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村の人々

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バルセロナ郊外の小さな村の家具修復工房に訪れる村人たち。おかしな人から最高に素敵なお客様、ベテラン同業者からアーティスト仲間まで いろんな人をご紹介
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#家具修復

テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました  真面目に解説編

テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました 真面目に解説編

今日はちょっと番外編的な。
テレビに出ちゃったよっていうお話。

突然のお話

先週日曜日、関西地区で放送された「グッと地球便」に出演いたしました。

時間をさかのぼること、あれは夏前くらいだったかなあ。
番組スタッフの方からメールを頂き
海外在住の日本人候補としてお話したいと言われました。
電話でなんとなくどんな生活をしてるか、とか仕事の内容を話しましたが、なんかめちゃマニアックな木の話とかして

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警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

最近、警察関係の話が続きます。
前回の盗難届とは打って変わって平穏な話なのでご心配なく。

いつものように工房で作業をしていると制服の警察官が2人入ってきた。
何も悪いことはしてないんだけどちょっとドキドキしてしまうのは
前回警察官が工房に来た時は、
オープン直後でまだガレージの駐車禁止マークがついたままで
もう車両出入りはないんだから駐車禁止マークを外しなさいと言われた時だったので。

ガレージ

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チャビにハグを

チャビにハグを

今月は、休み前に入ったお仕事がたっぷりあって忙しく楽しい。
朝からさっさと作業に入りサクサクと進めていく感じが妙に楽しい。

そんな楽しい朝、作業してると誰かが工房に入ってきた。
「hola〜、今忙しい?ちょっと時間ある?」
と、(珍しく)控えめに入って来たのは近所のバイク屋チャビィ。

いつもはいきなりガラスをバシバシ叩いたり
ドアを開けて「バァー!」って言ってピンポンダッシュみたいに去って行っ

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60個のボタンに込めた姉妹愛

60個のボタンに込めた姉妹愛

ウベコ工房が気に入ってるアイデアの中に、縮緬端切れで作ったくるみボタンがあります。

チェスター風に椅子を張ったりする時のボタンにしようと思いつき、デニム地にこの色華やかなくるみボタンを合わせてみたりしてます。

ちりめんくるみボタンでデニム張ったチェアのエピソードはこちら↓

その時に余った素材で小さな額を作り、サンプル感覚で店に飾ってあります。

ある日、それを見たお客様が飛び込んできて、

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おばあちゃん集会でロッキングチェア

おばあちゃん集会でロッキングチェア

嬉しい再会がありました。
かわいい憧れのおばあちゃん・ウルスラがまた工房に来てくれました。

ジブリ実写版なおばあちゃんとの出会いはこちら⤵︎

今回は
ロッキングチェアを探していると言う問い合わせ。

この仕事をしていると時々こんなことが起こるんですが、
実はこの日の午前中、
要らなくなったので家具の引き取り手を探していると言う男性が来たところで、
その家具の中にロッキングチェアがあったのです!

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ロルカを殺した男

ロルカを殺した男

今日はまだ不調から完全に復旧してないので
しっかりゆっくり休憩と言うことで
工房の机に座ってこの日記を書きながらボカタ食べてました。
すると画家のモイセがやってきて
娘さんが秋に日本へ行くことになったから
来週、彼女を連れて来るよって。
言いに来ました。

モイセはグラナダ出身の画家で
芸術、歴史、宗教などについて物凄い知識を持っています。
来るたびに何か教えてくれるので話は長くなるけどユーモアも

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グラナダ生まれの絵描きさん・モイセ

グラナダ生まれの絵描きさん・モイセ

工房をオープンして素敵だったことの一つが、たくさんのアーティストさんに出会えたことです。
工房の内装はとてもシンプル。
白壁に一本だけある柱をちょっと控えめな赤で塗って
少し日本の国旗を思わせるようにしたけれど
あとは着物や家具が彩ってくれるので、心掛けているのは色のバランスだけです。
外から色とりどりの着物がガラス越しに見えて
着物に少ないグリーンを植物で補充して
着物に使われるトーンや家具の温

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ウクライナ語は分かりません

ウクライナ語は分かりません

夏場はドアを開けっぱなしにしているので
誰か来てもドアに付けてる鈴が鳴らず
顔を上げたらお客さんいてびっくり
なんてことがよくあります。

今日もまた、作業しててふと顔をあげたら、ぷくっとした可愛らしい顔のおばちゃんが嬉しそうに立っていました。

「わたしウクライナ人なの。ここはナントカナントカ(ウクライナ語らしい)ナントカなアンティークかしら?」

聞こえた言葉をキャッチして
「そうそう、アンテ

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ジブリなおばあちゃん実写版!!

