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備忘録&スキが押しても付かなかった時対策です。
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#短編小説

第一回怪獣小説大賞

第一回怪獣小説大賞

「新規書き下ろし作品の参加限定!」
「カクヨムより現れた本企画をこれより“第一回怪獣小説大賞”と呼称する!!」

 というわけで、怪獣小説大賞のお時間です。
 怪獣文芸の方が響きがよくて好きなんだけど、そういう本はもうあるので……。

 今回の企画では、“怪獣小説”を募ります。

◆作品審査と講評

 第一回怪獣小説大賞では、参加したすべての応募作品に対して主催者が講評をつけます。
 また、本企画

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優雅ですばらしき殺戮

優雅ですばらしき殺戮

ぼくが思うに、「殺戮」という行為は人類種にとって欠かすことができない要素だ。

ムラ社会だったころの生存圏と糧食を確保するための戦いから、イデオロギーの摩擦により起こった国家間の戦争。日常に溢れた殺人事件の数。異なるコミュニティの断絶を、ソーシャルメディアが壊したことで生じる無自覚な殺意。

そんなものを超えて、ぼくの心を捉えて離さない殺戮行為がある。

熱した鉄板、鈍く輝くナイフ、デロリとした肉

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工場の日常

 工場の回転する機械に巻き込まれて夫が死んだ。

いつものことだ。

私はそこの工場長だ。

 不況が続いてもう数十年、安全に対するコストは削られ続け、もはや安全を理由にした稟議書は一枚も通らなくなった。それがおかしいと声をあげた前工場長は首になって、私が新しい工場長になった。実務経験は浅かったが、こうすれば女性管理職の割合目標を達成することができるらしい。女性管理職の目標なんて、守ってない会社の

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おれはFF14二次創作でプラクティス・エブリデイした

おれはFF14二次創作でプラクティス・エブリデイした

おれだ。おれはその後ミルウーダをこの手で殺した。絶望的な貴族と平民の断絶に…NAMIDAを流し…それはそれとして更に下賤な存在であるMANOMOを狩り…アイアムラムザ。シーフ、アンド、アーチャーしている。

そんなおれの最近のテキストカラテ稽古の模様をお伝えしたいと思う。

注意書きファイナルファンタジー14の話をする

自分のアバターと他人のアバターが登場する二次創作の話をする。つまり「うちよそ

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ラブホテルのご飯を食べると泣きたくなる

ラブホテルのご飯を食べると泣きたくなる

語弊がないように最初に言っておきますが、これはラブホテルのご飯に対する批判を述べたものではありません。
むしろ「ここはレストランか!?」というほどハイレベルなご飯がラインナップされているホテルには毎度驚かされます。

けれども、というかだからこそ、なのでしょうか。
ラブホテルでご飯を食べるときにはいつも底知れぬ悲しい気持ちになってしまいます。

夜の深く、さらに深くにふたりだけ取り残されたような、

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【ファンアート】『殺し屋イヌイ ワンナイト・ブリッツ!!』を読んだんだからね!

【ファンアート】『殺し屋イヌイ ワンナイト・ブリッツ!!』を読んだんだからね!

たちかぜさんの『殺し屋イヌイ ワンナイト・ブリッツ!!』を読みました。まるで近所へ買い物に行くかのようにミッションをこなす、現代の殺し屋稼業。読者に語りかけるような、主人公イヌイの軽妙な口調が好みでした。

ジャンルは「殺し屋パルプ」とでも言ったらいいのでしょうか。とても口当たりよく洒脱なこの小説を、ファンアートで応援します!

◆殺し屋イヌイ ワンナイト・ブリッツ!!

敵地潜入とバトル! 命を

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【短編】ある復讐者の話【二次創作】

【短編】ある復讐者の話【二次創作】

 冬の風が、墓地を撫でつけていた。
 そこらじゅうに雪が残っている。無数に並ぶ墓石は雪をかぶり、名前と墓碑銘は白く潰れ、どこの墓にも、供物は何もなかった。

 この寒さの中では当然だ、と俺は考えた。猛吹雪の翌日、曇った1月のこの天気の下、墓参りなどする奴はいない。普通は。
 その寒風の中で佇む男を認めた時、俺はため息をついた。吐く息が白い。つまり奴は、普通じゃないということだ。 
 奴は、ジョニィ

