友田とん

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友田とん

作家・編集者。ひとり出版社・代わりに読む人 代表。こちらに移転しました→ https://www.tomodaton.com/profile/

マガジン

  • 『百年の孤独』を代わりに読む

    ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』をゆっくりと読んでいきます。月1回更新予定です。

  • 友田とんが勝手に歩くー『百年の孤独を代わりに読む』行商旅日記

    『『百年の孤独』を代わりに読む』を直接手に取ってもらうため、著者が勝手に日本各地を訪ね歩く行商旅行記です。しかし、行商旅日記のはずが、ついつい話が関係ないことや、読んでいる本、食べたものなどに脱線していきます。

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    別冊代わりに読む人 試行錯誤4

    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。「私は必要に迫られて、ノートの片隅に間取りを書くことで、その方法を再発見/再発明したのだ。それは道具を手に入れるというよりも、体に目や耳に加えてもう一つの新しい感覚器が生まれてきたような感覚で、それは私の体が拡張された感じなのだ。何かを自分で見つけたと思っても、大抵のことはすでに発見/発明されたことの再現にすぎない。しかし、取り組む人が必要に迫られて発見/発明し直しているその過程には読むべきもの(例えば発見の喜び)が必ず現れていると思う。期せずして、『試行錯誤4』に収められた文章は、再発見/再発明の過程にみちている。」(巻頭言「再発見・再発明」より)目次・巻頭言「再発見・再発明」・陳詩遠 なにがなんだか「祭典・採点」・わかしょ文庫 大相撲観戦記「大関の書いた小説を探して」・スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する「暑い銀座のドイツビール」・伏見瞬 蓮實重彥論「書籍版『蓮實重彥論』の構想をそろそろ本気で考えてみる」・友田とん 取るに足らないものを取る「ワークショップ」内容紹介◎陳詩遠 なにがなんだか「祭典・採点」昨夏東京で開催され、著者が採点アルバイトとして参加した国際物理オリンピックの採点(祭典)記。できる限り好意的に解釈して中間点を与える運用方針のもと各国の高校生の大量の答案を採点するうちに、未踏の境地を発見する。◎わかしょ文庫 大相撲観戦記「大関の書いた小説を探して」大相撲に熱中するためには、横綱・大関は強いのだというファンタジーが必要だ。これを取り戻そうとして、大相撲の歴史を辿りはじめると、思わぬ事実に当たる。◎スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する「暑い銀座のドイツビール」『細雪』にも出てくるという銀座のレストランで母と一緒に昼食をとってから帰り着いた大阪で、谷崎の小説を読むと、大地震のことが書いてあって……。◎伏見瞬 蓮實重彥論「書籍版『蓮實重彥論』の構想をそろそろ本気で考えてみる」「あの」蓮實重彦像がいつできたものか。それを明らかにするためにはどうすればいいのか。書籍化に向けて具体的なステップを書き出し、与えられた時間と作業量から検討していく。◎友田とん 取るに足らないものを取る「ワークショップ」ワークショップの準備のため、集めてあった可笑しなことの写真を振り返っていくうちに、可笑しなことの見つけ方を再発見していく。[書誌情報]定価 1,000円+税文庫判76頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年9月発行所:un poco / 代わりに読む人発行部数:350部
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    試行錯誤3 別冊代わりに読む人

    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。「文芸雑誌『代わりに読む人』よりもずっと小さくはじめた別冊『試行錯誤』の3号目がようやく完成しました。これまで通り、わかしょ文庫さんの「大相撲観戦記」、伏見瞬さんの「蓮實重彥論」、陳詩遠さんの「なにがなんだか」、友田とんの「取るに足らないものを取る」のエッセイや批評の連載に加えて、今号からスズキナオさんの「谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する」が始まりました。/最近、よく考えるのですが、つづけていくことで、はじめてできあがってくるものがあります。だから、連載という形で試行錯誤してもらえる小さな発表の場所をつづけていきたいと思います。何より、私自身が著者と並走し、何かができあがってくる様子を目撃していたいという気持ちがあります。読者の皆さんにもぜひ一緒にそれを見守り、またご自身でも何かを調べ、書き綴っていただけたらと思います。」(巻頭言「新しい仲間、つづけていくこと」より)目次わかしょ文庫 大相撲観戦記 「相撲に熱中できない 寺山修司の世界からやってきたお相撲さん」【新連載】スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する 「生家の跡地でしゃぶしゃぶを」伏見瞬 蓮實重彥論 「蓮實重彥と生活する」陳詩遠 なにがなんだか 「走ることで金を失うことから身を守っている・他1編」友田とん 取るに足らないものを取る 「事務所、借りるかもしれない」[書誌情報]定価 1,000円+税文庫判86頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年6月発行所:un poco / 代わりに読む人発行部数:350部出版元サイト:https://www.kawariniyomuhito.com/unpoco003-trial-and-error03/
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    試行錯誤2(別冊代わりに読む人)

