yukiomiyazaki

上田アンサンブル・オーケストラ団長。vioia🎻つれづれnote✍️ よろしくお願いしま…

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上田アンサンブル・オーケストラ団長。vioia🎻つれづれnote✍️ よろしくお願いします🙇

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柴崎友香 『続きと始まり』 集英社

 今日1日の出来事は、そのほとんどが記憶から時間とともに薄れ通り過ぎていく。ましてや、今朝通勤途中ですれ違った車を運転していた女性が何を考えていたかなどは思いも…

yukiomiyazaki
6か月前
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批評とは「その考え方はいいね」

自分で見聞きして良し悪しを見極める。ほとんどが瞬時の条件反射にちかい。一人ひとり個性があって興味の対象も受け取り方も違うので、その判断も温度差も十人十色で千差万…

yukiomiyazaki
3週間前
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奥底の記憶

まだ梅雨も明けていないのに朝から暑い。天気予報では熱中症に気をつけましょうといっていた。外だけだと思ったら家の中でも熱中症になるらしい。ジリジリとした日差し。暑…

yukiomiyazaki
1か月前
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町屋良平 『私の批評』 をたどる

次の一文が印象的だった。 「ことば」とは何だろう。動物や鳥など怒鳴りあっているように聞こえてもそれが音やリズムの意思疎通であればそれはそれなのだろう。動物と人の…

yukiomiyazaki
1か月前
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NewJeans〝にゅじ〟おじさんの独り言

Ditto MVはミュージックビデオなのでなんとなく歌や曲のイメージを豊かにする洒落た映像かと思ったら、ストーリー性のあるハンディタイプのビデオで撮った断片の記憶や記録…

yukiomiyazaki
2か月前
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スターバックスの魅力

スターバックスにはどうも足が向いてしまう魅力がある。店内の席に座るにはちょっとした気構えがいるのでもっぱらドライブスルーが多い。 連休初日に草刈り鎌の補修で少し…

yukiomiyazaki
2か月前
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ベートーベンと云えば

ベートーベンと云えば「ダダダダーン」や「ジャジャジャジャーン」。副題の「運命」で有名な交響曲第5番ハ短調作品67。八分休符の音なき音から始まるフレーズは曲全体のモ…

yukiomiyazaki
3か月前
4

《批評》という語のイメージ

《批評》とはある対象の価値、それをどのようにとらえるかという基準を示すひとつの指標である。誰もが「そうだ」と首肯できる根拠が感じられないと独りよがりのただの感想…

yukiomiyazaki
3か月前
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花や音楽のある生活

「同じ空がよく見えるのは心の角度しだいだから」言わずと知れた、きゃりーぱみゅぱみゅの「つけまつける」のワンフレーズだ。風景や花、美術や音楽また文芸作品なども含め…

yukiomiyazaki
3か月前
2

時間の感覚

めまぐるしく時間が過ぎ、短時間で多くの情報を処理するように急かされる。長い小説は速読でかっ飛ばし、映画も2時間の作品なんてもってのほか、音楽でもクラシックは敷居…

yukiomiyazaki
3か月前
4

笑いについて

笑顔は心地よい。うれしさが伝わるし、楽しさを表現できるし周りの空気を和ませてくれる。一日の始まりも一日の終わりも、ましてや人生の最初にしても、そして人生の終わり…

yukiomiyazaki
4か月前
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アン・ビーティ『この世界の女たち』河出書房新社

望遠鏡を覗くと遠くの世界を見渡すことができ鳥瞰することができる。反対に時間や空間を微小化し限りなく小さく焦点をあてた顕微鏡から見る世界もまた逆に小さければ小さい…

yukiomiyazaki
5か月前
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間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』早川書房SFマガジン2024.02

100年後には今生きている人はこの世には誰一人も存在しない。ただ一人生き延びた「わたし」を除いては。 不老不死として脳の融合手術を受け、マシンの身体と脳が融合した…

yukiomiyazaki
5か月前
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チャック・パラニューク『インベンション・オブ・サウンド』早川書房 2023.1 電子書籍版

この小説はかなり衝撃的だ。本物よりも本物らしく聞こえてしまう「悲鳴」が彼方から聞こえてくるホラーサスペンス。 太古から生き物に宿る音の記憶が想起され、ヒトの脳に…

yukiomiyazaki
5か月前
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街中ピアノ。

NHKで放送されている「空港ピアノ」とか「駅ピアノ」は日常生活に音楽が同化していて見ていて飽きない。Youtubeでもたくさんの街中ピアノがアップされていて、世の中には上…

yukiomiyazaki
6か月前

音声入力やフラッシュ暗算に脳ミソが追いつかない

1.音声入力  文字を記録するには手で書いたりワープロやコンピュータに打ち込み記録する。長い年月に風化しないためには印刷術や、インクの原料、紙のすき方、またコン…

yukiomiyazaki
6か月前
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柴崎友香 『続きと始まり』 集英社

