長い目で見た結果の利益切り 利益を切ったのか損を切ったのか
こんばんは、アドバイザーのこうたです。
突然ですが、私は派遣業を営んでおります。
優秀な販売員を代理店へ送り込み、売り上げに貢献するのが業務です。
1.経緯
今回は弊社の話ではなく、とある代理店の話になります。
代理店には、派遣スタッフ、委託スタッフ、正社員、契約社員が働いています。
各立場によって、業務の優先事項や指揮命令権の所在が異なり、またかかる費用にもだいぶ差があります。
スタッフの能力によって雇用形態が決まるのではなく、業務内容や企業間の契約内容によって異なります。
局所的に高額なのは委託スタッフですが、安い派遣スタッフにも優秀な人材はたくさんいます。
たまたま優秀な人材が派遣スタッフとして入っただけで、優秀だから、派遣だからという理由で決まったわけではありません。
しかし様々な要因から、何十人もの派遣スタッフを切るという話になりました。
委託スタッフは、(企業間の取り決めにもよるが)原則、短期で切ることができます。
ですが派遣スタッフの中途解雇、または契約の打ち切りは一般的に不可能であることから、満了のタイミングで終了するのがベストとなります。
更新した場合、また1年間の継続受け入れが義務となるため、出費をよく把握したうえの覚悟が必要です。
こんなご時世ですから、削れるところは削る必要がありますし、1年後、2年後の未来を予測しなければなりません。
そして多くの経営者が、未来が読みづらいことを理由に無難な出費に抑える選択をします。
しかも正社員雇用をしたために、余計に別のところで出費を抑える必要がありました。
2.正社員雇用のメリットとリスク
正社員とは、長期で企業に従事することが前提での雇用であり、企業色に染められます。
派遣スタッフだと、せっかく人材を育ててもいずれは手元を離れてしまいますし、委託スタッフは色々な意味で相手次第なところがありますからね。
安定して一定以上の技能を持つ人材を保有するという点では、正社員が最も効率的なのです。
しかし一方で、一度雇用したら企業側の都合で解雇にできないというデメリットがあります。
そのくせ、正社員は(ある程度)自由に退職することが可能です。
正社員雇用は未来投資なところがありますから、数ヶ月数年で辞められると完全に無駄金です。
正社員のメリットを企業側でコントロールしにくいのがリスクです。
3.質の低下がもたらす影響
これは昔からですが、正社員の販売員は手続きの効率化に特化しすぎていて、販売力が異常に弱い傾向にあります。
ゆえに外部の強クローザー(優秀な販売員)に委託してボトムアップを図っているのです。
しかし今回、外部のうちの一つである派遣スタッフを切ったことから、間違いなく質が下がります。
そして優秀な人材は引き抜かれたり、自ら好条件な企業へ転職したりするのが常なため、最終的に優秀な人材がいなくなる、なんて未来もあり得なくはないのです。
私であれば、こんな事態になる前に正社員のボトムアップや労働環境の改善に注力していましたが、それも難しいのが業界の実情。
そして正社員を増やさないわけにはいかず、増やした以上、長期目線の利益に思考をシフトさせる必要があります。
少数精鋭の企業ならともかく、人数=利益のような業界だと、こういうところも長期目線で思考する必要があるんですね。
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