見出し画像

児童養護施設スタッフのそんなんありなん!可能性は∞インタビュー♯澤村信哉さん

 こんにちは🌞、関西学院大学の活動団体である夢調査プロジェクトのarinanです!
 私たちは、夢を持っていない学生、将来に迷う学生に、「そんなんありなん?」っておもう夢の選択肢を見せることを理念として活動しています。

 前回の記事も面白いので、是非読んでください!!⇩

今回はなんと日本ではなく、フィリピンへの出張インタビューしてきました!
フィリピンの児童養護施設「ハウス・オブ・ジョイ」で運営スタッフとして働く澤村信哉さんのインタビューです!


澤村さん(イメージ)

プロフィール

フィリピン・ダバオで児童養護施設「ハウス・オブ・ジョイ」を運営する澤村信哉さんにインタビュー。1976年生まれ、千葉県で幼少期を過ごす。横浜国立大学教育学部卒。日本語教育を専門に学ぶ。卒業後はフィリピンの小学校、大学で日本語教師として働いた経験を持つ。その後、ブルガリアの小学校でも2年間日本語教師として働く。ハウス・オブ・ジョイの創設者である烏山さんが体調不良になったことをきっかけに、フィリピンに戻り、ハウス・オブ・ジョイの運営スタッフとして働くことに。クラウドファンディングやクリック募金といったITを活用した運営費の確保や、滞在者の受け入れなどを精力的に行っている。日本でも年に何度か、自身の収入源である似顔絵描きや講演を行っている。


ボランティアの立ち位置に疑問をもった大学1年生

大学1年生の夏休みに1人でフィリピンへ。中学時代に教会にいるフィリピンの人たちと出会った。別の世界があることを教えてもらったのがすごく大きくて、そのおかげで人生が変わったみたいな思いだった。「フィリピンに恩返ししたい」っていう気持ちでフィリピンに行くことを決意。フィリピンでは、職業訓練校でのプロジェクトに参加。

そこで「道具を工夫すれば、もっとよくなるんじゃないか」とか現状を改善する方法を色々考えたけど、いろんな事情を聞いているうちに、ここにいる職業訓練校の若者達っていうのは、職業訓練校で半日働いた給料を授業料として払って、成り立ってる学校だった。その時参加してたヤギ小屋のプロジェクトに、「日本人がボランティアで行くので、受け入れてくださいね」と、日本のNPO団体がお金を渡してる。だから俺を受け入れることでそこはヤギ小屋とかを建てるための資金になってる。俺はボランティアのつもりだったけど、お客さんだったってことが分かった。みんなは働いて給料もらってるんだということを知って、そこで一生懸命働いて恩返ししようと思ってたけど、ここで一生懸命働いて、みんなの分まで働くっていうことは、ここの若者たちの仕事を奪うことじゃないかと言うことにすごい矛盾を感じた。「世の中で言われてるボランティアって何?」「現地の人の仕事を奪っているだけじゃねえの?」っていうあたりで、現地の人の仕事を奪わない形で恩返しってどうやったらできるんだろうっていうことを考えるに至った。

でも、その1ヶ月ではそれは全然見つからなかった。そこで悩みながらもその仕事をしながら、一緒に働いた仲間とすごく仲良くなった。最近もこの近くで再会して、すごくいい思い出ではあるんだけど、一番大きな収穫はその気付きを得たってこと。1つ目は普通に肉体労働とかやっても「役に立たない」ってこと。2つ目は「役に立ったところで現地の仕事を受けた」ってこと。

この2つが大きな気づきだった。日本に帰って、大学生だから勉強をしながらも「国際協力とは」みたいな本を読んだりしたけど全然ぴんとこなかった。やっぱり行かないと駄目だなと思って、またバイトしてお金貯めて。2年生の終わりの春休みに「もう1回、フィリピン行こう」と思った。今度はフィリピンの人が何に困って、何には困ってないのかっていうのを知りたくて。

いろんな人との交流が固定概念を変えるきっかけに!

狭い世界しか知らなかった俺が、フィリピンの人に出会ったことで、世界の広さを知った。ろくでもない大人にしか会えず児童養護施設にやって来た子供達に、日本から来た若者たちと出逢う場を供給できるっていうのはまさに恩返し。ここにいる子たちの明るい表情からは想像つかないかもしれないけど、世界になんの期待も抱けないぐらいの辛い目にあってきてるんだよ。だけど、ここに来ていろんな人と交流することで「世界には楽しいことがあるのかも」と思ってもらえるような、出逢う場を提供することが今後もすごくやりたいこと。

キャリアを選択する上での不安は?

