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『百年の孤独』を代わりに読む

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ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』をゆっくりと読んでいきます。月1回更新予定です。
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書籍版「『百年の孤独』を代わりに読む」をstores.jpで販売開始しました

【お知らせ】BOOTHからstores.jpにネット通販を移転しました。(2019/07/14) 2018年5月6日開催の文学フリマ東京にて頒布いたしました拙著「『百年の孤独』を代わりに読む」をstores.jpで販売開始しました。ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読者の代わりに読むというnoteでの四年にわたる連載(1〜17章)に新たに18〜20章を書き下ろした全20章です。 文フリで「『百年の孤独』を代わりに読む」のブースに多数ご来店、ご購入いただきありがとうござい

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「『百年の孤独』を代わりに読む」が文フリ出店します

この度、noteにて約四年をかけ連載してきました「『百年の孤独』を代わりに読む」がついに完成いたしました。5/6 文学フリーマーケット東京 (@東京流通センター)にて頒布いたします。出店時間は5/6(日) 10:00〜17:00 ブースは2F左奥 カ-38です。ぜひ連休最終日、お立ち寄りください。 A4版、204ページ(一部カラー) 頒布価格 1,000円 これまでにnoteに掲載した0章から17章に加え、新たに18章から20章を書き下ろしています。読者の代わりにガブリエ

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第17回 如何にして岡八郎は空手を通信教育で学んだのか?

【前回までのあらすじ】 バナナ農園のストライキが労働争議と駅前での大虐殺という最悪な結果を迎えて以来、マコンドに雨が降り続いた。アウレリャノ・セグンドはペトラ・コテスと愛を交わそうとして、「そんなことしてる時じゃないわ」と拒まれた。屋敷の周りを埋蔵金を求めて掘り返すばかりで、家のことは任せっきりの彼に、フェルナンダは堪忍袋の緒が切れた。代わりに読む「私」は「そんなことしてる時じゃないわ」という言葉を手掛かりに、感動のあまりコピーせざるを得ない私たちについて思索を巡らせた。

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第16回 どうして僕らはコピーしたいのか?

【前回までのあらすじ】 工場の不当な扱いに労働者たちは蜂起したが、駅前の大虐殺で一掃された。ホセ・アルカディオ・セグンドは死体の山の上で目を覚まし町に戻ってくるが、大虐殺のことを誰も覚えていない。圧倒的な体験の拠り所を失った時、私たちはいったいどうすればいいのか? 代わりに読むの原点である「それでも家を買いました」のあのシーンを見つけられなかった「私」は、ドーナツ屋の闘いを思い出し、より普遍的な方法を探し求める決意をする。 駅前の大虐殺の後からマコンドに降りはじめた雨は「四

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第15回 ビンゴ

【前回までのあらすじ】クラビーコードの学校を卒業し屋敷に戻ったメメはマウリシオ・バビロニアと出会い密かにデートを重ねるが、母に密会がばれ屋敷に軟禁されてしまう。バビロニアは彼女の元へ夜毎忍び込んでいたが、母フェルナンダが頼んだ警備隊に背中を撃たれ寝たきりのまま一生を過ごした。私はメメをドラマで様々な役を演じる小泉今日子に重ね合わせた。 フェルナンダは「背骨を砕かれたマウリシオ・バビロニアが運びだされると同時に、この不祥事をもみ消すための計画を綿密にねり上げた。」(p.340

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第14回 メメに何が起こったか

「『百年の孤独』を代わりに読む」 ※無料で最後まで読めます。 【前回までのあらすじ】 長老のウルスラは失明し、ブエンディア家の子供たち、ホセ・アルカディオは法王修行、メメはクラビーコードの学校へ旅立った。物語の改変を企てるも観念した私はアウレリャノ・ブエンディア大佐の死に直面し、再び無力さを噛みしめていた。 「メメの最後の休暇は、アウレリャノ・ブエンディア大佐の死による喪と偶然かさなった」。「フェルナンダは、…みんなにきびしく喪を守らせ」ながら、彼女とアウレリャノ・セグン

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第13回 物語を変えることはできない

「『百年の孤独』を代わりに読む」 本文は無料で読めます。投げ銭していただいた方には、最後にちょっとしたおまけがあります。 【前回までのあらすじ】 バナナ・プランテーションの活況に沸くマコンドに汽車で押し寄せる人々。シーツに包まれて空高くに飛んでいく小町娘のレメディオス。代わりに読む私は、町へやってきていたアウレリャノ・ブエンディア大佐の息子たちをスパイに見立て、彼女を救おうと試みるが失敗し、息子たちは何者かによって次々と暗殺されてしまった。 事件が立て続けに起こるうちに、

