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芸術都市マントヴァはユダヤ人コミュニティを隔離したくなかった (EX NOVOオンライン講座から)
以前、古楽アンサンブル EX NOVO が企画するオンライン講義シリーズ、vo.3 『モンテヴェルディ《オルフェーオ》~様々な角度から概観する~』 を受講した感想などを、備忘を兼ねてnoteに記しました。講座のメインは、世界初のオペラ作品『オルフェーオ』についてなのですが、3時限目の、当時のマントヴァの様子がとても興味深く、私のメモ書きはそのことに終始していました……。
講師は音楽学の萩原里香先生
アーティストは「必要不可欠な」存在ということを、オーディエンスが体験的に実感していくために。
コロナ禍による行動制限や支援について、エッセンシャルワーカーの定義について様々に語られる中で、
「アーティストは必要不可欠であるだけでなく生命維持に必要」
ということを、私たちは確認しあいました。
しかし私たち聴衆・鑑賞者が、この事を一時の共感や理屈だけのものとして過ごしてしまわずに、自分事の体感として持っているか、ということについて、一つの体験を記しておきたいと思います。
ある時、「バーン
“Nigra sum”は東北の3月
震災から数年間、3月になると言いようのない重苦しさを感じていました。
あの日、ここ秋田は奇跡的にも大きな被害がなかったのですが、毎年3月になると、追悼、というのとはちょっと違う、重い空気が漂いました。楽しいことをするのも、楽しいことを言うのも憚られるような、罪悪感。きっと日本中がそうだったのでしょう。
そんな中で、ある時、モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」の“Nigra sum(私は黒