黒木 貴啓(ライター/編集)

ライター/編集。88年生、鹿児島出身。2022年11月にコロナ禍のマスク現象を古今東西…

黒木 貴啓(ライター/編集)

ライター/編集。88年生、鹿児島出身。2022年11月にコロナ禍のマスク現象を古今東西の仮面や覆面から見つめるリトルプレス『面とペルソナ20's 創刊特集:コロナ禍と面』発行(https://omotepress.booth.pm/items/4306232)。

マガジン

  • OMOTE PRESS|現代の面(おもて)を見つめるメディア

    2022年11月、現代の面(おもて)にまつわる事象を、古今東西の仮面や覆面から見つめるリトルプレス『面とペルソナ20’s』を創刊しました。 このマガジンでは関連情報の発信や、同誌記事のWeb掲載。さらには世間で気になる「面」の話題やコンテンツをレビューしたり、おすすめの仮面や覆面に関する本を紹介したりしていきます。

  • マンガに関する記事

    これまで書いたマンガに関するレポート、レビューなど記事をまとめています。

  • 踊ってばかりの日本人

    海外のレイブパーティーに負けない、日本人が踊りを愛する原始的な姿を紹介します。

  • 日本には奇祭があるじゃないか

    執筆した日本の奇祭のレポート記事や考察記事をまとめています。男根だらけでごめんなさいね。

  • へんてこ鹿児島、よかとこ鹿児島

    地元・鹿児島のへんてこなものについて執筆した記事をまとめています。垂水フェリーの月見うどんが好きです。

最近の記事

『スタジオジブリの仮面と覆面』というZINEをつくりました

『スタジオジブリの仮面と覆面』というZINEをつくりました。 ナウシカの瘴気マスク、もののけ姫のサンの仮面、千と千尋の神隠しの河の神様など、宮崎駿監督作品にでてくるいろんな面(おもて)を、仮面と覆面の民族学や、宮崎駿の資料から読み解く考察本となっています。 目次と書誌情報はこんな感じ。 ▼目次 『風の谷のナウシカ』 ・瘴気マスクがもたらす異世界と覆面効果 『もののけ姫』 ・サンの仮面はなぜ山犬っぽくないのか ・憤怒のもののけにトランスする半仮面 『千と千尋の神隠

    • 『君たちはどう生きるか』感想と考察 宮崎駿が働きかける「世界の秘密」と「無私の心」

      宮崎駿の監督作品『君たちはどう生きるか』が、7月14日に公開された。 公開初日の朝一番に観に行った。宮崎駿が自分自身、そしてわかりあえる者のためだけに、この現代社会に抱いている危機感、渦巻く理不尽を、奇怪かつ珠玉のアニメーション表現に落とし込んだ『不思議の国のアリス』というのが率直な感想だった。 イチ宮崎駿ファンとしてはもちろん堪能し、圧倒された。 一方で、これまでの宮崎駿作品にあった、楽しくて心が躍る、愉快でわかりやすいエンターテイメント性を期待して観に行った人は、難

      • マスク生活の不思議を古今東西の「仮面」「覆面」から見つめる本をつくった

        2022年末になりますが、現代の“面(おもて)”にまつわる事象を古今東西の「仮面」と「覆面」から様々に見つめるリトルプレス『面とペルソナ20's』を創刊しました。 創刊号のテーマは「コロナ禍と面」です。 2020年2月頃から日本で新型コロナウイルスが流行し始め、衛生マスクを着ける生活が始まって早3年。 「顔を半分覆っているだけなのに、なぜちょっと安心するんだろう」 「相手の顔が半分見えないだけなのに、少し不安を覚えてしまうのはなぜなのだろう」 マスクに感染予防の効果があ

        • 2022年ベストアルバムとベストアクト

          ●アルバム●宇多田ヒカル『BADモード』 最高でしたね。朝起きてしんどいときは必ずA面に針を落として1曲め「BADモード」をかけるという、自分にとって白湯のようなアルバムでした。飲んで帰ってきてからなんとなく家で物思いに耽りたいときはB面に変えて「気分じゃないの (Not In The Mood)」にまみれたりと、LP版の構成が生活にぴたっとハマり、人生を通して日常に欠かせぬ1枚になった気がします。 あと配達がめっちゃ遅くなってもいいからLPをしっかり予約生産し続けたソニー

