【怖い話】 遺影を持つ人 【「禍話」リライト106】
怖い目に遭ったので、お酒をやめたのだという。
彼は街で呑んでいて、そこそこ酔っていたらしい。
店を出てふらふらと外を歩いている時に尿意をもよおした。
が、コンビニや公園──飛び込みで入れるトイレは周囲になかった。
しばらく歩いて探したが、運悪く見当たらない。
酔いで気が大きくなっていたため、
「しょうがねぇな……ま、いいか!」
と、ビルとビルの間に入った。
街路灯もない道で、大通りからの明かりで足元がかすかに見える程度だ。
しかしこういうことをやるには