柴崎友香 『続きと始まり』 集英社

 今日1日の出来事は、そのほとんどが記憶から時間とともに薄れ通り過ぎていく。ましてや、今朝通勤途中ですれ違った車を運転していた女性が何を考えていたかなどは思いもよらない。そんな一人ひとりの生活に流れていく時間や、家族、職場など私たちの周りにいる人たちの物語である。

 2020年3月から2022年2月までの出来事で構成され、2011年の3.11震災の記憶や忍び寄るコロナ禍に翻弄されつつも日常生活を

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批評とは「その考え方はいいね」

批評とは「その考え方はいいね」

自分で見聞きして良し悪しを見極める。ほとんどが瞬時の条件反射にちかい。一人ひとり個性があって興味の対象も受け取り方も違うので、その判断も温度差も十人十色で千差万別だ。書籍でも絵画でも音楽でも、自分の目にとまったものはそれを選んだ時点ですでに批評的だ。「それいいね」という動機があるからだ。誰かがその作品を選んで批評する場合も、そのこと自体が既に相当に踏み込んだ批評的行為である。他人の批評に触れてその

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奥底の記憶

奥底の記憶

まだ梅雨も明けていないのに朝から暑い。天気予報では熱中症に気をつけましょうといっていた。外だけだと思ったら家の中でも熱中症になるらしい。ジリジリとした日差し。暑くけだるい夏の日はなにか昔にも同じような時間が通りすぎていった記憶を呼びおこす。

今日も光化学スモッグ注意報が発令された。どおりで目がチカチカする。

1970年の夏は、大阪千里の万国博覧会の話題で持ちきりだった。小学4年生の僕は、アメリ

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町屋良平 『私の批評』 をたどる

町屋良平 『私の批評』 をたどる

次の一文が印象的だった。

「ことば」とは何だろう。動物や鳥など怒鳴りあっているように聞こえてもそれが音やリズムの意思疎通であればそれはそれなのだろう。動物と人の違いは「火、道具、ことば」とは云うが、かえって「ことば」で表現できればできるほど相手とのすれ違いや齟齬が生れてしまうこともある。猫のように甘えて擦り寄って来るときもあれば猫自身のペースで涼しい顔を見せることもあるほうがかえって周りの方が気

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NewJeans〝にゅじ〟おじさんの独り言

NewJeans〝にゅじ〟おじさんの独り言

Ditto MVはミュージックビデオなのでなんとなく歌や曲のイメージを豊かにする洒落た映像かと思ったら、ストーリー性のあるハンディタイプのビデオで撮った断片の記憶や記録のデータがパッチワークのようにつながれて編集されている。Dittoのリズムと歌詞に合わせ映画のようなストーリー仕立てだ。短編映画のようだ。それも SideA と SideB に分かれている。韻を踏んだ切ないハスキーボイスのリズムに映

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スターバックスの魅力

スターバックスの魅力

スターバックスにはどうも足が向いてしまう魅力がある。店内の席に座るにはちょっとした気構えがいるのでもっぱらドライブスルーが多い。

連休初日に草刈り鎌の補修で少し離れた金物屋に行った。帰りに暑かったので冷たいものを飲もうと運転しながら考えた。セブンイレブンでマンゴーアイスを買って家で食べるかクーポン20円を使ってアイスコーヒーにするか。距離はあるがコーヒーゼリーに長門牧場のソフトクリームがのったの

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ベートーベンと云えば

ベートーベンと云えば

ベートーベンと云えば「ダダダダーン」や「ジャジャジャジャーン」。副題の「運命」で有名な交響曲第5番ハ短調作品67。八分休符の音なき音から始まるフレーズは曲全体のモチーフだ。とくに古典は作品番号で呼ばれ題名が最初からあるわけではない。「運命」も後々にネーミングと曲がセットで自然と広まった。副題の印象が強すぎると先入観なしに作品に対峙したい人には厄介である。しかし同時期に並行して作曲された第6番へ長調

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《批評》という語のイメージ

《批評》という語のイメージ

《批評》とはある対象の価値、それをどのようにとらえるかという基準を示すひとつの指標である。誰もが「そうだ」と首肯できる根拠が感じられないと独りよがりのただの感想に埋没してしまう怖さがつきまとう。

 芸術作品でも人物でも、またある時代でも森羅万象すべてが批評の対象になりえる。批評は批判や批難ではない。批評しようとする側が、その対象を語りたいと選ぶ時からすでに批評は始まっている。批評家はなぜそれを選

