記事一覧
成功に興味ないようで逃げているだけ マンガ『バジーノイズ』は仙人系男子のリアルを描き、音楽を“インスタ的”に鳴らす
題材がロックンロール、とは言い難いのですが、スピリッツでめちゃくちゃ大好きな音楽マンガ『バジーノイズ』(むつき潤)のレビュー書きました。 http://nlab.itmedia.co…
『君たちはどう生きるか』感想と考察 宮崎駿が働きかける「世界の秘密」と「無私の心」
宮崎駿の監督作品『君たちはどう生きるか』が、7月14日に公開された。
公開初日の朝一番に観に行った。宮崎駿が自分自身、そしてわかりあえる者のためだけに、この現代社会に抱いている危機感、渦巻く理不尽を、奇怪かつ珠玉のアニメーション表現に落とし込んだ『不思議の国のアリス』というのが率直な感想だった。
イチ宮崎駿ファンとしてはもちろん堪能し、圧倒された。
一方で、これまでの宮崎駿作品にあった、楽し
マスク生活の不思議を古今東西の「仮面」「覆面」から見つめる本をつくった
2022年末になりますが、現代の“面(おもて)”にまつわる事象を古今東西の「仮面」と「覆面」から様々に見つめるリトルプレス『面とペルソナ20's』を創刊しました。
創刊号のテーマは「コロナ禍と面」です。
2020年2月頃から日本で新型コロナウイルスが流行し始め、衛生マスクを着ける生活が始まって早3年。
「顔を半分覆っているだけなのに、なぜちょっと安心するんだろう」
「相手の顔が半分見えないだけ
2022年ベストアルバムとベストアクト
●アルバム●宇多田ヒカル『BADモード』
最高でしたね。朝起きてしんどいときは必ずA面に針を落として1曲め「BADモード」をかけるという、自分にとって白湯のようなアルバムでした。飲んで帰ってきてからなんとなく家で物思いに耽りたいときはB面に変えて「気分じゃないの (Not In The Mood)」にまみれたりと、LP版の構成が生活にぴたっとハマり、人生を通して日常に欠かせぬ1枚になった気がしま
2022年よかったマンガ7選 『ゴールデンラズベリー』『花四段といっしょ』『これ描いて死ね』他
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
2022年は仮面のリトルプレスづくりに追われてあんまし読めなかったけど、広まって欲しい作品もあれば、自分の心に刺さった理由をちょっとでも言語化しておきたかったので、この1年で好きだったマンガを備忘録として書き記しておきます。
●持田あき『ゴールデンラズベリー』(3巻、以下続刊)
りぼん作家としてヒット作を生み出してきた持田あき先生が、女性誌『フ
2021年推したいマンガ9作品 『三拍子の娘』『メダリスト』『奈良へ』等
今年の振り返り
ふだんWeb系編集プロダクションで働くかたわら、マンガに関するレビューやインタビュー記事を定期的に書いたり編集したりしています。
2021年は4月に出た『BRUTUS』のマンガ特集号で「何かここ数年ですごかったマンガ表現を紹介して下さい!」とご依頼を受け、「目に見えないものを描いた傑作マンガ」として『シオリエクスペリエンス』『バジーノイズ』『BLUE GIANT』の音楽表現を紹
2020年個人的にすごかったマンガ9作品
2020年は副業でマンガレビュー仕事もぽつぽつ再開し始めました。
スポーツ誌『Number』のWeb版で『ハイキュー!』と『鬼滅の刃』の最終巻発売にあわせて1本ずつ書かせてもらったのですが、どっちもデイリーランキング1位とれてよかったです。
▼大人気バレー漫画『ハイキュー!!』は、なぜ“立体的”に見えるのか? 「他で見たことない!」3つの表現法
https://number.bunshun.jp
銭湯で、銭湯とサウナのマンガの魅力を語らい、1人1.4冊買ってもらえた日
去る1月27日(日)、文京区茗荷谷で親子三世代にわたって営んでいる銭湯「大黒湯」さんで、”銭湯とサウナを題材にしたマンガ”の魅力についてトークするイベントを開催した。
お客さんには会場で銭湯サウナマンガ16タイトルから、好きな1冊を買うことが約束付けられている――という変わった催しだ。
題して「マンガで入る銭湯サウナ」。
主催は、昨年10月に後楽園にオープンしたマンガ複合施設「マンガナイ
成功に興味ないようで逃げているだけ マンガ『バジーノイズ』は仙人系男子のリアルを描き、音楽を“インスタ的”に鳴らす
題材がロックンロール、とは言い難いのですが、スピリッツでめちゃくちゃ大好きな音楽マンガ『バジーノイズ』(むつき潤)のレビュー書きました。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/06/news025.html
成功体験に無欲なふりして失敗から逃げている、という生々しい若者の感情を描きながらも、絵柄はスタイリッシュかつ淡白でポップ。この題材とコーティ
ナンバガ、ゆら帝、フジファブ……日本のオルタナ全推しな『ロッキンユー!!!』は「99%に無視されて1人に刺さる」ロック漫画だ
2018年に激推ししていたロックマンガ『ロッキンユー!!!』(石川香織)のレビュー書きました。
新書『オルタナティブロックの社会学』(南田勝也)を引用してオルタナとはなにかを解説しつつ、「この作品のようにマンガで実在の邦オルタナのバンド名や曲名を出すのは本来悪手だった」「それでも人気を獲得している/おもしろいのはスマホ時代にチューニングされているから」について解説しています。
レビュー↓
htt
ダンジョンで美しいエルフの風呂に癒やされる ムヒョロジ作者が送るファンタジー×お風呂漫画『エルフ湯つからば』
ダンジョンで疲弊している冒険者たちを、移動式の湯屋を営んでいる美しいエルフがお風呂で癒やしてくれる。薬湯には「霊虫の羽」「生首柿の種」「アブラ火草」などダンジョンに生えている不思議な草を入れて――。
古典ファンタジーの世界と“お風呂”を融合させた新ジャンルな漫画『エルフ湯つからば』が、Twitterで注目を浴びている。作者の西義之が第1話をTwitterで公開したところ約3万回近くリツイート
「東京喰種」、仮面が喰種にもたらす怪しさと人間味
デザイン雑誌「月刊MdN」2016年6月号「特集:惚れる悪の造形」に、漫画「東京喰種」と「亜人」について1本ずつレビューを寄稿しました。
特集の名の通り、映画や漫画など各作品に出てくる悪役のビジュアルについて、どうして恐ろしいのに惹かれてしまうのだろう……とその所以を考察・解説していく特集になっています。
喰種も亜人も一方的に悪役というのは難しいですが、悪に寄ったイメージの要素は確かにあり、不