見出し画像

スターバックスの魅力

スターバックスにはどうも足が向いてしまう魅力がある。店内の席に座るにはちょっとした気構えがいるのでもっぱらドライブスルーが多い。

連休初日に草刈り鎌の補修で少し離れた金物屋に行った。帰りに暑かったので冷たいものを飲もうと運転しながら考えた。セブンイレブンでマンゴーアイスを買って家で食べるかクーポン20円を使ってアイスコーヒーにするか。距離はあるがコーヒーゼリーに長門牧場のソフトクリームがのったのがいいか。信号を二つか三つ過ぎた時にスターバックスが閃いた。覚えるまでに時間がかかったエスプレッソフラッペの名前がすぐに出てきたので優先順位を高くした。名前が出てこなければやめたと思う。エスプレッソアフォガードフラペチーノと言うそうだが。コーヒーフロートの仲間だ。

戸倉上山田温泉の近くの最近できたスターバックスが今いる所からは近い。駐車場に入ると店内がガラス越しに見える。雰囲気に溶け込んで談笑しているような人たちの姿にちょっと気後れして今回はドライブスルーに。マイク越しに注文して車を進める。なるべく右側の縁石ちかくにピタッと車を寄せると支払いも手を伸ばさないで済むのでギリギリを攻める。どうも後ろの車も真似をするのがわかっておもしろい。

支払いをすると紙のストローを先にくれて話しかけられた。
「連休はどちらにお出かけですか」
どこにも遠出はないしと思いつつ、
「連休は近場で過ごすのでここに来ることが連休です」と応じると、
「では連休用の特別なフラペチーノをどうぞ!」と手渡してくれた。

暑かったので苦味とクリーミーが絶妙で何とも特別で贅沢だ。柴崎友香さんの小説にあるような何気ない日常の風景かなとふと頭をよぎった。別に会話はしなくても、よくよく見るとカップに貼られた注文シールに一言手書きでメッセージが添えられていることもある。

スターバックスの人気は仕事の役割はしっかりこなして、なお自分の個性はことばと表情に表現するということかと感じている。ルールやきまりはしっかりとベースにはあるがそれを運用する時に自分の頭で考えて行動しなさいということか。何でもないことだがことばで伝えないと何も伝わらないし、たったこのことひとつでガラッと変わる。同じコーヒーでも値段が高くてもそれ以上の価値だと思わせるものは自分が思うに「人の力」であった。