    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。目次:・伏見瞬 蓮實重彥論 「『リュミエール』から読む「過去の現在化」・わかしょ文庫 大相撲観戦記 「大相撲を観るようになったわけ」・陳詩遠 なにがなんだか 「詩情、歯茎に埋もれて」・友田とん 取るに足らないものを取る 「流星のごときケーキの手提げ」「文芸雑誌『代わりに読む人』の別冊「試行錯誤」は、年に数回、文芸に新しい視点と言葉をもたらす試行錯誤の「実験室」である。ここに、第2号をお届けする。だが、この第2号というのがなんとも居心地の悪いものだ。第1号という、新しいものが始まりそうだという新鮮さもなければ、なんだかよくわからないが目出度い、祝っておこうという祝儀も期待できない。(中略)ただ、1号と2号があればその二つの間の差異というものを考えることができる。点と点を線で結ぶ。それは1号だけではありえない。祝祭が終わってもじっとその場にとどまり、差異や変化を観察する。それこそが2号の役割かもしれない。差異を見て考える。まさに実験である。意外にも、2号というのは実験室に相応しいものかもしれないという気さえしてくるではないか。そもそも、そうした時間を持ちたくて、『試行錯誤』を作り始めたはずだ。実験はまだ始まったばかり。」(巻頭言「2号目の居心地」より)内容紹介◉ 伏見瞬 蓮實重彦論 「『リュミエール』から読む「過去の現在化」」蓮實自身が責任編集を務めた『季刊リュミエール』に寄せたD・W・グリフュス論を読み解き、「過去」を「現在」として呼び起こすという映画の持つ性質を、蓮實の文章や対談の中からも、活き活きと浮かび上がらせていく。 ◉ わかしょ文庫 大相撲観戦記 「大相撲を観るようになったわけ」誰かが観なければ「世界の均衡が崩れてしまう」、少なくともわたしは見届けよう。著者がそう思った頃に、大相撲を必要としていた理由を振り返りつつ、前回に続き「知れば知るほど不思議な力士の世界」を川柳に詠む。 ◉ 陳詩遠 なにがなんだか 「詩情、歯茎に埋もれて」研究が順調すぎて忙しくするあまり、詩情を失っていた物理学者の著者に突然文章が書けるようになる体験が訪れて、物理と哲学のあいだを行き来する思考へと至る。 ◉ 友田とん 取るに足らないものを取る 「流星のごとケーキの手提げ」最近、事務所を借りた著者は、日々決まった時刻に歩いて通勤するようになったことをきっかけに目に飛び込んできた人や物を書き留め、想像を膨らませる。文庫判60頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年3月発行所:un poco / 代わりに読む人
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    別冊代わりに読む人 試行錯誤4

