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2019年2月の記事一覧

Social InterestはSelf-efficacyを促すのか?:4 周囲の人たちを信じ、尊敬する力 (2)

尊敬する力のもたらす心理的Benefitは何か?ここ4日毎日この事ばかり考え、仮説を立て論文を読んんでいるが、いっこうに答えが出ない。なので、ここに書きながら考えを整理してゆこうと思う。

まず始めに先生から生徒への尊敬が必要なことは、「幸せになる勇気」にも説明されているように、子供達が安心して自分自身に自信を持って学び行動するために必要なことは良くわかる。この尊敬は子供のSelf-efficac

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尊敬とは?: 4 周囲の人たちを信じ、尊敬する力 (1)

尊敬とはなんであろうか?結局、ここをしっかり因数分解しなければ、しっかりした理論の構築は疎かになる。そこで今日、「幸せになる勇気」を今一度読んで見た。

この本では「尊敬」が教育の入り口である、と述べられている。この尊敬とは、生徒間のものではなく、教師から生徒への尊敬だ。

尊敬なきところに良好な対人関係は生まれず、良好な関係なくして言葉を届けることはできません。

また、尊敬という言葉をある社会

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コミュニケーションに最も大切なのは共感力!?: 3.コミュニケーションができる人(2)

コミュニケーションに最も大切なのは共感力!?: 3.コミュニケーションができる人(2)

効果的なコミュニケーションにおいて、話す力よりも聞く力、言葉の力よりも言葉を使わずに表現する力の方が重要なことは前回の投稿で述べた。

今日は特に聞く力の要素について調べたことを書き連ねていきたい。

聞く力において大切な要素は大雑把に3つあるように思う。
(参考文献1, 参考文献2)

1. 聞く姿勢
2. 感情を読み取る力
3. 理解能力

まず、聞く姿勢というのは相手の話を聞く態度のことであ

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聞く力を劇的に伸ばす5つのトレーニング: 3.コミュニケーションができる人(3)

聞く力を劇的に伸ばす5つのトレーニング: 3.コミュニケーションができる人(3)

人は会話の60%で聞く側にいて、そしてその内容の25%しか把握していないと言われます。

人間は聞き取る情報を雑音の中から選択しているが、近代技術の発展によりその聞き取る力が衰えてきているとJulian Treasure氏はいう。近代技術というのは、具体的には録音や模写など情報を記録する技術のことを指す。いつでも情報を得られる世の中になることによって、人は聞き取る注意深さと忍耐力を失っていったのだ

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最強最高のコミュニケーショントレーニング!?: 3.コミュニケーションができる人(4)

自身の無意識の表情や体の動きで相手の印象のほとんどがきまってしまうなら、それはどうやって意識的にコントロールできるのか??
その答えを見つけるべくいくつかの論文とジャーナルをよんだ。

しかし、これをすれば相手からの印象が劇的に良くなる!、というような魔法のようなものは見つからなかった。なので、今日書くことは残念ながら科学的根拠に基づいていない。

聞く態度や印象については以前に書いたものがベスト

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3. コミュニケーションができる人 (1)

コミュニケーションができる人
私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもっ て創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のもの の見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

コミュニケーション力というと喋る力だけにフォーカスされがちであるが、聞く力も同様に(もしかするとそれ以上に)大切とされている。
また、相手へ伝わる印象もnon-verbal(姿勢、アイコンタクト、ジェ

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3. 挑戦する人

挑戦する人とは何か?

それは「勇気を持つ人」である。

俺は挑戦する人を育てるには困難なときに勇気を持ち一歩踏み出すことができる人間を育てることであり、それはマインドセットを植え付けること以外にないだろう。

Carol DweckはIBのブログでこう語っている。

Students with a growth mindset believe that their most basic ab

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2. 考える人をつくる(3)ー教科の枠を超えた探究プログラム(POI)

「真の意味で教養を身につけるには、児童はそれぞれの教科の間に関連を見いだし、別々のテーマを統合する方法を発見し、最終的には学んだことを自分の人生に関連づける ことができなければなりません」(ボイヤー、1995)

IBの初等教育プログラム (PYP)では、教科の枠を超え、子供達がより実践的な力を育めるよう教科の枠をこえた「探究プログラム(POI:Programme Of Inquiry)」というプ

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2. 考える人をつくる(3)-学校教育

学校という枠組みの中で、考える人を育てるにはどのようなカリキュラムが適切か?

大前 研一氏の「世界への扉を開く考える人の育て方-国際バカロレア(IB)教育が与えるインパクト」という本には以下のようし記されている。

「本当の学びとは自分で考え、自ら学習を進め、様々な人と関係を持ちながら自分が成長することで、やがては地域、日本、世界どこにおいても社会に貢献できる人材を育成する」

この本で、 IB

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2. 考える人をつくる(2)

疑問を持ちつづけられる子供を育てるにはどうすればいいのか。
子育てに忙しい母親が子供の質問の全てに答えられないことは当然のことだ。そのなかでどうするか、ということである。

一番いいことは、その子供を疑問を解決できる環境にいれてあげることだ。しかし、それももちろん簡単なことではない。

では、実現可能な範囲でどうすればいいのか、それは「褒める」ことだ。疑問を持つことは、人を困らせることではない。そ

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2. 考える人をつくる(1)

少し話が脱線していたが、IBの話に戻ろう。

一つ目に探求する人について触れたが、次に「考える人」について調べまとめてゆこう。

考える人をつくる教育というと一見難しそうに感じるが、誰でも知っているこういう名言がある。

人は考える葦である
ーブレーズ・パスカルー

そう、何もしなくても人はそもそも自ら考える生き物なのだ。しかし、それを拒むものがこの世のには多々ある。

子供は一歳を過ぎ、「なぜ」

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1. 探究型学習 (2)

1. 探究型学習 (2)

さて、またIBの資料に戻ると、"dynamic cycles of inquiry (action and reflection)"と名付けた探究のサイクルを大事にして以下の四つのことをカリキュラムの中で心がけている。

1. centres on learners
2. develops effective approaches to teaching and learning 
3. work

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バカロレアとは

みんな大好き(?)のwikipediaによると、バカロレアは正式名称をInternational Baccalaureate(国際バカロレア)とよび、より良い平和な世界を築くために貢献する人材育成を目的とした教育プログラムであるという。

バカロレア教育について探求する上でいまの自分がまず探求すべきことは優先度順にあげれば以下の三つであろう。

1. バカロレア教育が育てる力とその育て方
2. バ

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1. 探究型学習 (1)

探究型学習と聞いてまず思いつくのは、目下自分自身が所属する大学で取り組んでいる『Independent Study Program』である。

俗にISと呼ばれるのだが、これを日本語に訳すと、「自由研究」と訳されるようだ。自由研究というと急にとても聞き馴染みのある言葉である。誰もが小学校や中学校でやったものだ。しかし、卒論としてやっているISと自由研究とはもちろんやることが甚だ違う。探究度の深さが

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