        『スタジオジブリの仮面と覆面』というZINEをつくりました

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        • マンガで入る銭湯サウナの世界
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        記事

          2022年よかったマンガ7選 『ゴールデンラズベリー』『花四段といっしょ』『これ描いて死ね』他

          遅くなりましたがあけましておめでとうございます。 2022年は仮面のリトルプレスづくりに追われてあんまし読めなかったけど、広まって欲しい作品もあれば、自分の心に刺さった理由をちょっとでも言語化しておきたかったので、この1年で好きだったマンガを備忘録として書き記しておきます。 ●持田あき『ゴールデンラズベリー』(3巻、以下続刊) りぼん作家としてヒット作を生み出してきた持田あき先生が、女性誌『フィールヤング』で連載している仕事×恋愛×芸能界マンガ。 高学歴高身長にもかかわら

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          2021年推したいマンガ9作品 『三拍子の娘』『メダリスト』『奈良へ』等

          今年の振り返り ふだんWeb系編集プロダクションで働くかたわら、マンガに関するレビューやインタビュー記事を定期的に書いたり編集したりしています。 2021年は4月に出た『BRUTUS』のマンガ特集号で「何かここ数年ですごかったマンガ表現を紹介して下さい!」とご依頼を受け、「目に見えないものを描いた傑作マンガ」として『シオリエクスペリエンス』『バジーノイズ』『BLUE GIANT』の音楽表現を紹介させていただきました。 シオリとバジーノイズは何かしらの賞をもらってほしいと

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          インターネットの #推し記事2021 を3本あげてみる

          ●告知と前置き2021年12月15日(水)の夜に、自分が所属している編集プロダクション・㈲ノオトの主催で、この1年にインターネットで公開された記事のなかから"推し”を紹介し合うトークイベントを無料生配信します。 「2021年あなたの推し記事は? ネット文章大好き編集者&ライターと振り返る【無料生配信】#推し記事2021」というイベントです。 ゲストはネット文章に精通したライター、編集者さんの4人。 オモコロ編集長の原宿さんと、デイリーポータルZの編集者であり文筆家の古賀

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          2020年個人的にすごかったマンガ9作品

          2020年は副業でマンガレビュー仕事もぽつぽつ再開し始めました。 スポーツ誌『Number』のWeb版で『ハイキュー!』と『鬼滅の刃』の最終巻発売にあわせて1本ずつ書かせてもらったのですが、どっちもデイリーランキング1位とれてよかったです。 ▼大人気バレー漫画『ハイキュー!!』は、なぜ“立体的”に見えるのか? 「他で見たことない!」3つの表現法 https://number.bunshun.jp/articles/-/845682 ▼なぜ炭治郎はこんなに痛がるの…? 『鬼滅

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          シャムキャッツが自然体を教えてくれた

          シャムキャッツと初めて出会ったのは、2010年に下北沢のライブハウス「CLUB Que」で行われたオールナイトイベント「club SUPERNOVA!」だった。 SUPERNOVA!は、くるり、ナンバーガール、スーパーカー、中村一義をメインに1997年から盛り上がったオルタナティブロックを特集するDJイベントだ。当時ぼくは大学4年生で、就活で1社も内定をもらっていないにもかかわらず、邦ロックにずっぽりはまってしまっていた。 もともと洋楽ばっかり聴いていたのだが、邦オルタナが

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          ゲームで遊んでいたら読みたいマンガが増えていく 「マンガ読書会ゲーム」、楽しすぎなので商品化求む

          カードをめくると「コマ割りがかっこいいシーン」というお題が表示された。好きなマンガを1冊ずつ持参した11人。それぞれ必死にページをめくって、かっこいいコマ割りを探す。 一番いいプレゼンをして、このマンガ読書会ゲームに勝つために――。 2月28日(木)、マンガ専門書店&カフェバーのマンガナイトBOOKSで「マンガ読書会ゲーム」を開催した。 考案したのは、「ぷよぷよ」「はぁっていうゲーム」など数々のゲームをつくってきたゲーム作家/ライターの米光一成さん。 ぼくがマンガナイトBO