    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。「私は必要に迫られて、ノートの片隅に間取りを書くことで、その方法を再発見/再発明したのだ。それは道具を手に入れるというよりも、体に目や耳に加えてもう一つの新しい感覚器が生まれてきたような感覚で、それは私の体が拡張された感じなのだ。何かを自分で見つけたと思っても、大抵のことはすでに発見/発明されたことの再現にすぎない。しかし、取り組む人が必要に迫られて発見/発明し直しているその過程には読むべきもの(例えば発見の喜び)が必ず現れていると思う。期せずして、『試行錯誤4』に収められた文章は、再発見/再発明の過程にみちている。」(巻頭言「再発見・再発明」より)目次・巻頭言「再発見・再発明」・陳詩遠 なにがなんだか「祭典・採点」・わかしょ文庫 大相撲観戦記「大関の書いた小説を探して」・スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する「暑い銀座のドイツビール」・伏見瞬 蓮實重彥論「書籍版『蓮實重彥論』の構想をそろそろ本気で考えてみる」・友田とん 取るに足らないものを取る「ワークショップ」内容紹介◎陳詩遠 なにがなんだか「祭典・採点」昨夏東京で開催され、著者が採点アルバイトとして参加した国際物理オリンピックの採点(祭典)記。できる限り好意的に解釈して中間点を与える運用方針のもと各国の高校生の大量の答案を採点するうちに、未踏の境地を発見する。◎わかしょ文庫 大相撲観戦記「大関の書いた小説を探して」大相撲に熱中するためには、横綱・大関は強いのだというファンタジーが必要だ。これを取り戻そうとして、大相撲の歴史を辿りはじめると、思わぬ事実に当たる。◎スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する「暑い銀座のドイツビール」『細雪』にも出てくるという銀座のレストランで母と一緒に昼食をとってから帰り着いた大阪で、谷崎の小説を読むと、大地震のことが書いてあって……。◎伏見瞬 蓮實重彥論「書籍版『蓮實重彥論』の構想をそろそろ本気で考えてみる」「あの」蓮實重彦像がいつできたものか。それを明らかにするためにはどうすればいいのか。書籍化に向けて具体的なステップを書き出し、与えられた時間と作業量から検討していく。◎友田とん 取るに足らないものを取る「ワークショップ」ワークショップの準備のため、集めてあった可笑しなことの写真を振り返っていくうちに、可笑しなことの見つけ方を再発見していく。[書誌情報]定価 1,000円+税文庫判76頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年9月発行所:un poco / 代わりに読む人発行部数:350部
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    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。「文芸雑誌『代わりに読む人』よりもずっと小さくはじめた別冊『試行錯誤』の3号目がようやく完成しました。これまで通り、わかしょ文庫さんの「大相撲観戦記」、伏見瞬さんの「蓮實重彥論」、陳詩遠さんの「なにがなんだか」、友田とんの「取るに足らないものを取る」のエッセイや批評の連載に加えて、今号からスズキナオさんの「谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する」が始まりました。/最近、よく考えるのですが、つづけていくことで、はじめてできあがってくるものがあります。だから、連載という形で試行錯誤してもらえる小さな発表の場所をつづけていきたいと思います。何より、私自身が著者と並走し、何かができあがってくる様子を目撃していたいという気持ちがあります。読者の皆さんにもぜひ一緒にそれを見守り、またご自身でも何かを調べ、書き綴っていただけたらと思います。」(巻頭言「新しい仲間、つづけていくこと」より)目次わかしょ文庫 大相撲観戦記 「相撲に熱中できない 寺山修司の世界からやってきたお相撲さん」【新連載】スズキナオ 谷崎潤一郎のことを考えながら散歩する 「生家の跡地でしゃぶしゃぶを」伏見瞬 蓮實重彥論 「蓮實重彥と生活する」陳詩遠 なにがなんだか 「走ることで金を失うことから身を守っている・他1編」友田とん 取るに足らないものを取る 「事務所、借りるかもしれない」[書誌情報]定価 1,000円+税文庫判86頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年6月発行所:un poco / 代わりに読む人発行部数:350部出版元サイト:https://www.kawariniyomuhito.com/unpoco003-trial-and-error03/
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    『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイや批評を集めています。目次:・伏見瞬 蓮實重彥論 「『リュミエール』から読む「過去の現在化」・わかしょ文庫 大相撲観戦記 「大相撲を観るようになったわけ」・陳詩遠 なにがなんだか 「詩情、歯茎に埋もれて」・友田とん 取るに足らないものを取る 「流星のごときケーキの手提げ」「文芸雑誌『代わりに読む人』の別冊「試行錯誤」は、年に数回、文芸に新しい視点と言葉をもたらす試行錯誤の「実験室」である。ここに、第2号をお届けする。だが、この第2号というのがなんとも居心地の悪いものだ。第1号という、新しいものが始まりそうだという新鮮さもなければ、なんだかよくわからないが目出度い、祝っておこうという祝儀も期待できない。(中略)ただ、1号と2号があればその二つの間の差異というものを考えることができる。点と点を線で結ぶ。それは1号だけではありえない。祝祭が終わってもじっとその場にとどまり、差異や変化を観察する。それこそが2号の役割かもしれない。差異を見て考える。まさに実験である。意外にも、2号というのは実験室に相応しいものかもしれないという気さえしてくるではないか。そもそも、そうした時間を持ちたくて、『試行錯誤』を作り始めたはずだ。実験はまだ始まったばかり。」(巻頭言「2号目の居心地」より)内容紹介◉ 伏見瞬 蓮實重彦論 「『リュミエール』から読む「過去の現在化」」蓮實自身が責任編集を務めた『季刊リュミエール』に寄せたD・W・グリフュス論を読み解き、「過去」を「現在」として呼び起こすという映画の持つ性質を、蓮實の文章や対談の中からも、活き活きと浮かび上がらせていく。 ◉ わかしょ文庫 大相撲観戦記 「大相撲を観るようになったわけ」誰かが観なければ「世界の均衡が崩れてしまう」、少なくともわたしは見届けよう。著者がそう思った頃に、大相撲を必要としていた理由を振り返りつつ、前回に続き「知れば知るほど不思議な力士の世界」を川柳に詠む。 ◉ 陳詩遠 なにがなんだか 「詩情、歯茎に埋もれて」研究が順調すぎて忙しくするあまり、詩情を失っていた物理学者の著者に突然文章が書けるようになる体験が訪れて、物理と哲学のあいだを行き来する思考へと至る。 ◉ 友田とん 取るに足らないものを取る 「流星のごとケーキの手提げ」最近、事務所を借りた著者は、日々決まった時刻に歩いて通勤するようになったことをきっかけに目に飛び込んできた人や物を書き留め、想像を膨らませる。文庫判60頁、並製本表紙用紙:アラベールスノーホワイト110kg 、本文用紙:上質紙70Kg発行年月:2024年3月発行所:un poco / 代わりに読む人
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友田とん(作家・編集者) の活動

