ドント

おもに小説が並んでおります。著作権フリーの怖い話「禍話」リライトから、自作の奇ッ怪な作品までいろいろある雑貨屋です。タメにはならないよ! ☆ブログに書いていた「禍話」リライトシリーズはこちらに移転しました。

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    • 拙著・禍話リライトまとめ 51~100 +α

      無料&著作権フリーの怖い話ツイキャス「禍話」から、私がリライトしたものをガーッと総まとめにしたマガジン。前の50話+αはこちら↓↓↓ https://note.com/dontbetruenote/m/mb0ae1767b460

    • 謎の文字列 ~雑~

      小説ではないものの置き場です。

    • 短編集 ~温~

      単発小説とかそういうのの置き場です。あたたかみのあるお話(作者による主観)が置いてあります。

    • 逆噴射小説関連

      「ニンジャスレイヤー」で有名な創作翻訳チーム、ダイハードテイルズが営む賞や小説講座にまつわる記事をぶっこんだマガジン。ほぼ自分用。

    • 拙著・禍話リライトまとめ 1~50 +α

      無料&著作権フリーの怖い話ツイキャス「禍話」から、私がリライトしたものをガーッと総まとめにしたマガジン。50話+番外編7話収録。51話からは、こちら↓↓↓↓ https://note.com/dontbetruenote/m/mdfe74858d008

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    【怖い話】 ぬりかべ 【「禍話」リライト95.5】

    「『ぬりかべ』と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?」  Yさんはそのように話を切り出した。  ぬりかべと言えばあの、鬼太郎の仲間でコンニャクに手足が生えたような──と答えると、Yさんはそうですよね、と頷く。 「けどそのイメージは、水木しげるが想像……いや創造したモノなんです」  元々「ぬりかべ」と言うのは、 「目の前が壁のようになって前に進めなくなる」  という怪異・現象のことを言うのだとYさんは語る。  民俗学者の柳田國男によって九州の福岡県で聞き取られた話でし

      • 【怖い話】 深夜のファミレス 【「禍話」リライト95】

         Xさんは学生時代の夏休み、アルバイトをしていた。 「夜のね、ファミレスなんですよ。深夜から明け方までの」  郊外店だったし、立地もあまりよくない。夜中には客足はぱったりと途絶えてヒマになる。しかも、 「夜間手当ってのがつくわけです。いやぁ、ウマいバイトでしたよ……」  そんなゆるいバイトだったので、あの日の夜のことは今もよく覚えているそうである。  夏休みも半ばの、ある夜のことだった。  その日は0時近くになると、店に客がいなくなった。  夜のスタッフはXさんと、

        • 【読書】短評・2022年に読んで面白かった本 14冊くらい

           タイトルの通りです。去年読んだ「字ぃばっかりの本」は60冊くらい。マンガは数えていない。  短めにザーッと流していきます。だいたい読み終わった順。 【1】『双面獣事件』二階堂黎人  戦時中の沖縄の孤島に! 毒ガスを吐き! 目から怪光線! 顔がふたつで腕が4本、超怪力の巨大ゴリラが出現! しかも二体! 住民惨殺! という導入からはじまる大巨編ミステリ。  ……いや、ミステリなんですかねこれは? ミステリはミステリか。謎も謎解きもあるし。そうか? 四捨五入していったら厳しく

          • 【怖い話】 長い単語 【「禍話」リライト 即出し番外編】

             Bさんが小学生の頃の話。  当時、こっくりさんが流行っていた。  Bさんのクラスでも「やろうぜ! こっくりさん!」と言い出すAというヤツがいた。  面白そうだなと思ったBさんは、参加してみることにした。  放課後の教室、4人で寄り集まって紙を囲む。  こっくりさんは無事に降りてきた。 「わ。降りてきた降りてきた」 「ホントなんだ」 「やべぇ~、マジか~」  などと驚きつつ、とりあえず質問をしてみる。  ところが、こっくりさんは質問に答えなかった。  十円玉は五十音

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            【怖い話】 からっぽの家 【「禍話」リライト94】

             津川さんはその家に着いた瞬間から、「おかしいな」と思ったそうである。 「友達の秋山ってヤツが、引っ越しの手伝いしてくれって言うんですよ。親戚のおじさんが借りてた家を引き払う、って。で、行ってみたら」  2階建ての、一軒家だった。 「おじさん家族、じゃないんですよ。ひとり暮らし。中年の男が、2階建ての一軒家……ねぇ?」  妙だなと思いつつ、他に呼ばれた大学の友人たちと家に上がってみた。  家具がない。  は? なんで家具ないの? と秋山くんに聞くと、 「一昨日、先に運

            【映画】2022年に観た「怪映画」8選+おまけ【なんだこれ】

             皆さん、今年の映画はどうでしたか? 『トップガン マーヴェリック』 『シン・ウルトラマン』 『HiGH&LOW THE WORST X』 『RRR』 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』 『ブラックアダム』 『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』 『THE FIRST SLAM DUNK』  などなど、色々ありましたね。私は全部、映画館で観ました。  でもこの記事に……それらの感想は一切ありません!   ここにあるのは、私が今年観た「なんかちょっと変な映画」

            【怖い話】 覗かれる家 【「禍話」リライト93】

             亡くなった奥さんは、日記をつけていたそうである。  家計簿の余白に毎日2、3行、日々のちょっとしたことを記録していた。    その家に越してきてしばらくは、平凡な内容の文章ばかりだった。 「町内会費の集金が来た。すっかり忘れてたのでほんとに焦った」 「友達の○○さんたちとお茶。3時間も喋ってしまった」 「洗濯物が乾かない。部屋干しの乾燥機がほしいな。相談してみようかな」  たとえばこんな、ありふれたものばかりだった。  事故のあった日の少し前から、書く内容が同じになっ

