Rangok
日が沈むころ 白い砂で有名なビーチでぼんやりしていると 子供を三人連れた夫婦がやってきた 父親はなぜか大量のゴミを持参しており ビーチの入り口に備え付けられていた …
今年の夏の初め、決めた事 「線香花火をする」 大人になると意外としなくなる 夏の夜遊び 数年に一回ふと、思い立って じんわりと線香花火を眺めていたりするのだが 今年…
博物学者であり生物学者であり 民俗学者なんていう トリプルな経歴の 江戸末期生まれの人物 南方熊楠の記念館を訪れた その日は父親の命日 自分の人生が大きくシフトして…
久米島本島に寄り添う二つの島の 東側に浮かぶ小さな島 今は「オーハ島」という名前らしいが それ以前の呼び名は「東(あがり)の奥武(おう)」 明治時代に二家族が入植…
6話から、4年経った 父の死とコロナとで それどころでは無くなっていた もうやめようと 何度も思ったのに その度に いろんな出来事が起こって やめない選択が繰り返され…
「はい、これ着てね、 濡れるから靴は脱いでこれ履いてね」 宗形さんから ライフジャケットと マリンシューズを借りる 潮が引くと 歩いて渡れる程の 浅瀬になるので 潮…
店を早々に閉めて 4人で夕食へ 戦後、間もなく出来た 公設市場のひとつ ここ栄町市場も 来る度に人の気配は薄れて お昼間でも半分以上の シャッターは閉まったまま 匂い…
モノレールで安里へ戻り 栄町の食堂へ お昼時は とっくに過ぎていたので ひとり、カウンターに お客さんがいるのみ 「おかえり、 遅かったねー ウートートできたねー…
第二次世界大戦時 激しい地上戦の場となった 前田高地とも呼ばれる 浦添城跡 1945年4月25日 進撃が始まり 当初は日本軍が優勢だったが 2週間足らずで アメリカ連合国軍に …
宿泊先の ホテルへ向かう 島の中心の イーフ地区からは 離れたホテルなので 帰りながら 夕飯時に開いていそうなお店を いくつか教えてもらった あっという間なのに 何日…
善田公園を出て みどり丸の慰霊碑を探す 草や木々、空以外には 何もない道を走って行くが それらしい何かは見つからない 「今あるかどうかはわからないよ」 宗形さんの…
久米島本島へ 戻るために船へ 潮流が変わるから 行きほど濡れないと思うよ、 と戸田くんが言った通り 飛んでくるしぶきに 視界が遮られる事なく 行きよりも 穏やかな海を…
「井戸は 多分この辺りのはずよ」 宗形さんが指すその先は 亜熱帯の植物に 隙間なく覆い尽くされた密林 道どころか 井戸まで全部 覆い尽くされたか、 あまりにも風景…
宗形さんの後ろを 三人並んで着いて歩く 「鬱蒼とした」 と言う言葉が ぴったり当てはまる 無人島になった期間の間に 人が住む以前の 自然の島の姿へと 戻っていったんだ…
2024年9月2日 13:55
日が沈むころ白い砂で有名なビーチでぼんやりしていると子供を三人連れた夫婦がやってきた父親はなぜか大量のゴミを持参しておりビーチの入り口に備え付けられていた既に溢れかえっているゴミ箱の横に何の躊躇もなくドサッと置いて浜へ歩いて行った「白ーい!」と言って砂を触ろうとする子供めがけて「汚いから触ったらダメ!」と怒る母親海辺近くまで移動していそいそと花火を出し子供たちと夏の夜を楽
2024年8月29日 19:02
2024年8月29日 15:54
今年の夏の初め、決めた事「線香花火をする」大人になると意外としなくなる夏の夜遊び数年に一回ふと、思い立ってじんわりと線香花火を眺めていたりするのだが今年はすぼ手と長手のふたつを比較してみた数年前はすぼ手が一番奇麗だと思った記憶があるのだけど今回は長手に軍配製品の差や個体差があるにしろ火花の散り方や燃え落ちるまでの好みももしかしたら変わったのかも知れない大人が好き
2024年8月20日 16:26
博物学者であり生物学者であり 民俗学者なんていうトリプルな経歴の 江戸末期生まれの人物南方熊楠の記念館を訪れたその日は父親の命日 自分の人生が大きくシフトしていくスタートでもある日自然公園の一角にあり人がわんさか来る施設では無いので静かに観るつもりだったが元気すぎる小学生の団体とタイミングが被ってしまった「…う…集中、集中」無理くり作った瞑想状態で見学主要な展示物は
2024年7月21日 14:11
久米島本島に寄り添う二つの島の東側に浮かぶ小さな島今は「オーハ島」という名前らしいが それ以前の呼び名は「東(あがり)の奥武(おう)」明治時代に二家族が入植し1960年代には100人を超える島民がいたそうだがその後徐々に人は減り、2000年初頭には数人のみが暮らす静かで小さな島に戻っていた私のおじぃとおばぁは 久米島の人だ おじぃが亡くなったあとお墓だけがその「東の奥武」に