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    • 『百年の孤独』を代わりに読む 行商旅日記 九州編(2019年2月 東京〜福岡〜長崎〜東京)

      2019年2月8日 遠征前夜  明日は雪が降るのだと予報が言う。果たして明日のトークイベントにたどり着けるだろうか。読書会を開いてもらった時も文フリのようなイベントの時も、せっかく来てもらうのだから何か持ち帰ってほしい。それは私がお話しするわかったような、わからないような、なんの話なんだかよくわからない話の、その可笑しさや本をまた読もうというような気持ちでもいい。もちろんそれでいいのだけれど、物理的にも何か持ち帰ってほしいと思う。読書会では栞を作ったし、秋の文フリでは『月報

      • わかしょ文庫著『ランバダ』(わかまつ書房)

        「祖父の葬式のことを思い出していた。祖父は五年前、農作業中に祖母に車で轢かれて亡くなった。」  偶然ツイッターで冒頭の数行を読んだ瞬間、これは読まなくてはならない文章だと咄嗟に思った。そこには、祖父が祖母に轢かれてしまうというあまり耳にしない不幸を好んで読む悪趣味な私がいたのかもしれない。だが、文フリの会場で読み、あらためて確信を得た。私だけではない。これはもっと広く読まれるべき文章であると。ところが、読みだすと止まらないのに、それを文章で説明しようとすると途端にわからなく

        • 岡啓輔『バベる! 自力でビルを建てる』 ーそのどうかしている挑戦

          港区三田に鉄筋コンクリートのビルを自力で建てようと決心した岡啓輔はこう考えた。 「三年くらいあれば建てられるだろう」 ところがかれこれ建設が始まって十年以上が経過したが、完成には至っていない。岡氏の挑戦を知ったのはたしかほぼ日刊イトイ新聞に掲載された対談だった。以来、私の頭の片隅には建設中のあのビルが聳え立っていた。本書、岡啓輔『バベる! 自力でビルを建てる』(筑摩書房)はそのビル建設を試みる氏の記録だ。 どうかしているんじゃないかという無謀な挑戦が好きだ。私もコンピュータ

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        • 『百年の孤独』を代わりに読む
          6本
        • 友田とんが勝手に歩くー『百年の孤独を代わりに読む』行商旅日記
          6本

