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詩|夏の風

心が、いつまで僕として生きているのか、わからない
きっと命よりも先に、薄らいでいく
僕であるうちに
見えて動けるうちに
その力で 厳かな幸いの元を
生み出して増やしていく
いつか、終わりが来る前に

所詮、一人で生きるもの
その果も、依るべも、己の中に

描きたいのは
当たり前の、そよぐ風のような優しさ

厳かな、それでいて飾らない強さ
誰かの後日の澄んだ心の種

岩に風が吹いて 
半ば染み入り 
半ば通り抜けて
岩の言葉を誘いだす
蟻が木の根の上を一列にいく
確かなものは いつも
誰もの胸の中 
行く風とともに
決して消滅せずに
呼ばれるように現れる

それが世界の優しい言葉    
強さの根っこの 静かな理性

世界を映す鏡になれば
宿る世界は胸のなか

誰かと己と世界のなかに
境はあれど境なく

今日はあいつに あいつは僕に
なっていてかも知れないよ

互いの姿が違っても
耳を澄ませば同じ音

綺麗な音がなるように
世界がいつも導いてくれる

何かのしがらみに濁ることなく
いつも綺麗な元の姿で

目に映るたびに何度でも
新しい同じ姿をくれるから

今こそ1番いいように
大きな心を運び込む

私の心は世界の心
世界の心は己の心

たった一つの今だけの
ただひとつだけの真実を
居合わす人に注いでは
隣で微笑む嬉しい力

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