抱きあげてみると 溢れんばかりの勢いで はち切れんばかりに それでも同時に緩やかに たくさんのものが流れている 身体のなかに 綺麗な水が揺蕩う 命を進める泉のような …
己で持っていながら、 己だけでは持っていないもの 天然に満ちるものに養われて 蔓延った心の荒廃に抗え 体にとって食べ物と空気があるように 心にとっても日常に、天然…
太陽の熱は 体に入り 太陽の熱として それと分かる形で 体をめぐる なにか 物質的にも思想的にも 違うものを呼び込む質が 巡り始める そんな基本的なことを忘れたまま 太…
本の向こう 窓に打つ雨が この狭い世界の 質量を増やす 不意に雷が光って 遊ぶような心で 単調さを破る 護られた静寂を 切り裂きながら この緑…
1 降りゆく雨の中 ぽつり ぴったん 2 岩肌 伝わって 苔の上に 3 静かに 流れて 雫 おち 4 霧に 紛れて 吐息 5 今も 時にすが…
世界の重さに疲れたら 世界の軽さも心地よい 浮かんだ灰汁を取り去って 美味しさだけを残したように 漫画の世界に入りこみ 隅の方まで見回してみても ほんとの世界よりも…
なぞなぞを出そう これなーんだ? 親がするように みなを抱き みなが依るべとする 大きなかいな ずっと前から 変わらずに 隣にあって 寄り添うように 不断の情を 乳…
味の深みには 人の深みの宿りがある 五味、辛味、渋味 風味、器の模様、場の気配 作り手の心情、ともに食べる人の心 掴んだときの触感や、かぶりついた動作 すべてを含ん…
時々、耳にするんだ 僕に打ち明けるように 誰かが同じことを言う 人を信じられないと 望んだものは 外にはないさ 言葉なら、いつまでも外さ …
暗い夜空の中で 雨滴が互いに 呼び合うように 冷たく かつ清冽に 響き合っているのを知っている 大地の中に 温かいものが 果てなく続いているのを知っている この水気…
ひろい広場の奥に ひとつの鳥居がある 静寂の風景のなかに 澄んだこころの種がある 幾千の葉の絨毯と 梢の騒めく無数の音が 幾千のこころを刻みつける 本当が目の前に現…
相手の中に 相手を描く 己の中に 己を描く 互いを筆のようにして 互いの中に描かれる 己の筆と 相手の筆と それが重なり絵を描く たくさん描けば 絵が上手くなる 絵が…
坂を上がれば 大きな桜と花吹雪 茶碗が見せるものが 親しさの美なら 花が見せるものは 清浄さの美 余分なものをつけず けれども色香りに満ちて ひとのうちに 栄養…
2つの瞳が話しかける歌 2つの仁愛の間に生まれるもの ぼくの命、僕たちの命が 目には見えない領域を形作る 瞳と言葉から滲み出るように 互いを浸して行き交うもの (身…
夜空に浮かぶ 真っ白な満月 寂静で限りなく平静なもの 空虚なくらいに 雑多な活動を停止した空 けれども空虚とは対極にある 暖かな優しさに満ちている虚空 今宵九月の月…
ただ黙して 座して向かい 同じであれば良い 布が水の色に染まるように 人も目前にあるものに染まる 言葉は歪に意味を切り取り 真理の幅を殺す 順逆も全て包括して それで…
時の旅人
2024年6月24日 00:08
抱きあげてみると溢れんばかりの勢いではち切れんばかりにそれでも同時に緩やかにたくさんのものが流れている身体のなかに綺麗な水が揺蕩う命を進める泉のような暖かく有機的なもの心と身体の姿から湧き出す 心身をひたす水があるそれは誰知らぬ間に自他の道を正しく変えて留まるように守るもの小さな身体の内側に大きな命の幸いを見るその水そのものにはまだ道徳観念的な是非もないが
2024年6月21日 18:03
己で持っていながら、己だけでは持っていないもの天然に満ちるものに養われて蔓延った心の荒廃に抗え体にとって食べ物と空気があるように心にとっても日常に、天然の美がある事はそれが正しくあり続ける上で必要なのだ何とれば、真の枯れた心など味わうに足らぬ干物となるゆえ道徳の全てを記述できぬように心のすべては記述できぬ真の口に語らせぬ限りは
2024年6月20日 17:57
太陽の熱は体に入り太陽の熱としてそれと分かる形で体をめぐるなにか物質的にも思想的にも違うものを呼び込む質が巡り始めるそんな基本的なことを忘れたまま太陽の気配を纏いもせずに文明を謳歌する人々はますますスクリーンのまえに蹲り太陽のギフトを遠ざけて病む
2024年6月19日 18:51
本の向こう窓に打つ雨がこの狭い世界の質量を増やす 不意に雷が光って遊ぶような心で単調さを破る護られた静寂を切り裂きながらこの緑に囲まれた静かな空間を乱さずに一瞬を流れる遊びを増やす自然の一挙手一投足はただそれ自体に味がありただそれだけで意味を持つ例えば誰かがもし深遠な哲学をこの雷鳴と雨の中に探すならどんな文字よりも沢山の本当の静
2024年6月18日 19:45
