詩|茶室
雑多な人や物の
気配から程よく隔絶をされ
ただそこにいることが
密になる時間
明る過ぎず
暗過ぎず
正しいものへ
思いを巡らせることができる
水の音も
障子紙にうつって、揺れる葉の影も
尖ったものを除いて
身体の中の、正しい明るさを
明る過ぎず
じめっともせず
ただ休息の中に強いような
趣味のいい力を
本当の善に近い力を
既にそこにあることで
招き込むように
人を染める
影の間をうめる陽の力
光を抑える影の色
水の流れる音、
木々の微かな音
かすかな鳥や人の気配
静かな場所で
光と影が混ざりあい
理性を描いて変えていく
木々の編み目と
土壁の色
言葉の形もなしに
尊い人との出会いのように
その姿の上から
気づかせる
目の前に包みを広げて
何も言わずにいるように
親切で、押し付けない
自然の語り方のよう
本当の高貴は
こういう善のなかに
光と影の具合のような
尖らず正しい
穏やかで力のある
理性の中に
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