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雑記

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#エッセイ

もちに願いを。

もちに願いを。

 年の瀬になると、いろんな人のことを思いだす。十年二十年会っていない人や、まだ会ったことがない人のことも。師走は人の心を感傷的にさせる。

 仕事納めは三十日の十八時から始まり、三十一日の昼、十二時過ぎに終わった。前代未聞、十八時間の労働だった。

 最初の八時間はなんとか早く仕事を終わらせようと、タバコ二本分だけの休息で乗り切った。
 そこへ、営業を終えた店舗の伝票と売上げがやってきた。俺は飲食

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スーパースター

スーパースター

 どんな競技にでもスター選手がいる。そこから更に、そのスポーツにおける、ひとつの時代の象徴となるようなスーパースターが出てくることがある。
 マイケル・ジョーダン。王、長島に野茂、松坂、イチロー。千代の富士に貴乃花。セナとシューマッハ。そういった人物は引退後に伝説となる。

 競輪というスポーツとギャンブルの狭間に存在するマイナー競技にも、伝説的な選手は何人も存在して、その中に「吉岡稔真(よしおか

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ホームレスと泥棒

ホームレスと泥棒

 オレは難波と天王寺の間に住んでいて、どちらの駅へも一・五キロぐらいの距離。普段は坂道が無いぶん近く感じるので難波に出かけることが多い。四月九日金曜の昼間はなんとなくの気まぐれで天王寺に買い物へ行った。要る物は封筒とかクリップ、金を数えるときにあると便利な指に塗る滑り止めなど、つまらない事務用品ばかりだった。

 出たついでに新世界の回転寿司で昼飯を食べた。十一時台に入り、十二時過ぎまでは店にいた

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ウサギちゃんセイグッバイ

ウサギちゃんセイグッバイ

 俺の母親はヤバい奴だ。ヤバい奴というのは大抵、ひとりぼっちでもまったく平気か、過度に寂しがり屋かのどっちかで、母は寂しがり屋の方だ。

 不思議なのは、寂しがり屋という奴は、人との繋がりに飢えているクセに、誰かと親しくなっては壊す、人間関係のトラブルを繰り返す。

 二〇〇七年のクリスマスに、俺は母の寂しさを埋めるのは、なにも人で無くてもいいんじゃないかと思い、ハムスターをプレゼントした。ある種

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スカジャンとギター

スカジャンとギター

 十三歳の時にスカジャンを持っていた。柄は覚えてないが、風神と雷神が描かれていたような気がする。似合っていなかったことは確かだ。

 ある日そのスカジャンを弟が我がもの顔で着ていた。いくら似合っていないとはいえ、七年ぶりに会った親父に買って貰ったものなので、そのまま借りパクさせるわけにはいかなかった。それで、「返せ」と彼に迫った。
 すると弟は、彼の持っていたギターと、「交換しよう」と提案してきた

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帰る場所の無い人

帰る場所の無い人

 すすきのから二百メートルほど北へ進んだところに、狸小路という商店街がある。東西に九百メートルほど続くアーケードの西側に『TK6(ティケイシックス)』というバーがあった。

 オーストラリア人がオーナーで、オーダーごとに先払いする外国人が好きそうなスタイルの店だった。
 十年前、二十代後半の時に風来坊に憧れて、まねごとをしようと北海道に四ヶ月間滞在した。その時によく立ち寄っていた。いつもひとりで飲

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私の好きなオジサン

おはようございます。

連続投稿九十九日目の朝をコーヒーとプリンを朝食代わりに頂ながら向えております。

いよいよ書くことがないので、本日は私の夢について語らせて頂きたいと思います。

私は文章を書くという七面倒くさいことを、好きなのかどうかも分からないまま、謎の衝動にかられてやっております。

思いついたこととか見たものを文章にしたいなという欲求が湧いてくるときがありまして、そういう気分になると

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