見出し画像

【報告】ノオトを退職しました&しばらくキャリアブレイクに入ります

2019年7月1日に東京・五反田の編集プロダクション・有限会社ノオトに入社した黒木ですが、このたび2024年5月31日をもって退社しました。

送別会の写真がなかったので、ノオトが運営していたコワーキングスペース「CONTENTZ」のお別れ会の最後に撮ったノオト社員一同の写真。OBも2人、痩せ上手と酒マンガつば九郎がいますね。

この5年弱、Web媒体を中心にさまざまな記事やイベントを制作しましたが、ご依頼させていただいたライターさん、イラストレーターさん、デザイナーさん、フォトグラファーさん、取材協力者のみなさん、本当にありがとうございました。

退職理由は完全に前向きなものでして、短期的には、

・以前からOMOTE PRESSという屋号で、現代の面(おもて)に関する事象を古今東西の仮面・覆面から見つめるリトルプレス(参考)を作っており、その次号「アバター特集(仮)」を作る集中期間がほしくなった

・同時に、面を中心とした文化人類学や哲学、男性学を中心としたジェンダー社会学の本を集中的に読みたくなった

という気持ちが強くなったのが主な理由になります。

大学卒業からすぐフリーター、フリーライターになってまとまった休みをとらず働いてきたので、ここで最近目耳にするようになったキャリアブレイクをとって学びたいこと、研究したいことを存分に集中しよう、といったところです。そうです、私がキャリアブレイカーです。

Canvasの画像生成AIに「キャリアブレイカー」を描いてもらった。こういうことらしい

宮脇さんやほか社員の目からするとまだまだ半人前でしょうが、ノオトで十分な経験を積ませていただいただけでなく、1年半前からADHDの診断をもらって注意欠陥や衝動性を薬で(おそらく)押さえられるようになったこと。
今年2月に右目の白内障手術をして、ぼやけていた世界がくっきり見えるようになったこと、大量に本を読めるようになったこともタイミング的に大きかったと思います。

あと2月~3月にライターの先輩である宮崎智之さんの書物整理を手伝っていたのですが、インプットしたい知識・思想が一気に増えたこと、宮崎さんと対話していて36歳ってまだまだ若いし何でも学べるなと思ったこと。

そんな中で観たNHK「100分de名著」のリチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』回が素晴らしく、「文学や評論、文化人類学、ジャーナリズムをはじめ、ライター・文筆・編集業でやれることはまだまだあるな」と希望を持てたことも後押しとなりました。

まじでおすすめです、SNSに失望しているライターや編集者みんなに読んでほしい

短くても9月まではリトルプレス制作や読書に注力しつつ、その後は大学院or人文系のメディア企業・出版社に入ることも視野に入れながら、フリーランスで「面(おもて)」「男性学」「マンガ」をメインに評論を書いたり作者にインタビューしたりしたいと考えています。

その節には、執筆の企画を持ち込ませていただく媒体関係者様もいらっしゃるかもしれませんので、何卒よろしくお願いいたします・・・!!!

▼ねとらぼ編集部~ノオト時代に制作した記事はこちらにまとめてみました

ノオトでは本当に多くのことを学ばせていただきました。

記事の編集だけでなく、企画はもちろんディレクションもやることで、苦手だったマルチタスクの処理や進行管理能力が多少なりともマシになったと思います(本当に辞める間際まで至らぬ点だらけでしたが……)。
何より、ライター時代は音声起こしでぐらいしか他のライターさんの取材や推敲の過程を観察することはできなかったのですが、カルチャー系からビジネス系、就活・転職系とさまざまな媒体でさまざまなライターさんとお仕事することで、いい記事を書く上でのアプローチってこんな手段があるんだな、また依頼したくなるライターさんってこんなタイプもあるんだ、と、「職業としてのライター観」の幅が大いに広がった4年半でもありました。