いつ何があるか分からないから本当に不安なんてのは人生につきもので、当たり前。けど、不安がないわけでも、心配で寝れないっていうこともない。大切なのは、どういう種類の不安に自分は比較的耐えられて、どの種類の不安がいやか。どういう種類のストレスが自分には耐え難いかを知ることだと思う。自分の場合は、生活にかかるストレスももちろんあるけど、ここで暮らす方が比較的ストレスや不安が少ないのもあるし、私はこっちの暮らしの方がいい。

キャリア選択で知ってもらいたいこと

仕事は仕事でなるべくストレスがない範囲でやりつつ、必要な分のお金を稼いでやりたいことは趣味でやるっていう人生は十分いい人生だぞっていう。それで余暇の時間を家族や友達を大切にする。自分の趣味を大切にするっていう人生はすごくいい人生だから、やりがいみたいなことばっかり考えて仕事を選ばなくてもいいと思う。

「あんま頑張りすぎんなよ」っていう。特にキャリアみたいな部分で言うとフィリピンで緩いっていうのに慣れたのもある。日本で、競争社会の中で勝ち残るためには、確固たるやりたいこととできることが一致して、そこで活躍できないとダメみたいなのもあるんだろうけれど。本当に、一歩日本から外に出てみれば、そうじゃない世界が本当にいくらでもある。そういうのも経験してみると、選択の幅は広がる。

キャリア形成で本当の自分が何かを考えすぎるとろくなことにならない。内側にあるのではなく外に出て色んな経験をすることでできていくと思う。旅も留学、映画など色んな出会いが大事だと思う。

子供教育に携わりたいという思いはまず最初に医者にあって、教育学部にいる?

まず、基本子供好きっていうのがあって。日本語教育に関しては、特にフィリピンで搾取の片棒を担ぐみたいな部分があるって感じた。要は日本の企業がフィリピン人を安い労働力として使うために、日本に来る前に「ちょっと日本語ができるようにしてね」みたいなので。

言い方悪いけど便利?

フィリピンの人たちは、そのために日本語を覚えたいって言ってる。それに教えるっていうのはフィリピンのためでもあるんだけど、少し、釈然としない部分っていうのがないわけではないっていうところで、フィリピンで大人向けの日本語教育っていうのに、そこまで気持ちが動かなかった。私も大人になって自分で外国語を勉強しようと思ったけど、大人になって自分で外国語を勉強する人っていうのは教授法とかってよりも本人のやる気。大人の日本語外国語習得は本人が頑張る以外のことはない。それに比べて子供は自分の事情と関係なく、勉強せざる負えないっていう状態になっちゃう人がいる。やる気とか以前にできるようにならないと困るし、できるようになったほうが、その子にとってすごくプラスだし、そっちを支援する方がやりがいがあるっていう思いがあって、子供向けの日本語教育っていうのにどんどんフォーカスしていった。とは言え、ブルガリアでは別に必要性があって日本語教育っていうわけではない。もう完全に日本のサブカルチャー、アニメとか、ゲームとか日本に興味があって「日本語勉強したい」っていう感じの子達への日本語教育だった。楽しく日本文化に興味を持ってもらう感じの、国際理解教育の一環としての日本語教育っていう立場だったからすごい楽しかった。

ここにきてから15年経ちますが、自分の変化はありますか?

もちろんいろいろあったよ。割と人に頼らずに生きていこうという思いが強かったが、「人に頼り、頼られ生きていこう」とどんどん変わった。適切に人に頼るとその人は超喜ぶ。頼って欲しい時に頼られるとすっげえ嬉しいんだよ。頼られる側としてもあったし、頼った時に向こうが喜んでくれたっていうのもあって人に迷惑をかけてはいけない。人に頼らずに生きていこうっていうのは、「そうじゃないな」って思うようになっていった。ハウスオブジョイを運営している中で、お金の事もそうだし。自分の得意じゃないこと、事務的なこととかで「全然わかんない。ちょっと教えて」みたいなとかね。自分の得意分野で教えてって言われると、教えたがりな人はいっぱいいて。そういうところをうまくお互い様っていう感じでやって行くことがここ15年やってきて、僕の中で自然になってきたな。

☆arinan編集あとがき☆

今回インタビューをさせていただきました、はるちゃん🐶です!
今回は arinan 初めての海外インタビューをしました。受け入れてくださった澤村さん、ハウス・オブ・ジ ョイの皆さん、ありがとうございました!

澤村さんのお話を聞いて、ボランティアのつもりがお客さんだったという場面を知 り、「自分も誰かのため」にとやったことが実は「誰かのものを奪ってしまう」ことが あるのではと考えました。背景や状況などもしっかり調べて、本当に誰かのためになれるのかを知った上で行動することが大切だと感じました。また、キャリア選択や人生設計においても、人それぞれ悩みもストレスも違うからこそ、自分にとって一番楽しくて安心だと思える場所を見つけたいなと思いました。また自分だけが不安を抱えてるわけではないからこそ、周りの人に相談したり、違う人の話を聞いたりすることで気持ちも軽くなることがあるなと改めて感じました。世界の「そんなん、ありな ん!?」なお話を聞ける貴重な機会になりました。

本当にありがとうございました!!

↑arinanのインスタグラムです!ぜひチェックしてみてください☆

次回の記事もお楽しみに!!

この記事が参加している募集

noteでよかったこと

一度は行きたいあの場所

なりたい自分

with ヒューマンホールディングス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?