2023年6月10日 22:16
6話から、4年経った父の死とコロナとでそれどころでは無くなっていたもうやめようと何度も思ったのにその度にいろんな出来事が起こってやめない選択が繰り返されたおかげて捨て身なので楽曲に関して容赦ない砲撃浴びせ一回仕上がった音は全てお蔵入りとなったプロジェクト=ボーカリストオーディションオリジナル音源作ります!バックアップはプロが全力で!なオリジナル曲作って
2022年10月31日 10:10
「はい、これ着てね、 濡れるから靴は脱いでこれ履いてね」宗形さんからライフジャケットとマリンシューズを借りる潮が引くと歩いて渡れる程の浅瀬になるので潮が満ちている間に船を出す今日は14時頃までが満潮の時刻だ港に着き、船に乗り込む空はどんよりしてきたが雨は降っていない「はい、ここ座ってね」船の真ん中あたりに渡されている板の上に母、戸田くんと三人で腰掛けた
2022年5月5日 03:03
店を早々に閉めて4人で夕食へ戦後、間もなく出来た公設市場のひとつここ栄町市場も来る度に人の気配は薄れてお昼間でも半分以上のシャッターは閉まったまま匂いだけ残してただ反対に夕暮れ時になるとあちらこちらに出来た居酒屋に明かりが灯りはじめ外にあるテーブルと椅子でそれぞれの乾杯が始まるこの旅でお気に入りになったクラフトピール75(ナゴ)ピールを外のカウンターで一
2022年5月4日 00:50
モノレールで安里へ戻り栄町の食堂へお昼時はとっくに過ぎていたのでひとり、カウンターにお客さんがいるのみ「おかえり、 遅かったねー ウートートできたねー?」母の小学校時代からの親友きみこさんと旦那さんであるまーぼぅが切り盛りする食堂いつ来ても何も変わらない自分の家のように帰って来たな、とほっとする場所「お腹すいたねー、何する? ソーキそばね?」そこは
2022年5月3日 01:57
第二次世界大戦時激しい地上戦の場となった前田高地とも呼ばれる浦添城跡1945年4月25日進撃が始まり当初は日本軍が優勢だったが2週間足らずでアメリカ連合国軍に占領された琉球王国時代の王英祖王と尚寧王の眠る場所そそり立つ高台にびっしりとお墓が建ち並ぶタクシーを降りたのはいいが広すぎて場所の検討がつかない眺めのいいところだなー海も見渡せるしなんて、のんきな
2022年5月1日 23:04
宿泊先のホテルへ向かう島の中心のイーフ地区からは離れたホテルなので帰りながら夕飯時に開いていそうなお店をいくつか教えてもらったあっという間なのに何日も経ったような矛盾した感覚に包まれる濃密な時間何年分もの感情の揺れがたった数時間で一気に凝縮したようなホテルの玄関先でふたりで並んで写真を撮ってもらった撮るのは好きだけど撮られるのは苦手なので少し照れく
2022年5月1日 00:17
善田公園を出てみどり丸の慰霊碑を探す草や木々、空以外には何もない道を走って行くがそれらしい何かは見つからない「今あるかどうかはわからないよ」宗形さんの言葉がよぎる「もういいよ、行くの、諦める」「いいの?」「うん」日が沈む時間も近づいてきていたのでこれ以上やみくもに車を走らせるのは申し訳無いなと「五枝の松行った事ある?」「ううん、ない」「じゃ、せっかくだ
2022年4月30日 01:57
久米島本島へ戻るために船へ潮流が変わるから行きほど濡れないと思うよ、と戸田くんが言った通り飛んでくるしぶきに視界が遮られる事なく行きよりも穏やかな海をすべり本島に到着岸に着く前に船着場に見えた戸田くんの船を近くで見たくて宗形さんの船を降りて桟橋を渡る桟橋の左手「あそこの、ほら、ベージュ色の」船体に英語で名前が書いてある「船の名前は神様?」「そうそう、
2022年4月29日 08:36
「井戸は 多分この辺りのはずよ」宗形さんが指すその先は亜熱帯の植物に隙間なく覆い尽くされた密林道どころか井戸まで全部覆い尽くされたか、あまりにも風景が違いすぎて信じられない気もしてるほんとにここなの、って気もしてるんだけどどちらにしてももう進めそうに無いしうん、て自分を納得させて諦める事にしたそばまで来てるし来てる?これは来てるって言えるの
2022年4月28日 01:30
宗形さんの後ろを三人並んで着いて歩く「鬱蒼とした」と言う言葉がぴったり当てはまる無人島になった期間の間に人が住む以前の自然の島の姿へと戻っていったんだろう「ちょっと先見てくるから ここで待っててよー」と宗形さんは道を右に外れ茂みの中へと入って行った「あー あったあった」しばらくすると茂みの中から声がして宗形さんが戻ってきたお墓のある方向では無いが
2022年4月26日 21:41