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第12回 レメディオスの昇天で使ったシーツは返してください

【前回までのあらすじ】 アウレリャノ・セグンドはカーニバルの女王に選ばれたフェルナンダを探し当て結婚し、二人の子を授かるものの、ベッドを共にすると家畜が次々と子を産むというペトラ・コテスの元へ通うのをやめようとしない。活況に湧くマコンドに移り住んだアウレリャノ・ブエンディア大佐の17人の息子たちの一人、アウレリャノ・トリステは製氷工場をおこしていた。 気づくと私はマレーシアの地方都市の長いホームで、国境からやってくるはずの長距離列車を待っていた。しかし、待てども待てども、や

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第11回 ふりだし

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます 前回のあらすじ: マコンドは活況にわきカーニバルが開かれ、レメディオスとフェルナンダがその女王に選ばれた。しかし、盛り上がるカーニバルのさなかに一転して銃声が鳴り響き惨劇が起きたのだ。マコンドの人々は心と体に大きな傷を負った。私はと言えば、そうしたマコンドの物語を代わりに読んでいたはずであったし、代わりに読むことの現時点での答えを出した気でいたのだった。ところが、ひさしぶりに会ったA子の「まだ読んでたんですか?

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第10回 NYのガイドブックで京都を旅したことがあるか?

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます。 前章ではアウレリャノ・ブエンディア大佐が二十年にわたって続いた戦争を終結させた。物語は戦時中へと少し遡る。大佐の不在の間に、ブエンディア家でも徐々に世代交代が起こっていた。第10章の中心は、戦争中に生まれた双子の兄弟、ホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンドである。 二人は「幼いころから実によく似ていて、茶目っけが多いので、(母の)サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダにも見分けがつかなかった」ため、「め

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第9回 マコンドいちの無責任男

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます。 前回までのあらすじ:自由を求めて幾度も戦乱をくぐり抜けてきたアウレリャノ・ブエンディア大佐とマコンドの人たちだったが、二十年近くに及ぶ戦争ですっかり疲弊していた。 「戦いのむなしさを最初に意識したのは、ヘリネルド・マルケス大佐だった」。彼は「市長兼司令官として、…週に二回はアウレリャノ・ブエンディア大佐と電信で話し合った」。最初のうちは状況や決定は具体的だったし、「アウレリャノ・ブエンディア大佐には親近感を抱か

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第8回 パパはアウレリャノ・ブエンディア大佐

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます。 これまでのあらすじ:マコンドを開拓したホセ・アルカディオ・ブエンディアが亡くなり、次男のアウレリャノはアウレリャノ・ブエンディア大佐となり自由を求めて戦いつづけていた。がまくんは親友のかえるくんから手紙をもらって感動し、アウレリャノがピラル・テルネラとの間にもうけた子 アウレリャノ・ホセはブエンディア家に引き取られ、アマランタが彼を育てていた。第8章はアウレリャノの子供たちの話である。 アマランタがアウレリャノ

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第7回 いつもリンパ腺は腫れている — 大人のための童話

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます。 戦争が始まり、そして戦争が終わった。その少し前に「先住民の祈祷師に変装したアウレリャノ・ブエンディア大佐は、…敵の手に落ち」(p.149)ていた。「逮捕の知らせは異例の布告によってマコンドに伝えられ」(p.149)、母・ウルスラは息子の無事を神さまに祈った。数日後「菓子を作るつもりで台所でミルクを掻き立てていると、息子の声が耳元ではっきりと聞えた」(p.149)。「アウレリャノだわ!」と彼女は叫んだ。「あの子は生

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第6回 乱暴者、粗忽者ども、偏愛せよ

【『百年の孤独』を代わりに読む】 ※無料で最後まで読めます 第5章では、ホセ・アルカディオ・ブエンディアの次男アウレリャノが、政府軍の暴力に抗うため、アウレリャノ・ブエンディア大佐を名乗り、革命軍に合流すべくマコンドを去った。第6章は戦時中のマコンドの様子が描かれる。出発に先立ち大佐はアルカディオにこう託したのだった。 「マコンドはお前にまかせる…このすばらしい町を、おれたちが戻ってくるまでに、もっと立派にしといてくれ」(p.129) 今回はこのアルカディオ

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