東へ,いつも旅の途上

思い立ってベルリンへ来ている。

一週間前は、まだ神戸にいたというのに...この振り幅。
ドイツ人が嫌う spontan(思い立って予定外のことを突然する)な行動もここに極まり...という感じだ。

以前、午前中に思い立ってケルンに行く記事を書いたが、ベルリンはケルンと違ってなかなか遠い。

誰にも、家族にも言ってないので私が遠いベルリンに居るというのを知っている人はいない。

子供達は昨日の夕方

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生涯ベスト2:物語へ至る道

生涯ベスト2:物語へ至る道

もし人生に2冊だけ選べと言われたらこの2冊だと思う本があります。

本は若い頃からずっと読んできて、心に残るたくさんの出会いがありました。だから順序をつけるなんて出来ない。

でも “特別な本” を選んでごらん、と言われたら、この2冊を選びたいと思います。

星野道夫 著 『ノーザンライツ』

パール・バック著 『母の肖像』

ノーザンライツに出逢ったのは、たしか表参道にある大きな本屋さんでした。

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