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聞く力を劇的に伸ばす5つのトレーニング: 3.コミュニケーションができる人(3)

人は会話の60%で聞く側にいて、そしてその内容の25%しか把握していないと言われます。

人間は聞き取る情報を雑音の中から選択しているが、近代技術の発展によりその聞き取る力が衰えてきているとJulian Treasure氏はいう。近代技術というのは、具体的には録音や模写など情報を記録する技術のことを指す。いつでも情報を得られる世の中になることによって、人は聞き取る注意深さと忍耐力を失っていったのだ。

そして、短い一方通行のメッセージが増え、そこからえる浅い理解から人は誤解をし争いをうんできたと、同氏は言う。聞き取る力こそ、今、教育の現場でトレーニングされるべき力なのだ。そしてその方法としてTreasure氏は五つのトレーニングを紹介している。

1. 沈黙
2. 雑音に耳を澄ます
3. 音の鑑賞
4. リスニングポジション
5. RASA

簡潔に述べると、1は瞑想、静けさを感じることにより耳をリセットする。2・3は周囲の音に耳を傾け、忍耐力と注意深さを鍛える。4は聞き手としての情報を受け取る時の態度を指す(以下画像)。

そして、最後にRASAとは以下の四つを指す。具体的には、Receive: 注意深く聞く、 Appreciate: 頷く、Summarise: 要約して話す、Ask: 質問する。というものである。

これら5つのトレーニングは、見事に前回紹介した3つの能力(聞く姿勢, 感情を読み取る力, 理解能力)を伸ばすものでもある。これにクライテリアを付け加えれば教育の中に組み込んでゆけば、教育のなかで子供の聞く力を上げていくことができるようになるであろう。