            【ホラー映画シナリオ】あふれる 【「禍話」リライト番外編】

            【前】  本記事は、「禍話リライト」のシナリオ(脚本)版となります。 Q.これはなんですか? A.「禍話を原作とした短編映画の脚本」です。詳細は上↑の記事をごらんください。  当シナリオは採用されたため、映像化され、22年12月18日(日)のライブで公開&来年ソフト化・データ販売されるようです。おもしろくなっていればいいな…… 「映画脚本」へと書き換える都合上、ツイキャスで話された内容から大幅な脚色がなされている場合があります。  その点、ご了承ください。 ●○●

            一杯のかけそば 広島死闘篇  #パルプアドベントカレンダー2022

             ◆◇◆◇◆  これは、広島のある町であった、心あたたまるお話です。  今から何十年前も前の、昭和のある年の暮れ、大晦日の夜のこと。  昨日の晩から降った雪が、家並みを真っ白にしています。  暗い町をトボトボと歩く、三人の影がありました。  真ん中にいるのは背を丸めた女性、年は三十歳ほどでしょうか。  その両の手につないでいるのは、小学校低学年と高学年ほどの男の子です。  女性は小脇に、風呂敷包みを抱えております。   「おかあちゃん、おなかへったよ」  小さい方の子

            【ホラー映画シナリオ】闇夜の物体 【「禍話」リライト番外編】

            【前】  本記事は、「禍話リライト」のシナリオ(脚本)版となります。 Q.これはなんですか? A.「禍話を原作とした短編映画の脚本」です。詳細は上↑の記事をごらんください。イベントの詳細はこちら↓  当シナリオは採用されたらしいので、12月18日(日)のライブで映像化&DVD化・配信される予定……でしたが、  諸般の事情(キャストさんのご都合)で今回は見送りになったっぽいです。 「映画脚本」へと書き換える都合上、ツイキャスで話された内容からものすごく大幅な脚色がなさ

            【ホラー映画シナリオ】 オーライ! 【「禍話」リライト番外編】

             本記事は、「禍話リライト」のシナリオ(脚本)版となります。 Q.これは、なんですか? A.「禍話」に定期的にゲスト出演されている映画監督・夏目大一朗さんが、「禍話を短編映画にしたい」「すぐ撮る。今年撮る」と打診。  その映画の脚本を募集します、との告知があり、私も3本送りました。  つまりこちらは、「禍話を原作とした短編映画の脚本」となります。夏目監督から脚本公開の認可はいただいております。  採用されたシナリオは映像化され、12月18日(日)、東京で開催される「東京

            地の底の魔女 【「魔女のいた夏」前段】

             ぼろぼろのランドセルを背に、少年は山道を歩く。  林を抜け、藪を分け入って、トンネルの前まで来た。  岩山を掘ったトンネルは長く、出口は豆粒のように遠い。  少年は中に入った。  夏の外気から一転、肌がひやりとした。  少年は懐中電灯を出す。頼りない光が暗闇を照らした。  じっとりした空間をしばらく行くと、あった。  壁の途中に、木の扉。  ドアノブもある。  おととい、命令されて先頭を歩いていた時に気づいた。 「ドアがある」と少年は言った。 「はぁ? ドア?」  

            【お知らせ】「禍話」関連2022年12月各種イベント予定 ほか一覧【更新完了】

             こんにちは。  この記事は、私が毎週聴いている無料の怖い話ツイキャス(ネットラジオ)「禍話」の、  2022年12月の有料・コラボイベントやお知らせが多すぎて困るため、まとめたヤツです。  これを作っておいて貼れば、12月に4本アップする予定のリライト(短編映画用シナリオ3/読み物1)記事作業が楽になるって寸法です。  なおこれだけイベントがあっても、毎週土曜23時からの「本放送」(無料)はたぶん普通に3~5回くらいやるっぽいです。  あとレギュラーゲストの怪談師・壱

            【怖い話】 水の店 【「禍話」リライト92】

             かなり酔っていたので、どこをどう歩いたのかわからないという。 「久しぶりのお酒だったもんで、とにかくもうベロベロで」  繁華街での一人飲みは楽しく、ついつい飲み過ぎてしまったそうだ。  何件目だかもわからないその店、かろうじて覚えている外観は、 「看板に『広島』とか『広島風』って書いてあったと思うんですよ。たぶん」  へぇ、お好み焼きでも出すのかな? よし、次はここだな!  Eさんはご機嫌で、その飲み屋らしき店の戸を開いた。  静かな店だったそうである。  おっ、

            ●今後の予定です 11月中旬 禍話リライト92🚰 12月初旬 禍話リライト シナリオ版①🚗   中旬  禍話リライト シナリオ版②🌃   下旬  禍話リライト シナリオ版③🛁   末頃  禍話リライト93👁️ 12月 「パルプアドベントカレンダー2022」参加作品

            女神の疾走

             オフィスの床、倒れてうめく男たちと白い粉のパケ。  窓際で詰め寄られたラッキー・ジムが震えている。 「れ、令状もなしに、警官が、こんな……」 「うるさいバカ」  ミアはジムを蹴った。  後ろの窓が割れる。ドサッと音がした。  通行人の悲鳴。  彼女はふぅ、と息をついてから俺を見た。 「終わりまひた!」  黒縁メガネの奥の顔は真っ赤だ。  右手に俺の銃、左手にはウイスキーの瓶。 「あ、あぁ。そうだな」 「次、行きまひょう!」 「次?」  男たちやパケを踏み越えてミアは室