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#絆

琥珀のグラス 《詩》

琥珀のグラス 《詩》

「琥珀のグラス」

物事の終わりは 
いつだってあっけないものだ

世界は一定の原理に従い

然るべき方向に流れて行く

僕は夢の中の

彼奴の事を探し求めている

夜の闇は当たり前だけど暗いんだ

彼の歌う詩は 

ひとりで聴くには悲しみが強すぎる

危うさが勝ち過ぎている

琥珀のグラスの中に想い出を留めた

僕が大切にしていたものは 
彼の記憶だと気が付いた

妙にくっきりとした形の月と風の

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夜を忘れた花 《詩》

夜を忘れた花 《詩》

「夜を忘れた花」

儚い程の細い血脈にも

生きた赤い血が流れている

何処までも繊細で美しい
君の最後の声が空に消える

熟考は深い沈黙を必要とし

夜を忘れた花の傍には

眠りと覚醒 

現実と非現実の夢が横たわる

風や水が流れる様な陰影が

僅かに不揃いな図形に映り込む

君は居なくなったけど 
君はいつでも僕の傍に居る

其処にある無言の想いが

言葉にならない声になる

喪失と喪失 

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共犯者 春を呼べ 《詩》

共犯者 春を呼べ 《詩》

深い混乱の中に
均等なふたつの光の存在を探した

失われて行く時間の感覚 

ある種の衝動が

頭上からずれ堕ちて来る

僕は夢と想像の中に言葉を探す

其れは誰か特定の人に
向けられた言葉では無い

其処に見える憂鬱な風に包まれた

名前を持たない
消えかかった田園風景

其の僕の中にある

無名の場所を埋める為の言葉だ

疵痕も残さず切り裂いた刃 

大量の現実の血が
流されたはずだった

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水平線 《詩》

水平線 《詩》

「水平線」

果てしない偶然性が積み重なり
今が形成される

理論や整合的な説明は出来ない

全ては其の偶然性に支配されている

其れを必然と呼ぶのかもしれない

其処には
言葉に出来る何かは存在しない

言葉に出来ないものの中に
潜む自己規定

幾つかの街が通り過ぎ 

鏡の中にお前を見る

深い夜と静けさが永遠に続き

時を刻み命と死が交差する

誰にも
解き明かせない唯一が此処にある

俺と

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小さな炎 《詩》

小さな炎 《詩》

「小さな炎」

僕の足元に

寡黙な陽だまりを作り出す太陽

時間は更に緩やかに流れる

君は猫の様に

暗い穴を覗き込んでいる

其の先にあるものは

君の瞳にしか映らない

その暗い穴には

深い暗示が隠されていた

「今日死んでしまえば 明日は死なずにすむ」

君はそう言葉にして囁く

其処はいつまでも

君が居る場所じゃない

何度も君にそう呼び掛ける

僕等はきっと

何処かに行く事が出

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月下の詩人と盲目の犬 《詩》

月下の詩人と盲目の犬 《詩》

「月下の詩人と盲目の犬」

大きな美質と

大きな欠陥が背中合わせに存在する

其処には見え透いた理論は無い

疑問を背負ったまま

僕等は今を歩き続けている

一匹の盲目の犬

何かに損なわれる事が無い様に

僕は其の犬を抱きしめていた

その失われた瞳を通して
彼はこの世界に現れる

そして彼の言葉が

僕の意識の領域に着地する

時間の歩みすら止まる気がした

ソメイヨシノが香る時

嘘しか

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魂のドア 《詩》

魂のドア 《詩》

「魂のドア」

神は要らない 

其処に欲望はあるか

其処にプライドはあるか

悔しさで握りしめた拳

僕は泣き腫らした眼で
信頼できる本当の友を探した

魂のドアを開けろ

夢はいつか見た 

夏の夜の流星ではない

忘却 《詩》

忘却 《詩》

「忘却」

無意識の領域から

浮かび上がる記憶と欲求

割れた雲間から見えた幾つかの星

遠く忘却の中に消えた彼奴の言葉は
まだ僕の中に残っている

彼の意志の力は其処に留まり 

星を輝かせる 

光と影の複合体が創り出す本当の姿

其れは美しさの奥に隠された資質

表面上に見えるものが

美しくある必要も無い

例え醜いものであったとしても

僕は彼を正確に理解し
その輪郭を描く事が出来た

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モノクロ 《詩》

モノクロ 《詩》

「モノクロ」

言葉の殺人 流れ崩れ落ちる様

次元を超えた常識の外側 

数々の帳尻合わせ
煙の向こう側に消えた

時間で支配されたモノクロの世界

シラフじゃ超えられない事柄

望みを拒む風が
壁となり立ちはだかる

取り損ねた金 闇に消える灯り 

重圧と向き合う日々

殴る様に書き続け 
ひたすらに巻き火を付ける

置き去りに
出来ないままの言葉が徘徊

過ちに染まる過去に学べば
自ずと向

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沈黙 《詩》

沈黙 《詩》

「沈黙」

孤独の中に属された
重い記憶が囁きかける

僕等は生き続ける意志を探す

語りかけた沈黙 

いつか失われて消えていくはずの
風だけが吹いてる

誰もが皆 

静かに死に向かい

死が僕等を迎えに来る

探していたものは何ですか

それは見つかりましたか

性別を超えた優しい光

優雅にも感じるその微笑み

魂の繋がりと絆 生死を超えた概念

答えはきっと僕等の心の中にある

僕は ま

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星影 《詩》

星影 《詩》

「星影」

風と月 

目覚めた華は夜に舞う

瞳に灯した消えない光

星影降る夜に耳を澄ませば

君の扉が開く音が聞こえる

僕等の約束は永遠となり

月は囁き 

風は詠う

たとえ命に限りがあるとしても

夢の断片 《詩》

夢の断片 《詩》

幾筋かの線を引き

流星が流れ闇を切り裂く

満ちた静寂は消えた

何もかもが夢で何もかもが現実

眠れない夜に微笑む
あの娘の様に見えた

僕が此処に来たのは 
君が僕を呼んだから

死んでしまった夢の断片 

時間を彷徨い 

今 光となり共に歩む

一等星 《詩》

一等星 《詩》

沢山の星を夜毎 
皆んなで数えたね

無限の輝き 緩やかに
風に舞う刹那の夏夜

流れ星はきっと涙の色をしてる

独り数え続ける星の数

黙るなよ 
教えてくれよ お前の星を

またひとつ星が流れた

俺の想いと願い事

眠れずに眺めてた星の空

見つけたよ 一等星

夏の星座 

天の川 

俺達の大三角 

俺とお前とあの娘の星

琥珀に溶けた結晶 《詩》

琥珀に溶けた結晶 《詩》

「琥珀に溶けた結晶」

振り返りまた前を向き 

下を向きそして天を仰ぐ

充満して行く煙と
静脈に溶けて行った半透明の結晶

砕き割り粉状にしたコーク 
塗り付ける粘膜

汚れてるけど綺麗だよ
濁ってるけど純粋だ

人はいつからだって生まれ変われる

なぁ そうだろう 
そうだったよな

星屑だらけの夜空に
お前の星を見つけた

Every doors leads to you

全ての

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