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[小説] 『鱗』〜21話〜22話。突然の出来事だった。でも、其処には、未来を照らす光がさしていた。
21話
啓介はホッと出来る『自分だけの世界』があった。
そう秘密の場所と言っても良い。誰にも言わずにいたその場所は、日比谷線の広尾で降りると直ぐの所にあり、『有栖川公園』の山の上池に沿った、そこそこきつい坂を登った所に、昭和48年に完成した図書館が秘密の場所だ。
男子は子供の頃から、何かにつけ、秘密基地を持ちたがるのかも知れず、朝10時丁度に門が開くので、それに合わせて