2. 考える人をつくる(2)

疑問を持ちつづけられる子供を育てるにはどうすればいいのか。
子育てに忙しい母親が子供の質問の全てに答えられないことは当然のことだ。そのなかでどうするか、ということである。

一番いいことは、その子供を疑問を解決できる環境にいれてあげることだ。しかし、それももちろん簡単なことではない。

では、実現可能な範囲でどうすればいいのか、それは「褒める」ことだ。疑問を持つことは、人を困らせることではない。それは素晴らしいことであり、人生を豊かにしてくれることだ。それを教えてあげることが何よりも大切だ。

よく、褒めて伸ばすか叱って伸ばすか、なんて議論があるが、その答えは心理学の観点からいえば明らかだ。「褒めて伸ばす」これにつきる。褒めて子供の自信をつけることを心理学用語ではSelf-Efficacy(自己肯定感)とよぶ。教育心理学ではこのSelf-efficacyを伸ばすというのが非常に大きなテーマであるように、褒めることというのは躊躇せず進んですべき非常に大切なアクションなのである。

この概念は小さい子供だけでなく、大人にも当てはまる。グループワークを円滑にする上で、褒める文化は非常に推進していきたいところだ。しかし、褒めることとは別に学校教育のシステムとして、考える人をつくることは可能なのだろうか?