ノオト社員のみんなもすごく優秀で、特に仕事への責任感についてはいつも学ばせていただきました。
2週間に1回の全体定例会では、社員の作った記事についてみんなから意見やアドバイスをもらう振り返りの時間があるのですが、様々なノウハウや編集視点を得られて大変刺激的でした。こういう機会を業界全体でも持てるといいですね。

一方で、社員それぞれに文化や寛容性を愛する心もあって、本当にみんなのことが大好きでした。

思い出をまとめようとすると難しいので、印象に残っているものを箇条書きで書き綴ろうとしたのですが、

・初の社員研修旅行で北九州へ行くとき、羽田空港の搭乗ゲートを杉山さんと一緒にくぐったら安心してしまい、その後別行動で実家へのお土産を買ったりヤンジャンを立ち読みしたりしていたら、出発時刻を勘違いしていて飛行機に乗り遅れた

・無人の搭乗口(飛行機まで客を輸送するバスの乗口)を見て呆然としていたらJALの人に「黒木さんですか!?」「飛行機の出発が予定よりも遅れているんでまだ間に合います!」と言われたので真っ白な頭で「はい・・・」「はい・・・」と応えていたら、自分専用のバンがやってきて搭乗口まで向かう展開となり、JALの人がインカムで機長らしき人に「いま一人向かっています」「もう少しで着きます」みたいなことを繰り返すので責任に耐えきれず「自分は本当にいいので行ってください・・・」「発ってください・・・」と懇願するもバンは飛行機に到着し、お土産を両脇に抱えたままタラップを登って機内に入るや、乗客たちが「なんでいま人が乗ってくるん?」「原因はお前か?」と言わんばかりに一斉にこちらを見てくるのをかいくぐり、なんとか座席へたどり着いたら、宮脇さんが悪そうに笑っていた。あと、そのときの死にそうな顔の自分を神田くんがしっかりスマホで撮っていた

となんかもうここでお腹が痛くなってきたのであきらめました。

抜けているところの多い自分を会社に置いておいてくれた宮脇さん、桑山さん。
同じチームのリーダーとして率いてくれながらも音楽に映画から料理までいろんな感性を共有しあえるのがいつもうれしかった関さん、同じ案件をもっとも一緒に手掛けて何度もスケジュール進行でお尻を叩いてくれた伊藤さん、純真とパンダの魅力を教えてくれた高橋さん、若くして素晴らしきプロフェッショナル精神と教養&センスを宿している中込さん、入社当初に編集仕事がこなせずデスクで切羽詰まった顔をしているときにいつも気さくに声をかけてくれたうないさん、どんなハードワークもタフにこなしながらも他者に優しい&ゲームや映画などサブカルコンテンツのインプットも欠かさない杉山さん、自分より4、5歳下なのに同年代のように仲良く接してくれて&他者への公平性と秩序の構築ぶりが素晴らしい野阪っち、居心地のよい場作りに取り組みながらも自分の趣味もとことん楽しんでいるのが素敵な鬼頭さん、仕事の有能さと圧倒的センス&ユーモアで個人的にラジオパーソナリティになってほしい人No.1の水上さん、ひょうきんなキャラでいつも笑わせてくれながらも紙媒体で培った経験で新しいノウハウをいっぱい会社にもたらしてくれていた守屋さん、大阪と東京を往来しながら副業でクラシック音楽の書き仕事もこなしている向上心にいつも感服していた桒田さん、どんくさい自分を慕ってくれながらも新卒からコツコツと力を着けている姿が誇らしい阿部さん、自分の人生におけるある種のバンド仲間だと思っている森さん。

ノオトで働けて本当によかったです。ありがとうございました。

書ききれない感謝はまた直接伝えたいので、ご飯やお酒に行ったり、読書会やカラオケ、バンド、合唱、焚き火を一緒にやったりしましょう。

最後はノオトへの感謝ばかりになって失礼しました。
しばらくはリトルプレスをつくって本をいっぱい読もうと思うので、引き続きみなさんよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?