ジブリなおばあちゃん実写版!!

ある日、工房に
アリエッティに出てきそうなおばあちゃんがいらっしゃいました。
小柄で華奢で小綺麗で、アリエッティの歳ではないですけど、
ふとあの小人物語を連想してしまいました。

「家にある鏡が要らなくなったので売りたいんだけれど、誰か鏡欲しい人知らない?」
って言うお話でした。
こう言う場合は一応写真を送ってもらって、欲しい人が現れたら繋げる、
なんてこともします。

おばあちゃんは歩行器を押し

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ご近所さんシリーズ:バイク命のチャビ本さん

ご近所さんシリーズ:バイク命のチャビ本さん

後に工房となるこの場所を契約してまだファザードも付いてなかった頃。

ガラスのファザードのドタバタストーリーはこちら↓

ブブーンとバイクにまたがって現れたのはご近所でも一番キャラの濃いチャビィ。「Hola〜ここ使うの?何するの?」今思えば、超野次馬(笑)なのでチャビィが近所の新入りに声をかけるのは当然な話かも。

「そっか〜この場所、俺にも話があったんだよねぇ〜。買わないかって。でももう二店舗あ

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ご近所さんシリーズ:ファッションマスターお隣のマダム・リディア

ご近所さんシリーズ:ファッションマスターお隣のマダム・リディア

住んでいるお家にご近所さんがあれば、当然仕事場にもご近所さんがおりますわけで。

工房のご近所さんを紹介していこうかと思います。
なんだかんだ、名前は知らずとも顔を合わせる機会が一番多いのって
実は家族や友達よりご近所さんだったりします。
うちはガラス張りなので前を通るご近所さんと毎日ご挨拶しています。
魔女の宅急便で、キキが前を通るデザイナーさんにはにかみながら挨拶するシーンを思い出したりして・

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自分にしかできない仕事・魔女の宅急便に教えてもらった見つけ方 ウベコ工房自己紹介

自分にしかできない仕事・魔女の宅急便に教えてもらった見つけ方 ウベコ工房自己紹介

私は現在、スペイン・バルセロナの郊外の小さな町でアンティーク家具の修復工房を運営しています。
工房をオープンして一年が経ち、少しずつ町にも馴染み、お客さんも増えてきました。
スペインで暮らすようになって今年で19年。
40歳でやっと「これが私の仕事」と心から言える仕事を得ました。
これまでにも様々な仕事を日本やスペインで経験してきましたが
今感じている、「これ!」という感覚は一度も感じたことはあり

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家具屋に必須!積載ゾーン物語

家具屋に必須!積載ゾーン物語

うちの工房の場所、もともとはガレージでした。
前の持ち主はジャガーとクラシックワーゲンを悠々と2台駐車するのに使っていたそうです。
80㎡なのに!
贅沢!!
そのため、工房の前は車両の出入り口”VADO”として駐車禁止になっていました。

ーースペインミニ知識 VADO積載ゾーンーー
VADO: es un permiso municipal que permite invadir el espa

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村で出会った仲間たち Vol.1

村で出会った仲間たち Vol.1

家具修復工房をオープンするにあたり
多分一番心配だったことが
TAPICERIAという椅子などの布張り半同業者をライバルにしたくないというところでした。

半同業者とはいうものの、私が修行したフリアの工房は分業制で
家具の木の部分や塗装、組み立てなどは全部私たちがしていましたが
椅子の布張り、籐編み(トーネットチェアの座面などのアミアミ)、金属部の研磨、ガラス職人などは
近所にあるそれぞれの専門職

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