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ただひたすら功夫あるのみ。

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    無数の銃弾: VOL.9 (ユダン・ナラナイ・パブリッシャ)

    城戸圭一郎
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  • 掌編とか短編とか!

    自作の掌編・短編小説を格納していきます。

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    電子パルプマガジン「無数の銃弾」で連載しているシリーズを、最新号から一話遅れて掲載していきます。

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    読んだ本の感想とかのまとめです

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    パルプアドベントカレンダーに参加した作品たちです

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    #逆噴射小説大賞2021 のエントリー作品を全て収集するマガジンです

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罪喰らうけだもの

 南雲星斗の死は美しいものだった。  夜の埠頭で係船柱に腰かけながら、如月凌馬はゆっくりと紫煙を吐きだした。星斗のアトリエで見た光景が、鮮やかに蘇ってくる。  アトリエにはオブジェがあった。オブジェはアクリル板で仕切られた高さ三メートルほどの正四角柱で、透明な合成樹脂によって満たされていた。そして固体化した樹脂の中には、人間大の塑像が浮かんでいた。  角が一本。  ぎょろりと一つ目。  巨大な顎と滑らかな体。  蹄のある四つ足。  魚のように跳びあがり、大きく身を捩った

    • パワパー孔明 VS. 人肉とんかつ定食 | #AKBDC2024

       パワパー孔明とはパワーパーソン諸葛亮孔明のことである。  孔明は後漢の生まれ、高名なる蜀漢の誉れ、だがいまや時代は流れ、だからいま彼はここにいる……大都会東京に! 『速報です。刺激の強い内容ですので、どうか気を強くしてお聞きください』  ラジオキャスターの落ち着いた声が食堂に流れていた。カウンターに座りながら孔明はその声に耳を傾けている。彼の目の前にはほかほかと湯気をたてているとんかつ定食。実にうまそうな香りが漂ってくる。 『事件が起きたのは市内のとんかつ専門店、被

      • ブレイン・ブレイン | #むつぎ大賞2024

        「脳力来来、脳力来来」  円形の構造物のなか。そこはただひたすらに広く、床も壁もドーム状の天井も、すべてがほの白く輝いていた。  冷たく、茫漠さすら感じさせる、漂白された空間。  そのなかで、少年少女たちは一心不乱に唱えつづけている。 「脳力来来、脳力来来」  彼らは整然と立ちならんでいる。大勢だ。千人にも達しようという少年少女たちだ。その肌、その髪、その瞳の虹彩、身に着けているローブじみた長衣まで、すべてが白い。まるで、漂白された空間に溶けこんでいるかのように。 「

        • 安良さん( @anliang )のカバーイラストがかっこよすぎる『無数の銃弾:VOL.9』は本日より発売開始! ぜひ! https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9DJJC7J

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        記事

          近況報告「やっと書けました……」ってハナシ

          やっと書けた何が書けたって? 以前から何度か話題にしていた「アラガイザル」ですよ! やったー! ただし。三章+エピローグ構成のうち、ようやく第一章が書けただけだがな! うー、とてもまずい。 進捗がとても遅い。しかも第一章の時点ですでに8万8千字を超えている……何かがバグっている気がする。これだけ書いて、ようやく物語の序盤が終わったぜってハナシ……。 あとアラガイザルはどこかの新人賞に投げこみたいのだけど、ボリュームが膨らみすぎるとそれも難しくなってしまう予感がある。しかし

          近況報告「やっと書けました……」ってハナシ

          軌道旋風ギャブリエル 『楽園の地獄』 第五話 「死して屍拾う者なし」

          【前回】 登場人物たち◆  戦争がすべてを狂わせたのか、それとも、狂っていたから戦争が起きたのか――デミルにはわからない。  しかし、これだけははっきりとわかっている。  戦争によって失われたのだ。  セレン。  ずっと一緒だった人。  大切だった君。  君はもう、二度と戻ってくることはない。  ――そう、わかっていた。  手からこぼれ落ちた水のように、君の笑顔も、君の優しさも、君のぬくもりも、そのすべてが。  だから。  デミルは、闇のなかで立ちどまった。  敵地、エク

          軌道旋風ギャブリエル 『楽園の地獄』 第五話 「死して屍拾う者なし」

          2023年に読んだ小説をふりかえる

          人生振りかえりが大事。ということで昨年(2023年)読んだ小説を振りかえってみるという、毎年恒例の記事です。なお「よい」と思った小説のタイトルの横には をつけています。ただこれ、完全にしゅげんじゃの好みと主観での判断なので、そういうもんだと思ってください。 それではやっていきます。 ◎黒牢城現代の創作においてはジャンル横断的・マッシュアップ的な要素は不可欠で、この黒牢城は戦国ものにミステリーを、それも安楽椅子探偵ものを掛けあわせたものになっていて、その時点ですでにおもし

          2023年に読んだ小説をふりかえる

          2024年がはじまったようです

          🎍あけましておめでとうございます🌵 2024年の抱負的なやつひとまず創作限定で。 活動面・質の面・進捗の面というみっつに分けて抱負を書いてみます。 創作活動面での抱負 2023年はなんというか、生煮えというか、くすぶっていたというか……仕事が忙しかったことが原因とはいえ、創作に向けて自分をうまくチューンできてないな、という感覚がありました。 なのでワークライフバランスとはちょっと違うんだけど、2024年はしっかりと創作に集中できる時間を確保する……ということを軸にして