1 降りゆく雨の中 ぽつり ぴったん2 岩肌 伝わって 苔の上に 3 静かに 流れて 雫 おち 4 霧に 紛れて 吐息 5 今も 時にすがた重ね 身をひたし 現れては 6 古ゆく 世界を 纏い7 その心 の 糧とする 8 降りしく 雨の中 息をして 9 立ち込む 霧の中 瞳もち 10飛沫をあげながら 途切れずに 流れながら 現れる
2024年6月17日 21:32
世界の重さに疲れたら世界の軽さも心地よい浮かんだ灰汁を取り去って美味しさだけを残したように漫画の世界に入りこみ隅の方まで見回してみてもほんとの世界よりも軽い線の間はただ白くて、新しい発見はなにもない。世界の重さが軽いからそっと一人で息抜きできる世界の重さが軽いから本当の癒しになることもない下を通る人に、葉の裏側から見上げれば透き通った緑色を見せてくれる夏
2024年6月16日 21:35
なぞなぞを出そうこれなーんだ?親がするようにみなを抱きみなが依るべとする大きなかいなずっと前から変わらずに 隣にあって寄り添うように不断の情を乳飲子たちへ求めのままに注ぐように穏やかな幸いを注ぐもの 目を向ければいつも、必ず見守っているもの凸凹しがちな人格なんか遠く離れて世界の片隅で誰のことをも区別せず美しい色に染めて気高さ
2024年6月15日 17:27
味の深みには人の深みの宿りがある五味、辛味、渋味風味、器の模様、場の気配作り手の心情、ともに食べる人の心掴んだときの触感や、かぶりついた動作すべてを含んで食が生まれるだから、皿を軽んぜず、素材を軽んぜず誰かの気持ちに至るまで腹を膨らませないなにかも一緒に豊かな厚みをいただくそうすると、味が一つ変わるモノクロの栄養素から、人間の食事になる。草木の造形の深みに、心
2024年6月15日 13:45
時々、耳にするんだ僕に打ち明けるように誰かが同じことを言う 人を信じられないと 望んだものは外にはないさ言葉なら、いつまでも外さたくさん遊んできた 子どもの 瞳のなかにみる信頼を やりたいことに打ちこんだ その人の目の奥の安心をたくさん渡した、その愛の数 反射して、見えたひか
2024年6月13日 20:36
暗い夜空の中で雨滴が互いに呼び合うように冷たくかつ清冽に響き合っているのを知っている大地の中に温かいものが果てなく続いているのを知っているこの水気の多い風のなかに人の気持ちの隅々まで埋める無数の種があることを知っている文字の知識が届かない世界があるのを知っている外遊びする子どもらを生滅と守護の司とする場所が世界の小さな隙間のような眼前のものの間に 鮮
2024年6月12日 19:46
ひろい広場の奥にひとつの鳥居がある静寂の風景のなかに澄んだこころの種がある幾千の葉の絨毯と梢の騒めく無数の音が幾千のこころを刻みつける本当が目の前に現れるその本当のすべてを留めておくことはできないがなんども、繰り返し 味わえばきっとかけらが 残るだろう
2024年6月12日 18:26
相手の中に相手を描く己の中に己を描く互いを筆のようにして互いの中に描かれる己の筆と相手の筆とそれが重なり絵を描くたくさん描けば絵が上手くなる絵が上手くなれば幸いを知る絵のあることも絵を描くことも陽光の柔らかさと同じように己に柔らかさを残しついに流れ出して誰かを丸くする丸さは静寂を留め時に応じて強さに変わり尽きぬ色彩を増やしそれを続けられ
2024年6月12日 13:43
坂を上がれば大きな桜と花吹雪茶碗が見せるものが親しさの美なら 花が見せるものは清浄さの美 余分なものをつけずけれども色香りに満ちてひとのうちに栄養をつけ 正しいことを言葉のそとから悟らせるその笑顔でその声でそのまなこで 今日出会うひとに幸いを贈れ
2024年6月11日 21:49
2つの瞳が話しかける歌2つの仁愛の間に生まれるものぼくの命、僕たちの命が目には見えない領域を形作る瞳と言葉から滲み出るように互いを浸して行き交うもの (身体の内から放たれる、 目に映りそうな熱を通して)麻痺するように眠った大人を目覚めさせ子供たちの心の火を燃え上がらせて、日々の笑顔の後ろに、守り手となるもの見る力を、ものの中心にまで導き問いかけの答えを、耳元に囁く
2024年6月11日 14:49
夜空に浮かぶ真っ白な満月寂静で限りなく平静なもの空虚なくらいに雑多な活動を停止した空けれども空虚とは対極にある暖かな優しさに満ちている虚空今宵九月の月はいつもより静かに塵芥や騒音の鎖から脱して綺麗で冷たい澄んだ光を届けてくれる月の周りを流れ去るうす雲があの空間にある理性の色をより深めていく秋の始まり静かな鈴虫の声そらには何にも揺るがない泰然とした天のかたち
2024年6月11日 13:50
ただ黙して座して向かい同じであれば良い布が水の色に染まるように人も目前にあるものに染まる言葉は歪に意味を切り取り真理の幅を殺す順逆も全て包括してそれでも湖面の如く静かにただ目前の描くものと一つになれば時の声が実り知の力が太り心は最奥に帰すその門を潜り抜けて再び生活に戻れば善は美を備え平常の味を知る