        記事

          『『百年の孤独』を代わりに読む』を読む読書会の記憶 ー 2018.8.11(土)

          蔵前のH.A.Bookstoreを6月末に改めて訪ねた際に、店主の松井さんから声を掛けてもらったのがきっかけだった。 「読書会って、興味ありませんか?」 私はてっきり松井さんが主催される読書会へのお誘いかと思い、何を読むんだろうかと想像しながら、「いいですね! 時々読書会行きますよ」と答えたのだが、『代わりに読む』の読書会をやりませんか?という提案だった。 8月の上旬、お盆休みに入る土曜日のことだった。松井さんの告知文が熱かった。当日、テンションがあがった私は、どんな人

          『『百年の孤独』を代わりに読む』を読む読書会の記憶 ー 2018.8.11(土)

          友田とんが勝手に九州も歩く DAY2

          「友田とんが勝手に九州も歩く」DAY1 のつづきです。 2018.9.17 熊本 熊本のホテルも温泉があった。というよりも温泉のあるホテルを選んでいるのだった。このホテルの温泉は二階にあった。入浴して着替えると朝食に行った。朝食会場が混雑していたので、ロビーのソファーで『本を贈る』の藤原隆充さん(藤原印刷)の章を読んだ。心刷(しんさつ)という言葉が生まれた経緯をはじめて知った。と思って部屋に戻ったら、ちょうど、昨日『本を贈る』を開くといい香りがすると書いたことに対して、

          友田とんが勝手に九州も歩く DAY2

          友田とんが勝手に九州も歩く DAY1

          2018.9.16(日)東京「勝手に東北を歩く」の推敲をしながら、福岡へ向かう。と言っても、スーツケースを引いたままの電車や、離着陸の間はPCが使えないので、昨日買った『A子さんの恋人』の第5巻を読まざるをえない。 『A子さんの恋人』 5巻 NYから帰国してあと2ヶ月で一年が経つ。A子さんもA太郎も、A君もみな暮らしの中で、ふとその場所や状況から、出会った頃、デビューした頃、付き合っていた頃を思い出し、思い出しては日常を暮らしていく。A子さんは、長年心に引っかかっていたデ

          友田とんが勝手に九州も歩く DAY1

          「見る」を見る/植本一子『フェルメール』

          点在するフェルメールの全作品をカメラにおさめるために、世界の美術館を一度に巡った記録だと聞いて慌てて私は本書を手にとった。植本一子『フェルメール』(ナナロク社・Bluesheep)は彼女が撮影したフェルメールの写真とそれを巡る旅のエッセイから構成される。彼女は現存するフェルメールの35の作品を弾丸のように旅してカメラに収めていく。特長は彼女が絵だけでなく、その細部やそれが掲げられた空間、それを見る人たちを撮っている点にある。絵の前に立ち絵を眺める人がいることで、絵の中の女がこ

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          友田とんが勝手に東北を歩く DAY2

          「友田とんが勝手に東北を歩く」DAY1 のつづきです。 2018.9.2 (日)秋田寝坊してしまった!と目が覚めた。分厚いカーテンの向こう側には高く太陽が登っているのではないかと焦って、iPhoneをひらくとまだ4時だった。少し早いが、起き出して、コップに入れた水を飲む。今朝はドリアの胸焼けはない。 ビジネスホテルを選ぶとき、つい温泉のあるホテル、大浴場のあるホテルを選んでしまう。大きな風呂は気持ちがいい。エレベータで最上階に上がり、風呂に入る。体を洗い、湯船に浸かってい

          友田とんが勝手に東北を歩く DAY2

          友田とんが勝手に東北を歩く DAY1 (東京-秋田)

          2018.9.1 (土)東京目が覚めたら5時だった。今日は午後に秋田へ向かう。昨晩食べた、近所のサイゼリアのミラノ風ドリアで胃がもたれている。ベッドから起き上がり、コップの水を飲む。おもむろに玄関に積み上げられた在庫の段ボールの前に立つ。包みを破いて、『『百年の孤独』を代わりに読む』を20冊くらい検品する。そして、一冊ずつにスリップを挿していく。スリップは自分で印刷してあらかじめ短冊状にカットしておいたものだ。なるだけ、ドリフや田村正和や、そしてがまくんとかえるくんの写真の位