          2024年がはじまったようです

          世紀末お肉バトル伝説 オニクカ・メーン | #第三回お肉仮面文芸祭

           勇者オニクカ・メーンの死から五十年後。世界は核の炎に包まれた。海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体は絶滅したかに見えた。しかし、人類は死に絶えてはいなかった――。 「ヒャッハー!」  乾いた空気に野蛮な叫びが木霊する。この物語の主人公はデンガク。彼の故郷であるササミ村は今、恐るべき野盗の群れに襲われていた! 「お許しください! そのお肉は……そのお肉だけは!」  すがりつき、懇願する壮年の男。その男を、 「あ~?」  と、あからさまに悪そうな面構えのモヒカン頭が一瞥した。

          世紀末お肉バトル伝説 オニクカ・メーン | #第三回お肉仮面文芸祭

          中途半端が一番クソ🔥🖕🔥

          あー、ムカつくぜ……! 心の底からムカつくぜ……心の底からな……ッ! ふだんおだやかなしゅげんじゃ氏(自称)が、いったい何にこんなにムカついているのか? それは……! 逆噴射小説大賞の最終選考に選ばれなかったから? いいえ、答えは No。たしかにそれはムカつくきっかけのひとつではあるけど、ムカつきの根源はそこではない。 そもそもこの結果は内心、折り込みずみだったというか、前回大賞を獲ったこともあり「今回は賞レース気にせず気楽に参加してみよう」ぐらいのゆるゆるな心構えで

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          赤人館の殺サンタ事件 | #パルプアドベントカレンダー2023

          1. 探偵は遭遇する  探偵とは死に遭遇し、謎を解き明かし、去っていく……そういう存在だ。探偵が行くところ、常に死と謎とがつきまとう。それはもはや、宇宙の法則だと言ってもいい。  だが、それにしても……。  と、八神は思った。探偵である彼はいま、目の前の現実に戸惑っていた。  洋館の歓談室のなかだった。パチパチと、暖炉が音を奏でていた。銀の燭台の上ではろうそくの灯が揺らめき、窓の外ではしんしんと、降り積もる雪が白銀の世界をつくりだしている。  暖かく、静かな空間。  

          赤人館の殺サンタ事件 | #パルプアドベントカレンダー2023

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その肆

          逆噴射小説大賞の応募作品のなかから僕なりにテーマを決めてピックアップをしていきます、の第四回目です。今回で最終回なので、いつもより多めに景気よくドーンといきます! おかみ様の遣わすもの現代的な怪談って「日常のすぐ隣にある怪異との遭遇」に怖さがあったりするわけですが、この作品は日常っぽい何かがむしろ怪異である、という転倒がおもしろいと思いました。宇宙飛行士っぽい人たちが怪異なのではなく、実は日常の方が怪異という。というかですよ、登場人物が「シカ(鹿?)の代わりに狩れてよかった

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その肆

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その参

          逆噴射小説大賞の応募作品のなかから僕なりにテーマを決めてピックアップをしていきますの第三回目です。なおテーマは機密事項として非公開ですが、全体のトーンからなんとなく察することができるかもしれません。 では、やっていきます。 ドラゴンアンドデートドラッグパルプ的スピード感・グルーヴ感を出しやすいことから、冒頭疾走系(主に何かに追われてる系)って逆噴射では多いのですが、そういった類型のなかにおいてこの作品は秀逸だなと思いました。とにかくスラップスティックでありながら、バタつい

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その参

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その弐

          ここのところ絶妙に忙しく、前回のピックアップから間が開いてしまいました……。 逆噴射小説大賞の応募作品のなかから僕なりにテーマを決めてピックアップをしていきますの第二回目です。なおテーマは機密事項として非公開ですが、全体のトーンからなんとなく察することができるかもしれません。 では、やっていきます。 レザレク特殊清掃ならぬ特殊葬送お仕事もの感があり、これは間違いなくおもしろくなりそう……と感じました。800字と短いなかでも主人公の故人への接し方など、しっかりと人物が掘り

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その弐

          逆噴射小説大賞2023ライナーノーツ的なやつ+α

          2023年秋。今年も逆噴射の輝きは天空から降りそそぎ、人びとを熱し、畏れさせ、狂乱させた。11月になると輝きは去っていった。だがその残照はいまだ熱を持ち、年末が近づくなかで、日本は再び夏日を迎えようとしていた……(逆噴射は季節を狂わすぐらい楽しかったですねの意)。 ヘッダー画像は AI 画伯が生成したマスコット「ふりかえるくん」です。なぜかヨガのチン・ムドラー(親指と人差し指で輪っかをつくる印)をキメてますね。かわいい。 ということで、何ごともふりかえりが肝心。まずは自作

          逆噴射小説大賞2023ライナーノーツ的なやつ+α

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その壱

          みんな、パルプしてますか? 今年も開催された逆噴射小説大賞、応募数は10月21日段階で132作品ほど。新しい参加者も多く、去年同日での実績は126作品だったので(ジョン久作さん調べ)しっかり盛りあがっている! なお応募作品すべてを下記から読むことができます。 さて。そんな応募作品のなかから、個人的に「よいな」と思ったものを数回に分けてピックアップしていこうと思います。ちなみに毎記事ごとに自分のなかでテーマを決めてピックアップしていく予定です。 ちなみにそのテーマは機密事

          【逆噴射小説大賞ピックアップ】2023年版 その壱