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コンサルが教えるプレゼン極意 ― あなたのプレゼンは1週間で生まれ変わる

私は15年間、外資系コンサルタントとして多くの場でプレゼンを経験してきました。

規模の大小や、ビジネス、プライベートにかかわらず、生きていく中でプレゼンの場は下記のように多数ありました。

・CEOへのプロジェクト報告
・会社説明会
・講演会
・面接
・チームミーティング
・チームメンバーへの評価フィードバック
・結婚式のスピーチ
・恋愛シーン

たとえどんなシーンであっても、プレゼンの「5つの極意」をベースとすることで、わかりやすいプレゼン、伝わるプレゼン、聞き手の行動に繋がるプレゼンであると周りから評価をいただいてきました。

外資系コンサルでは、大学を卒業したばかりの新人コンサルタントにも、この「5つの極意」を伝授することで、1週間もかからないうちに皆プロとして羽ばたいていきました。

今回のノウハウでは、皆さんが「プレゼンの5つの極意を理解し、1週間練習することで、劇的にプレゼンが上達すること」を目指しています。

つまり、「プレゼンで大事な30のポイント」「プレゼンで押さえておきたい48のテクニック」などのように、1週間では読みきるだけで精一杯という内容は目指しておりません。

極意が暗記でき、1週間でマスターできる内容となるように、最重要ポイントだけに絞っています。

当然、上級者を目指すのであればポイントやテクニックは30以上必要です。しかし、皆さんはスティーブ・ジョブズを目指すわけでも、池上彰を目指すわけでもありません。

会議や、発表、面接などで、それなりに上手いプレゼンター(中級者)になることを目指す内容としています。

ですから、プレゼン初心者を脱出するために、非常に重要な極意を5つに絞りました。

私の経験上、この5つができれば、聞き手の全員とは言わなくても何人かは「プレゼン上手いですね」と言ってくれるはずです。

ですから5つの極意を頭に入れ、何度も練習をして下さい。読むだけでは、プレゼンは絶対に上手くなりません。

また、今回のノウハウでは話し方の部分にフォーカスを当てています。パワーポイント作成の極意については、「第5章 さらに上手くなるために」で、少しだけお話するにとどめています。

これは、パワーポイントを上手く作るのは一朝一夕では不可能だからです。そのため、即効性のある「話し方」に重点を置いています。

5つの極意を信じて、練習してみて下さい。

きっと、あなたのプレゼンは1週間で生まれ変わります。プレゼンが苦手な人ほど大きく生まれ変わることでしょう。


【第1章】はじめに

・プレゼンが苦手な人はたくさんいる

人前で話すことが苦手な人はどれぐらいいるでしょうか?

ある統計では、75%以上の人が苦手と答えています。「経験が少ない」「あがってしまう」というのが主な理由のようです。

もちろんこれらの理由もありますが、何よりも大きな理由は、「自分のプレゼンを客観的に見たことが無い」ということだと思います。

ですから、5つの極意を押さえた上で何度もプレゼン動画を自撮りして、客観的に確認することを推奨しています。

・プレゼンの目的をおさえる

プレゼンの目的は何でしょうか?

わかりやすく話すことでしょうか?

それだけではありません。「プレゼン後に聞き手の行動に繋がること」にあります。つまり、聞き手の「理解」「納得」「行動」というキーワードが大事なのです。

何を「理解」「納得」してもらい、どんな「行動」をしてもらうかをプレゼン準備の最初に実施しましょう。

目的を設定するときは、
「中国進出の必要性をXX部長に理解・納得してもらい、書類に了承サインを書いてもらう」
のようにターゲットも含めて具体的な行動まで落とし込みましょう。

そして、プレゼンの資料作成や内容を考える際は、ターゲットの視点で考えていくことが大事です。

【第2章】5つの極意

ここではプレゼンで最も重要な5つの極意をお話します。プレゼンの目的を踏まえた上で、5つの極意を実践して下さい。

1.理解しやすい構成
2.言葉の髭剃り
3.間をとる
4.大きな声
5.堂々と話す

それでは、1つ1つを見ていきましょう。

1.理解しやすい構成

大枠が分からないまま話が進むと、聞き手は理解が難しくなります。聞き手は、それほどプレゼン内容に興味を示していないことが多いため、いかに分かりやすく話すかがポイントになります。

最初に大きい方向性や枠組みを話してから詳細を話すことが基本です。

いくつか方法はありますが、最も効果的な流れだけを挙げておきます。まずは、この黄金パターンだけを押さえましょう。

「背景→結論→理由(ナンバリング)→まとめ」という流れです。

最初にプレゼンの「背景」を言うことで、話を聞く準備ができます。

例えば毎週の会議でプレゼンする場合、先週のことは皆忘れているものです。ですから、前回の振り返りをすると効果的です。

次に「結論」を言うことで、全体の方向性が理解できます。

そして、「理由は3つあります。1点目は~。2点目は~。3点目は~。」のように、結論の「理由をナンバリング」することで全体の構成が理解できます。

最後に「まとめ」として、「結論」「重要ポイント」「意気込み」「聞き手に望む行動」等を話します。これにより、プレゼンで伝えたかったことの印象を残すことができます。

良い例としては、

<背景>
先日、社内コミュニケーションの円滑化が必要だという話が挙がりました。そこで、皆さんに私を理解していただくために、今日は「私の好きな物」についてお話させて下さい。

<結論>
私は吉野家の牛丼が大好きです。

<理由(ナンバリング)>
理由は3つあります。
1点目はうまいことです。牛肉の柔らかさとタレの旨味が絶妙です。
2点目は早いことです。注文から3分以内に出てくるので、昼休憩を有効活用できます。
3点目は安いことです。500円でおつりが出るので、おこづかいの少ない私でも利用できます。

<まとめ>
「うまい」「早い」「安い」という3つの理由から、私は吉野家の牛丼が大好きです。
明日のお昼休みに、もしよければ私と一緒に吉野家で牛丼を食べに行き、社内コミュニケーションを円滑化しましょう!


これなら理解が容易ですね。

理由の部分も、「うまい」と結論を言って、詳細である「牛肉の柔らかさとタレの旨味が絶妙です」と言っているところがポイントです。


では、悪い例としては、

<理由>
牛肉の柔らかさとタレの旨味が絶妙でうまくて、注文から3分以内に出てきて早いから、昼休憩を有効活用できるし、おこずかいが少なくても500円でおつりが出るから利用しています。

<結論>
だから私は吉野家の牛丼が大好きです。明日のお昼休みに、もしよければ私と一緒に吉野家で牛丼を食べに行き、社内コミュニケーションを円滑化しましょう!

最初に背景も結論も無いので唐突です。急に焼肉の話でもしているのかなと思いますよね。

そして、ナンバリングが無いので、吉野家の牛丼が好きな理由が頭に残りませんよね。

プレゼンが苦手な人は結論を言うのが遅い傾向にあります。結論は話全体の大きい方向性を宣言するものです。必ず早い段階で言いましょう。

2.言葉の髭剃り

「言葉の髭剃り」は非常に大事なポイントであり、初心者脱出には必須となります。また、比較的簡単に改善できるので、ぜひ優先的に対応してほしいポイントです。

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