          友田とんが勝手に東北を歩く DAY1 (東京-秋田)

          書き写すことでしか言い表せない時がある

          この人のつくってくれたご飯を食べたことがある。本書『読書の日記』(NUMABOOKS)を下北沢のB&Bで手に入れ、イベントが始まるまでの間、読みはじめた瞬間、真っ先に思ったのはそのことだった。本を読んでいてそんなことを思ったことはなかった。 というのも著者である阿久津隆は本読みには言わずと知れた初台のfuzkue店主であり、私はかねてからfuzkueに通ってきた。彼は本の読める店を営み、彼もまた本を読み続ける。本書はその日記、一年分である。彼は本を読み、野球について語り、試

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          書籍版「『百年の孤独』を代わりに読む」をstores.jpで販売開始しました

          【お知らせ】BOOTHからstores.jpにネット通販を移転しました。(2019/07/14) 2018年5月6日開催の文学フリマ東京にて頒布いたしました拙著「『百年の孤独』を代わりに読む」をstores.jpで販売開始しました。ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読者の代わりに読むというnoteでの四年にわたる連載(1〜17章)に新たに18〜20章を書き下ろした全20章です。 文フリで「『百年の孤独』を代わりに読む」のブースに多数ご来店、ご購入いただきありがとうござい

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          第17回 如何にして岡八郎は空手を通信教育で学んだのか?

          【前回までのあらすじ】 バナナ農園のストライキが労働争議と駅前での大虐殺という最悪な結果を迎えて以来、マコンドに雨が降り続いた。アウレリャノ・セグンドはペトラ・コテスと愛を交わそうとして、「そんなことしてる時じゃないわ」と拒まれた。屋敷の周りを埋蔵金を求めて掘り返すばかりで、家のことは任せっきりの彼に、フェルナンダは堪忍袋の緒が切れた。代わりに読む「私」は「そんなことしてる時じゃないわ」という言葉を手掛かりに、感動のあまりコピーせざるを得ない私たちについて思索を巡らせた。

          第17回 如何にして岡八郎は空手を通信教育で学んだのか?

          第9回 マコンドいちの無責任男

          【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます。 前回までのあらすじ:自由を求めて幾度も戦乱をくぐり抜けてきたアウレリャノ・ブエンディア大佐とマコンドの人たちだったが、二十年近くに及ぶ戦争ですっかり疲弊していた。 「戦いのむなしさを最初に意識したのは、ヘリネルド・マルケス大佐だった」。彼は「市長兼司令官として、…週に二回はアウレリャノ・ブエンディア大佐と電信で話し合った」。最初のうちは状況や決定は具体的だったし、「アウレリャノ・ブエンディア大佐には親近感を抱か

          ¥100

          第9回 マコンドいちの無責任男

          第2回 彼らが村を出る理由

          第1章はマコンドを開拓した若き族長ホセ・アルカディオ・ブエンディアがジプシーたちの持ち込んだ発明品にはまるあまり、妻や子供をほっぽりだして、文明との接触を目指し引越しを画策するも、やがて落ち着いてマコンドに腰を据えるという話だった。第2章は、彼らがもといた村を去らねばならなかったいきさつ、マコンドに住むものがマコンドを出て行く理由を中心に話が進んでいく。今回はこのメインストリームをたどりながら、その時々に彼らが遭遇するありえない出来事とその応じ方の可笑しさについて見ていきたい

          第2回 彼らが村を出る理由

          第1回 引越し小説としての『百年の孤独』

          ホセ・アルカディオ・ブエンディアの一族が海から遠く離れた内陸の土地にマコンドという村を開拓し、繁栄させ、百年の後に村も一族も滅んでしまう。大雑把に言えば『百年の孤独』はその一族と村の年代記である。しかし、それを知ったところで『百年の孤独』を体験したことにはならない。この文章では、大雑把なあらすじとは対極のこと、細かいところに拘りながら読み進めたいのだ。なにしろ、可笑しなことは細部に宿るのだ。町を繁栄させるのも、滅ぼすのも、国家を転覆しうるものもやはり最初は細部に宿ったはずだか

          第1回 引越し小説としての『百年の孤独』