――2020/12/24、20:10 東京都足立区、洋菓子店「ペンドラゴン」
クリスマスイヴ、借家、男独り。
「結局今年もこうかよぉー……」
「うーさー君、今年も彼女できなかったの?」
「うるさい。そういうまーりんも彼氏いないだろ」
俺は宇佐野。で、俺をうーさーって呼んでるこのごく地味な女は同級生かつ幼馴染の穂鞠。
この「ペンドラゴン」のバイト店員だ。
大学生になって上京し、俺たちは晴れて一
元祖・魔王の朝は早い。
日本人名、明野聡美はキングサイズのベッドから身を起こすと、自らの手でシルクのカーテンを開いた。一面に遮るものの無い青空が広がっていく。
「んー……良い朝だ」
聡美は、自らの長いブロンドはたなびくままにさせて、自らの手でモーニングティーを淹れる。紅色の液がティーカップに溜まると、広々としたベランダにて最初の一口を嗜んだ。冬の風が彼女の頬を撫でていく。
「お館様」
「風魔
(CV:千葉繁)
2020年、12月ッ!
宇宙空間に発生した時空の歪みから、サンタクロースの群れが出現したッ!
さらにッ!
地底で! 海底で! そしてサイバー空間上で! サンタクロースは無数に発生ッ! サンタクロースによる世界征服はあと一歩のところまできていたッ!
しかァしッッ!
人類は諦めていなかったッ!
イマジネーションを力にかえ、パルプの弾丸を放つ猛者たち──パルプスリンガ
ある数奇な運命を分かち合う男女があった。
ある年のクリスマスの夜、ある病院の新生児室の隣り合った保育器に並んだ男女の赤子。己の意識すら定まらぬ二人の、宿命づけられた邂逅であった。
その次の邂逅は、十二年後の小学校。少年は少女のクラスに転入し、二人は互いに惹かれ合うも、二人は別々の中学校へと進級し、淡い恋は終わった。
その次の邂逅は、十二年後のとある上場企業。高卒入社の薄給で黙々と働く青年の職
クリスマスイブの夜、いつもならもう寝ているような時間なのに、今日のユミちゃんはずうっとテレビを観ています。
「コラッ、ゆみちゃん! 早く寝ない悪い子のところにはサンタさんが来てくれないわよ?」
「えーっ!? でもユミ、サンタさんのお顔が見たいの……」
「サンタさんは恥ずかしがりやさんだから、おめめを開けたまま待ってたら怖がって来てくれないぞ~?」
「そうなんだー……ざんねん」
パパとママに
時は12月、noteもなんか浮ついた雰囲気につつまれ、施設のあちこちで赤と緑のクリスマスカラーが彩る季節を迎えていた。
そして場所はnote大広場。思い思いの作品を他の人になんとか読ませるべく、本気の連中が自作を携えて訪れる、言うなればメキシコの荒野めいた戦場である。
アロハをまとい、天狗面をかぶった謎の男、通称アロハ天狗もまた、自身の本気の一本を宣伝販売すべく、立ち並ぶスペースの一角を借り受
仕事帰り。電車を降り、駅から出た。
今日はクリスマス・イブ、すなわち12月24日。
駅前の商店街は赤や緑の飾りで彩られ、街頭スピーカーから流れる陽気な歌が、もうすぐサンタクロースが来ることを報せている。あの店もこの店も「Xmasセール」と言って客をおびき寄せようと必死だ。
俺はそれらを無視し、いつものスーパーで適当に買い物を済ませてから、自宅を目指して歩く。こういう明るい雰囲気は、昔から
屍者クラウスの悔悛
【屍者の浜辺】、機密区画へ接続開始ID照合中……エージェント・クラウスと合致【プロジェクト・リアライグメント】リポートへのアクセス要求を確認要求は承諾されました。リポートを展開します
【生者】側年表抜粋
1957年 アラン・チューリング博士により世界初のチューリングテストをパスする人工知能「Dead Man」が開発される。
1960年 インターネットが公開される。
196
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「こと日本において25日の夜はもはや何の特別な時間でもない」
「然り」
「チキンとケーキがフシギと安いので家飲みに良い日だ」
「然り」
「そもそも仕事納め直前にチュッチュイチャイチャやってられっか」
「然り……いややっぱダメじゃないかなハァちゃん」
「ハァちゃんと呼ぶなあ! 葉華莉《はかり》と呼べえ!」
「はいはいハァちゃんハァちゃん」
12月25日、夜。
流行りの