- 運営しているクリエイター
#日記
雨晴海岸の宵 節目のない十年目
2011年秋、雨上がりの雨晴海岸の夕暮れ。
車が一台も停まっていない海岸駐車場は、太陽の照り返しを受けて輝いていた。
日本人にしては脚が不調和に長い本庄さんの背を追いながら、私は寿司屋に向かって足早に歩いていた。本庄さんは時々、そのゴルフ焼けした顔にて振り返り、私が付いてきていることを確認していた。
その寿司屋は、注意しながら探さないと民家と間違えるような外見の建物であった。
『『百年の孤独』を代わりに読む』を読む読書会の記憶 ー 2018.8.11(土)
蔵前のH.A.Bookstoreを6月末に改めて訪ねた際に、店主の松井さんから声を掛けてもらったのがきっかけだった。
「読書会って、興味ありませんか?」
私はてっきり松井さんが主催される読書会へのお誘いかと思い、何を読むんだろうかと想像しながら、「いいですね! 時々読書会行きますよ」と答えたのだが、『代わりに読む』の読書会をやりませんか?という提案だった。
8月の上旬、お盆休みに入る土曜日の
一生消えなくてもいいくらいの言葉にはまだ出会っていない
小学生の頃、私の父となった人には刺青が入っていた。両肩から二の腕にかけて丸々と太った朱と藍の鯉、背中にはなぜか河童。当時の彫り師の腕が相当立ったのか。本来なら滑稽にもなりかねないはずの河童が実に雄々しく男前に描かれていた。素肌に直接色とりどりの装飾を纏ったその男が誰のお父さんとも違うことは子供の目にも明らかだった。
新しい父との生活は緊張の連続であった。どうにかしてこの男に取り入らなければ日々お
食えない音楽家。五枚の源泉徴収票の先の、体当たりの自由まで。
わたしの机には、5つの会社から届いた源泉徴収票が揺らめいていた。
さて、さて。
これは昨年、5つの会社で働かせてもらっていたという事を意味している。当たり前だけれど。(※これは2016年初頭の執筆記事。)
週7日なにかしら働いて、夜は演奏して、
帰宅するとレッスンの準備をして、
ひと月10万円程度。
「前田サンって何が趣味なのー?」
「音楽をやっています」
「あら、食べられないから
タヤマの客観的日誌3 怒り
先日タヤマが珍しく怒りました。
そのことをお話しします。
舞台芸術の団体を束ねる方と話したときのことです。
その日は3人でカラオケに行き、タヤマの家で朝まで酒を飲みながら話しました。
その方はとても長いこと舞台やテレビ、ショーなど人前に出る仕事をやっていて、プロフェッショナルとしての覚悟を持って生きている人です。
彼は、素人が芸事をやってお金を取るというのは許せないと言いました。
自分たち