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【短編小説】 俺 vs 読書感想文(下) 実践編 そして…… 

【短編小説】 俺 vs 読書感想文(下) 実践編 そして…… 

 まずは題名だ。これはもうそのままでいい。
 改行して、2行目に学年と名前、ほらもうこれで残りたった98行……まだそんなにあるのか……。

 俺は本編1行目を書き出そうとした。

 手が止まった。
 何も浮かばない。

 こういう時は姉貴のメモだ。

1.ごく簡単なあらすじや説明、あるいはこの本を読むに至るまで

 これは難しくない。子供の頃に読んだ本なので、「子供の頃に読んだ本です」というのを適

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【短編小説】 俺 vs 読書感想文(中) 学科編

【短編小説】 俺 vs 読書感想文(中) 学科編

 読書感想文の簡単な書き方。
 そんなものは学校で習った記憶がない。教科書にもなかったはずだ。毎年「はい、読書感想文は5枚ね」と言われるだけだ。
 いや、もしかしたら女子だけは教わっているのではないか? 保健体育で、男女が分かれて授業を受ける時……

 それはさておき、俺は前のめりになった。
「あるんですか、そんなものが」
「近い」
 俺は身を引いて、絨毯の上に正座した。
「教えていただけますか?

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【クリスマスだよ!かわいい犬ぞりvs間違った発注で作られちゃったヘラジカソリレーシング大会!】#パルプアドベントカレンダー2020 12/18

 島嶼基礎部に巨大な乾ドックと艦船をいくつも接続した巨大な島にも、クリスマスがやってきた。
 艦船の船籍によってはそういう行事が無い国もありそうだが、この島では船上の会社ごとのカレンダーが優先されることがほとんどで、多少の原理主義者のぶつかり合いに警備会社と警察が動員されるが概ね無事に済みホリデーシーズンに突入する、いつもの時期になった。
 医療法人あけぼの会病院と周辺施設を満載して接続されている

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【短編】 聖夜に祝祭を、すべての祝祭を #パルプアドベントカレンダー2020

【短編】 聖夜に祝祭を、すべての祝祭を #パルプアドベントカレンダー2020

 2021年12月のクリスマスは、盛況を極めた。

 急がれた特効薬の開発の最中、ヤケを起こした科学者のひとりが複数のシャーレを壁に投げつけて破壊したところ、奇跡が起きた。
 いい感じに混合された薬品がうまい具合に作用し、副作用のない薬が12月半ばに完成したのである。

 津波のごとく嵐のごとく、その薬は世界中に届けられ、人類を苦しめ恐怖に陥れた疫病は12月20日前後をもって、完全に収束した。 

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【たのしいどうわ】うさぎとメカ

【たのしいどうわ】うさぎとメカ

「やぁ、うさぎさん。またせたね」 
 かめさんは、うさぎさんのまえに立って、いいました。
 うさぎさんは、なにも、いえませんでした。
 かめさんのからだのおおきさが、3メートルになっていたからです。
 もはや、巨体と表現せらるるほどのおおきさでした。
 
 きのうのおひるに、「かけっこしよう」といった、あのちいさなからだとは、くらべようもありません。
 かけっこを見にきた、たぬきさん、くまさん、き

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トランプvsバイデン

トランプvsバイデン

 今日で大統領執務室の椅子に座るのも最後だ。
 歴代大統領のケツの汗を染み込ませたそれは、もたれかかると応えるようにキイと鳴いた。
 不思議と、今日で大統領の座を辞することに、なんの感慨もわかなかった。それどころか、この4年間、アメリカで最も偉大な男であり続けた日々は、非常に空虚なものだった。
 何故なのかはもうわかっている。
 あの半年だ。あの半年が私を狂わせた。
 あの男とのアメリカの頂点を決

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【超短編】ショートショート [本文の前に注意書きを必ずお読みください]

【超短編】ショートショート [本文の前に注意書きを必ずお読みください]

★★★注意★★★
★★以下の文章を必ずお読みください★★

No.1
本ショートストーリー(以下SS)はフィクションです。実際の事件や出来事とは関係ありません

No.2
類似のアイデアを用いた作品が先に存在しているかもしれませんが、盗作ではないことを先にお断りしておきます

No.2-補
本SSのような断片的なアイデアは誰の頭にも思い浮かぶものであり、またこれに類するアイデアは日本においてほぼ普

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