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          銭湯で、銭湯とサウナのマンガの魅力を語らい、1人1.4冊買ってもらえた日

           去る1月27日(日)、文京区茗荷谷で親子三世代にわたって営んでいる銭湯「大黒湯」さんで、”銭湯とサウナを題材にしたマンガ”の魅力についてトークするイベントを開催した。  お客さんには会場で銭湯サウナマンガ16タイトルから、好きな1冊を買うことが約束付けられている――という変わった催しだ。  題して「マンガで入る銭湯サウナ」。  主催は、昨年10月に後楽園にオープンしたマンガ複合施設「マンガナイトBOOKS」。今は珍しいマンガ専門の書店であり、カフェ&バーという憩いの場でも

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          【エッセイ】獣への帰り方

           ニュースサイト「ねとらぼ」で、初の同人誌「ねとらぼん」をつくりました。特集は「ネットと銭湯サウナ」。最近人気がじわじわ高まっている銭湯とサウナについて、インターネットがどのようにかかわっているのか、コラムやインタビュー、エッセイなどさまざまな記事を通して見つめる一冊です。  こちらではぼくも寄稿したエッセイ「獣の帰り方」に若干の修正を加えて公開します。なお、ここに出てくるM氏とは、下北沢のソウルメイトでありライターの世界に導いてくれた一人、宮崎智之さんです。 ●獣への帰

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          成功に興味ないようで逃げているだけ マンガ『バジーノイズ』は仙人系男子のリアルを描き、音楽を“インスタ的”に鳴らす

          題材がロックンロール、とは言い難いのですが、スピリッツでめちゃくちゃ大好きな音楽マンガ『バジーノイズ』(むつき潤)のレビュー書きました。 http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/06/news025.html 成功体験に無欲なふりして失敗から逃げている、という生々しい若者の感情を描きながらも、絵柄はスタイリッシュかつ淡白でポップ。この題材とコーティングの組み合わせが最高にセンス抜群です。特に音楽の描写を「白い水玉」でのみ表現す

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          ナンバガ、ゆら帝、フジファブ……日本のオルタナ全推しな『ロッキンユー!!!』は「99%に無視されて1人に刺さる」ロック漫画だ

          2018年に激推ししていたロックマンガ『ロッキンユー!!!』(石川香織)のレビュー書きました。 新書『オルタナティブロックの社会学』(南田勝也)を引用してオルタナとはなにかを解説しつつ、「この作品のようにマンガで実在の邦オルタナのバンド名や曲名を出すのは本来悪手だった」「それでも人気を獲得している/おもしろいのはスマホ時代にチューニングされているから」について解説しています。 レビュー↓ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1811/

          ナンバガ、ゆら帝、フジファブ……日本のオルタナ全推しな『ロッキンユー!!!』は「99%に無視されて1人に刺さる」ロック漫画だ

          ダンジョンで美しいエルフの風呂に癒やされる ムヒョロジ作者が送るファンタジー×お風呂漫画『エルフ湯つからば』

           ダンジョンで疲弊している冒険者たちを、移動式の湯屋を営んでいる美しいエルフがお風呂で癒やしてくれる。薬湯には「霊虫の羽」「生首柿の種」「アブラ火草」などダンジョンに生えている不思議な草を入れて――。  古典ファンタジーの世界と“お風呂”を融合させた新ジャンルな漫画『エルフ湯つからば』が、Twitterで注目を浴びている。作者の西義之が第1話をTwitterで公開したところ約3万回近くリツイートされ、わくわくと共感が詰まったストーリーに「好き」「切り口のセンスがいい」「ファ

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          「東京喰種」、仮面が喰種にもたらす怪しさと人間味

          デザイン雑誌「月刊MdN」2016年6月号「特集:惚れる悪の造形」に、漫画「東京喰種」と「亜人」について1本ずつレビューを寄稿しました。 特集の名の通り、映画や漫画など各作品に出てくる悪役のビジュアルについて、どうして恐ろしいのに惹かれてしまうのだろう……とその所以を考察・解説していく特集になっています。 喰種も亜人も一方的に悪役というのは難しいですが、悪に寄ったイメージの要素は確かにあり、不気味な魅力を放っているので、そこが何からくるものなのかアプローチしています。

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