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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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2021年10月の記事一覧

dieありき、だからドLIVEする〜Base Ball Bear『DIARY KEY』

dieありき、だからドLIVEする〜Base Ball Bear『DIARY KEY』

誰かの死を感動の引き金とする物語は数多くある。僕もそんな作りを持った作品で好きなモノは多いと思う。死をどう受け止めるか。その描き方次第で作品の持つ意味は深まり、胸に残る忘れがたい作品になるものなのだ。

ただ世界がコロナ禍に突入してからというものの粗雑な作りの"死ありき"な物語を受け取る度に徐々に嫌気が差してきた。毎日のように死者数が報じられ感覚も麻痺しかけるのだが、数値化されたその1つ1つの死に

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結婚式、その後

結婚式、その後

結婚式から二ヶ月と少しが過ぎ、色々と振り返れるアイテムが揃ってきたのでいくつか載せます。夏場は熱に浮かされたように投稿してたけど冷静になると少し照れる。そんな結婚式note最終章。

ウェルカムボード。オープニングで作ったアニメーションに出てきたレゴたちを配置しています。

妻のメイク。こういうカットも自然に撮るんだよなぁ。

それを見つめる僕の寄り。愛用の赤バッグも映ってる。

アイテムも丁寧に

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SENSAにSACOYANS『Gasoline Rainbow』のレビューを寄稿しました

SENSAにSACOYANS『Gasoline Rainbow』のレビューを寄稿しました

SENSAに2回目のレビューを寄稿しました。福岡オルタナの至宝・SACOYANSの2ndアルバムについて。久々にかなり自由に書きました。想像力をじんわりと広げていくようなアルバムだったので、好き勝手に妄想してみました。

以下、ボツにした部分を勿体ないのでこちらで公開します。色んな切り口で書ける作品は、最終的にどこを残すかすごく悩みますね。今回は、作品を妄想まじりに自由に語るレビューに舵を切ったの

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クラムボン 2021“爽秋編”@名古屋CLUB QUATRRO

クラムボン 2021“爽秋編”@名古屋CLUB QUATRRO



9月の終わりに愛知に引っ越してから初めてのライブ。せっかく名古屋に来たのだから東名阪ツアーを開幕に選びたかった。クラムボン、2年ぶりのワンマンツアーで2年ぶりの名古屋ライブ。近作から「蒼海」と「タイムライン」という、じっくりと聴かせる2曲から始まるあたり、結成26年目の威厳を感じる。そこから「サラウンド」でぱっと光景が開けるあの感じ、メンバー紹介を交えながら軽快に調子を掴んでいく「シカゴ」の高

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コントと演劇、物語と驚き~KOC、そしてダウ90000

コントと演劇、物語と驚き~KOC、そしてダウ90000

キングオブコントについて散々語ったつもりだったけど、まだ掘り下げきれていない部分があると思い書き始めている。あの大会において審査員が多く言及していた"ストーリー展開"と"裏切り”についてのことだ。

随分とストーリー仕立てのコントが増えたなぁと実感する大会だった。過剰にデフォルメしたやり取りやキャラクターで押し切る時代、無機質な反復が支配していた時代など様々あったが、間違いなく今はドラマチックなコ

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#スキな3曲を熱く語る ~あの日、あのライブ、あの瞬間

#スキな3曲を熱く語る ~あの日、あのライブ、あの瞬間

ライブに普通に行けなくなってもう2年近い。別に大声を出したり揉みくちゃになりたいわけじゃないのだけど、大声を出したり揉みくちゃになってもいいという前提自体がライブという空間の自由さを象徴しているし、その非日常性と解放感は格別だ。スキな3曲を熱く語る、というテーマで今書くならば、かなり元気を失っているライブエンターテイメントへの想いを高めるべく、個人的に節目となったライブで聴いた楽曲に絞ろうと思った

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オンラインで演劇を観た⑥(イキウメ「外の道」/ケムリ研究室「砂の女」)

オンラインで演劇を観た⑥(イキウメ「外の道」/ケムリ研究室「砂の女」)

イキウメ「外の道」

劇作家・前川知大が率いるイキウメ。昨年の公演延期を経て更に深堀りがなされた末に完成したという本作。池谷のぶえがメインキャストにいたし、コメディを得意とする安井順平の受け方も相まって序盤こそ油断しながら観ていたのだが、手品師のエピソードから事態が一変していく。また、池谷のぶえが自分の身に起きた出来事を話し続けるシークエンスにはどんどん引き込まれたし、終盤に舞台上に現れた怪異は配

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