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何度でも読みたい。

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何度でも読みたい。noteで読ませていただいた、そんな記事をまとめています。
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#冒険

100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

noteでもこれまで何度も「100マイルアドベンチャー」については書いてきましたが、今年も開催します。

改めて、100マイルアドベンチャーとは、2012年から私が継続して毎年開催している、小学6年生限定の夏休みの冒険旅。

100マイル(160km)を10日ほどかけてキャンプしながら踏破する、冒険の旅です。

毎回、開催ルートを変えながら行っています。これまで過去12年のルートは以下。2018年

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人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

40歳を過ぎてくると、それまで自分の道をひたすら邁進していた人が「若い世代のために」「自分のことよりも社会に」と言い出す人が多い。

もちろん、そうではない人もいる。

私の周囲にも、登山や冒険の界隈の人で、かつては「冒険に社会性なんてない。社会と関わらない方がより美しい行為ができる」と断言していたような人物が、40歳を過ぎてしばらくした頃から「若い奴らのために」という言葉が出るようになり、ずいぶ

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冒険家になるには

冒険家になるには

一般的に「◯◯家」というのは、誰でも、いつでもなれる。

私は「冒険家」を対外的な肩書きとして使っている。時々「どうやったら冒険家になれますか?」と聞かれることがあるが、そんな時は「名乗ればいいんです」と答えている。

「◯◯家」は、言ってみれば全て「自称」でしかない。なるための試験があるとか、資格が必要とか、そんなものはない。

「◯◯士」もしくは「師」などの、いわゆる「士業」は資格が必要だ。弁

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本屋になるには

本屋になるには

昨年、冒険研究所書店のツイッターで以下のような連続ツイートをしたところ、バズった。
それを受けて、潜在的に「本屋」に憧れを持っている人が多いのだなぁということを実感したのだが、まずはその時のツイートを紹介。

ここでも書いている通りに、本屋は誰でも始められる。

このツイートで私が提案していたのは、いきなり「フルスペック本屋」を始めなくても、たくさんの人が小さな「マイクロ本屋」を始めるというやり方

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未来は変わらない。変えられるのは過去だけ

未来は変わらない。変えられるのは過去だけ

変わるのは過去?未来?

「過去は変えられない。未来は変えられる」なんて言葉を聞くことがある。

いつも感じるのだが、ものすごい矛盾している言葉だ。だって、未来はまだ来てもいないし、何の現象も起きていないのに「未来を変える」ってどういうことだ?何を変えるというのだろう?変える主体がないものを、どう変えるというのだろうか?

「未来は変わる」という人の心理の大部分を意訳すれば「未来を自分の思い通りに

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地域で経済を如何に回していくか

地域で経済を如何に回していくか

冒険研究所書店を開業してから、5月で2年になる。日々、書店として街で営業していると様々なことが起きる。印象的な出来事が今日はあった。

今日店にいらっしゃった年配の上品そうな女性。「本の注文できますか?」と。

女性「いつもは便利でAmazon使っちゃうのよねぇ」

私「ぜひウチも使ってください」

女性「そうねぇ」

私「うちで買ってくれたら、私は向かいの喫茶店でコーヒー飲めるし、喫茶店の人は隣

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行為を言葉でどこまで説明できるか。冒険探検に変わる第三の言葉を探す

行為を言葉でどこまで説明できるか。冒険探検に変わる第三の言葉を探す

冒険と探検

私は「北極冒険家」という肩書きを名乗っている。

昨年から冒険研究所書店という本屋をやっているので、書店主でもある。一般的には、冒険家の方で通っているのだが、私は「探検家」ではない。

時々「北極を探検している、冒険家の荻田さん」と紹介されたりするが、それは仕方ない。多くの人は、冒険と探検をごちゃ混ぜに使っていることが多く、それこそその二つの言葉の語義をいちいち分解して考えるなんてこ

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自然は如何に導くか

自然は如何に導くか

3年前にFacebookに書いていたものを、過去の今日書いていた記事として発見した。ハロルド・ギャティ「自然は導く」を読んだ感想。3年前のものに追記して紹介。

GPSはもちろん、六分儀や地図やコンパスに頼らずに、かつての人たちはどのようなナビゲーションを行なって旅をしてきたか。

単純な話だが、五感をフル活用して、周囲の状況を観察し、理論があれば、それを持たない人からすればまるで第六感の超能力で

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冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

ミヒャエル・エンデの作品のひとつ「自由の牢獄」は、ある男が無数のドアがあるふしぎな空間に落とされ、どれでもひとつのドアを自由に選ぶことができるが、結局どれを選ぶこともできずに永遠の時間をそこで過ごす、という話。

無限の自由を与えられると人間は不自由になってしまうという、文明批評的な童話だ。

なぜ際限のない自由を与えられると、不自由に陥るのだろうか。その理由の一つは「選んだもの」ではなく「選ばな

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冒険と読書

冒険と読書

昨年5月より「冒険研究所書店」を開設し、おかげさまでたくさんの取材などをしていただいた。

取材となると、インタビューを受ける訳だが、まず100%聞かれるのが「なぜ書店を始めようと思ったんですか?」というものだ。冒険家が書店を始めた、というのが皆さん相当に疑問のようだ。

例えば、私がもともと出版社に勤めていて、会社を辞めて書店を始めました、という人物であれば、おそらくここまで「なぜ書店を始めたん

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世界7大陸最高峰空撮プロジェクトを応援する

世界7大陸最高峰空撮プロジェクトを応援する

早いもので、冒険研究所書店をオープンしてそろそろ半年が経つ。

書店として古本と新刊を揃えているが、ギャラリースペースも併設し、現在は探検家でノンフィクション作家の角幡唯介による「北極の10年展」を開催中だ。

彼と私は、10年前の2011年にカナダ北極圏を1600km歩く遠征を行っている。「アグルーカの行方」という彼の著作にまとめられた旅であるが、ギャラリーではその時に撮影したビデオ映像を編集し

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判断の下し方。希望的観測について

判断の下し方。希望的観測について

近年、自然災害が発生した時などに「正常性バイアス」という言葉をよく聞く。

これは客観的な情報を見ずに、事態を過小評価したり都合の悪い情報を無視して「自分だけは大丈夫だろう」という無根拠な偏見を拠り所にしてしまう心理作用のことだ。

これと似た言葉として「希望的観測」がある。自分にとって都合の良い、期待感を込めた結果を想定して、その結果になるのではないかという無根拠を妄信して判断を下してしまう行動

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私は私ではない、だから私である

鈴木大拙「日本的霊性」を、この半年くらい読み返している。

鈴木大拙は、1870年に石川県に生まれた仏教学者。堪能な英語を駆使して、多くの英語著作も残し、欧米に広く「禅」「仏教」を紹介した。1963年にはノーベル平和賞の候補にもなっている、日本を代表する文化人と言える。

「日本的霊性」は、1944年(昭和19年)に出版された。日本が戦争で負けることを予期していた鈴木大拙は、当時盛んに叫ばれていた

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多様な視点を持つための、冒険

多様な視点を持つための、冒険

先日、とある冊子に小学生向けに寄稿した原稿です。多様な視点を持つとは何か?冒険することとは何か?そんなことを書きました。

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皆さんは、北極と南極の違いを知っているでしょうか?

色々な本を読むと、ペンギンがいるのは南極で、シロクマがいるのは北極、なんて書いてあり

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