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花や音楽のある生活

花や音楽のある生活

「同じ空がよく見えるのは心の角度しだいだから」言わずと知れた、きゃりーぱみゅぱみゅの「つけまつける」のワンフレーズだ。風景や花、美術や音楽また文芸作品なども含めて森羅万象そのもの自体は何も変わらないが、受け手側のこちらの余裕やそのときの体調や気分、それこそ「心の角度」しだいで見え方や聞こえ方、印象の残り方が大きく変わってくる。

芥川賞作家の柴崎友香さん『続きと始まり』の一場面で、車で通勤する女性

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時間の感覚

時間の感覚

めまぐるしく時間が過ぎ、短時間で多くの情報を処理するように急かされる。長い小説は速読でかっ飛ばし、映画も2時間の作品なんてもってのほか、音楽でもクラシックは敷居が高く交響曲などは長すぎる。学校でも授業中にフラフラと歩き回る光景はあたりまえ。予備校の映像授業は15分単位が主流となって市場に出回り始めている。

日々の生活の中でゆっくりと芸術作品に対峙する余裕は欲しくても、なかなかそうにはなり難い。昭

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笑いについて

笑いについて

笑顔は心地よい。うれしさが伝わるし、楽しさを表現できるし周りの空気を和ませてくれる。一日の始まりも一日の終わりも、ましてや人生の最初にしても、そして人生の終わりにしても。産声は当の本人は泣いていても、周りはすべて笑顔だし、最期は本人は笑顔で周りは泣き笑いでいきたいものだ。とても難しいことでもあり、でもとても簡単で単純なことでもある。

喜怒哀楽は感情の直接表現で、「ことばの世界」は追いついていかな

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アン・ビーティ『この世界の女たち』河出書房新社

アン・ビーティ『この世界の女たち』河出書房新社

望遠鏡を覗くと遠くの世界を見渡すことができ鳥瞰することができる。反対に時間や空間を微小化し限りなく小さく焦点をあてた顕微鏡から見る世界もまた逆に小さければ小さいほど広大な世界を映す。顕微鏡の世界もまた一つの宇宙でもある。

アン・ビーティの描く 『この世界の女たち』は、日々の生活に流れる時間をそれぞれの登場人物の視点から同時進行に追体験することができる。読者自身のよりどころとする生き方と照合しつつ

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間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』早川書房SFマガジン2024.02

間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』早川書房SFマガジン2024.02

100年後には今生きている人はこの世には誰一人も存在しない。ただ一人生き延びた「わたし」を除いては。

不老不死として脳の融合手術を受け、マシンの身体と脳が融合した人工人間の「わたし」。ヒトの人たる由縁が揺らぐ、記憶の断片が走馬灯のように浮かび、雪片のような淡く儚い記憶が次々に蘇る。誰にあてて書くのか。自分の1世紀前の家族について。

生きていることがつらくて、自らいったん終止符を打つと決意した。

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チャック・パラニューク『インベンション・オブ・サウンド』早川書房 2023.1 電子書籍版

チャック・パラニューク『インベンション・オブ・サウンド』早川書房 2023.1 電子書籍版

この小説はかなり衝撃的だ。本物よりも本物らしく聞こえてしまう「悲鳴」が彼方から聞こえてくるホラーサスペンス。

太古から生き物に宿る音の記憶が想起され、ヒトの脳に共鳴して導き出される世界に交錯する二人。ゲイツ・フォスターは17年前に行方不明になった娘をひたすら探し続ける私立探偵。雑踏の数多の人の容姿をコンピュータのエイジプログレッションシステムを使い顔認証して、自力で犯人を捜して復讐することを誓う

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街中ピアノ。

街中ピアノ。

NHKで放送されている「空港ピアノ」とか「駅ピアノ」は日常生活に音楽が同化していて見ていて飽きない。Youtubeでもたくさんの街中ピアノがアップされていて、世の中には上手に音楽に付き合っている人が多いのに励まされる。

Play me, I'm yours. というキャッチでも広まったようにも捉えているが、別の潮流でも身近にピアノを置きたいという様々な期待感が醸成されて日本でも定着してきている。

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音声入力やフラッシュ暗算に脳ミソが追いつかない

音声入力やフラッシュ暗算に脳ミソが追いつかない

1.音声入力
 文字を記録するには手で書いたりワープロやコンピュータに打ち込み記録する。長い年月に風化しないためには印刷術や、インクの原料、紙のすき方、またコンピュータの記憶媒体を再現できるかなどの課題の克服がある。
 古代からの遺品の中には木簡や陶器や石などに刻んで年月を乗り越えて目にすることが出きるものもある。
 裁判記録や国会などで速記という特殊技能で記録をとったり、音声や映像で記録をとるこ

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